【感想・ネタバレ】松本清張の「遺言」 『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解くのレビュー

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Posted by ブクログ

『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』からの『松本清張の「遺言」』。本屋さんの文庫コーナーでたまたま見つけて。文春新書で読んだことあったけど、文庫だったっけ?と、よくよく見たら新書の時の「神々の乱心」だけじゃなくて文藝春秋で掲載された「昭和史発掘」についても一緒になっていてお得!今年3月に放送されたEテレ100分de名著の松本清張シリーズの後、出版されているらしくホヤホヤの旧著でした。「隠蔽と暴露」では政治体制と官僚制と経済界に召喚され、「遺言」では天皇制に呼び出され、今、松本清張、大忙しです。それは、「昭和」という時代を大きく捉えることについてのニーズがかつてないほど高いからなのだと思います。新しい元号を迎えるこの一年、昭和をリセットするのではなくディスカバーする、ということが大切なのかも、です。

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2018年05月06日

Posted by ブクログ

100分de名著 より。原武史 「 松本清張 の遺言 」〜昭和史発掘 神々の乱心 の晩年2作品から 松本清張の着眼点、昭和史観を捉えた本

松本清張 の 「本当にみずみずしい作品は 若い頃には書けない」の言葉から、この2作品は みずみずしさを目指したもの。みずみずしさとは 新しい歴史認識ではないか

「神々の乱心」は 二二六事件と日本の神話をモチーフに 絶対神(天皇)に対するクーデターを描いたが 絶筆未完。著者は 秩父宮をツクヨミとする教義の宗教団体が 秩父宮に神器を献上し、新天皇即位を謀るクーデターというシナリオを推定

清張の着眼点
*現代と歴史、組織と個人、支配と被支配の軸を描く
*史眼烱々(けいけい)〜史料の点と点を論証できる推理でつなげる
*倒叙法(現代から過去に遡る)→歴史は後になるほど 枝が広がって複雑
*司馬遼太郎は街道に、松本清張は鉄道に注目している

天皇=血統主義→三種の神器が血統の証
*アマテラス=天皇の直系→絶対君主
*天皇の弟 秩父宮→アマテラスの弟ツクヨミ→天皇の臣下
*アマテラスの弟スサノオ→埼玉の神(氷川神社)→ツクヨミとスサノオを同一神とみる説あり

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2018年03月25日

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