あらすじ
弱小なディメ王国の醜悪な第六王子アリスマは、その類まれなる計算能力によって頭角を現していくが――森羅万象を計算し尽くす夢に取り憑かれた王を描き、星雲賞を受賞した表題作、なぜか自律運転車に乗せられる人型ロボット、アサカさんを通して、AIの権利を考察する書き下ろし「リグ・ライト――機械が愛する権利について」ほか全五篇。
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Posted by ブクログ
意思、であるとか
意志、であるとか。
ひとが作り出したものに、それが宿るのかというのは、ひとつの大きなテーマだろう。
そこには、宿って欲しいと、思う場合と、宿られてはたまらない、と思う場合があるような。
宿って欲しい、と思うのはどこか、
愛着、や信頼感みたいなものを、作られたもの、と共有したいと云うか、
それぐらい出来てもいいんじゃない? と云うか、どうせやるならここまでやってやろう、みたいな思いがそうさせていて、
宿られてはたまらない、というのは、
そういう感情の機微、みたいなものを大事にしたいから、
或いはそれすらひとの手で造られてしまったらと思うとゾッとするから、本能的に反対しているのか。
でも結局それってもしかしてどちらも、
ひとの意地、なのかもしれない。
…ふむ?
よしその意気だ!
あれ登録漏れてるじゃん! というわけで今更。
短篇集、と云うには各話ボリュームが多いので、作品集と云うのがいいのかしら。
星雲賞受賞の表題をはじめ、どれも骨太なSF、なのだけれどどうにもおちゃらけてるのが魅力的。そのへん表題以外の作品にほんとうの魅力があるように思います。
イチオシは書き下ろしのリグ・ライト。
どれもこれも粒揃いなので☆4.2