【感想・ネタバレ】鳥肌がのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「他人という存在の扉を叩く行為は本質的には常に恐ろしい。何故なら、他人とは、自分とは異なる命の塊だから。そこには眩しいほどの未知性が詰まっている。それこそが恐怖の源であり、同時に喜びの源でもあるのだろう。」(他人に声をかける p.27)

「蜻蛉を喰いたいと蛙が云うのだ。おたまじゃくしの仇を討つと(中村みゆき)」(ヤゴと電卓 p.68)

「飲みこみて残らぬことの多しといふ血のつきたる猫の乳歯拾ひつ(横山未来子)」(落ちている p.107)

「だから、わたしは過去に遡って「これ以外の今」に辿り着く可能性を探さずにいられなかった。ドミノ倒しが別の道に向ってゆくような運命の分岐点を探していたのだ。そんなことをしても、どうしようもないのに。」(しまった、しまった、しまった p.139)

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2017年07月14日

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ネタバレ

文字通り「鳥肌」をテーマにしたエッセイ。表紙にイボイボがエンボス加工みたいに施されていて、それが鳥肌と気づき、遊びごころに感服。意図はわからないけど、細い3本の糸のスピンも変わっている。いろいろ調べていたら、綴じ紐も同じ糸をつかっているということで、凝視してしまった。
内容は、ぞっとしたとき、感動したときなど、いろんな状況で鳥肌は立つけれど、恐怖によって鳥肌が立つ状況について書かれている。
声を出して笑ってしまったのは、夜半に上司と泊まったビジネスホテルの一室で目覚めたら、テーブルの上に髪の毛の塊があって絶叫したというもの。上司の鬘だったというオチなのだが、その絶叫に驚いて起きて来た上司の風貌を見て、また驚愕したというくだり。夜中の3時に読んでいて大笑い。そんなわたしも、傍から見たら鳥肌ものだったかも。
毎度、穂村さんのエッセイは、感服と敬意と笑いと納得と、さまざまな感情を引き起こしてくれる。

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2017年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほむほむこと歌人の穂村弘さんの‘恐怖’をテーマにしたエッセイ。講談社エッセイ賞受賞。

子供の頃から怖がりの私にはドンピシャな本でした。
次々繰り出される恐怖エピソードにいちいち共感、というか共震(恐怖なだけに(* ̄∇ ̄*))しまくり。

ちょっと怖がりで心配性な人のあるあるエピソードから、ある意味病的で読んでいると『鳥肌が』立ちそうなものまで。
共通するのは自分や他人、それを含む‘世界’の訳の分からなさ。分かっているはずのモノが突然分からなくなる、そんな恐怖。
私が一番怖くて面白いと思ったのが穂村さんの友人の話。

‘私の友人がある日ひどく怒っていた。
「ビール券なんか送ってきたんだよ」
「ビール券...」
「どういうつもりなんだろう」
「......」
「ふざけてる」
「......」
「もうあいつとは付き合わないよ」
「......」
(中略)
穂村「ビール、好きじゃないんだね」
友人「え、ビールは飲むよ」’

ご友人の理由は「ビール券=通俗的なもの」で自分が通俗的な人間と見られたのが許せない、というもの。
一見コントのようだがやっぱりオソロシイ、と思う。

彼には(もしかしたら読んでる方にもかもしれないけど)常識なのだ。

ぞくり、や、ぞわり。
日常の底が抜けかかるような、そんな気分になるエッセイ。

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2018年04月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 うわーーー。読んでる間ずっと右手がボツボツする。目に見えない「おそれ」は、いつだって私たちにまとわりついている。ぞわぞわ。

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2017年04月19日

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