あらすじ
〈シグマフォース〉外伝シリーズ最新刊
電子戦争の脅威に挑む一人と一匹──
開かれた“禁断の扉”──
戦場は生身の人間によるものから
銃弾も銃剣も必要ない、デジタルの世界へと移り変わる……
生身の兵士タッカー&ケインは、
最新鋭キラードローン──WAR HAWKに勝てるのか?
原爆実験都市からカリブ海の島へ──
世界を救うため電子の迷宮に戦いを挑め!
〈エニグマ〉の開発者である、アラン・チューリングが遺した
極秘プロジェクト──“ARES〈アレス〉”
戦を司る神が現代に降臨する時、新たな戦争の時代が幕を開ける……
元軍人と一匹の犬が、それに立ち向かう!
〈あらすじ〉タッカーとケインは、ジェーン、フランク、サンディの元同僚ノラ・フレイクスとともに、サンディ殺害の真相とその裏で着々と進められている計画の正体を突き止めようとする。第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号を解読したイギリス人数学者アラン・チューリングの提唱したコンピューター技術が、最新の戦闘用ドローンに搭載されているらしい。だが、裏で画策するメディア王のプルーイット・ケラーマンの野望は、キラードローンの開発だけにとどまらない。計画を阻止するため、タッカーたちは最初の原爆実験が行なわれた地や、カリブ海の島国トリニダード・トバゴを経て、敵の本拠地に乗り込んだ。生身の兵士のタッカーとケインは、最先端の人工知能を備えたキラードローン部隊に勝機があるのだろうか?
◆科学的事実に関して
ドローン[Drone]
現代の戦争においていかにドローンが広く使用されているかを理解し、実感したければ、新聞を読むだけで十分である。現在、新しく改良されたロボット戦士を開発するための軍拡競争が進行している。このことから、根本的な疑問が生じる。ドローンの使用は人の命を救うのだろうか、それともその使用の容易さ──遠くからの殺害が可能になること──により、我々が戦争に巻き込まれる可能性は高くなるのだろうか? 我々は相手を確認する前に攻撃するようになり始めているのだろうか? そして、この次に考えなければならないのは、誰がそうしたドローンを制御するのかという問題である。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
最後の証人は、人ではない学習するAI。
これからの世界、人目だけでなく人ではない何かの目で観られていると思うと、ゾッとしますね。
現生人類が生き残る為に他者の脅威を排除してきた歴史から考えると、現在の人類は新たなる脅威を自らの手で生み出そうとしているように感じました。
Posted by ブクログ
久しぶりのタッカー&ケインのコンビ。
もうね動物にはかなわない。ほんとメロメロ。
また難事件に挑んでいくケインの姿、彼目線で書かれる描写がなんとも胸を打ちます。
今回もまた厄介な事件でしたね。
世界は核戦争から情報戦争へ・・・
中で言われていたアラン・チューリング
2015年に「イミテーション・ゲーム」主演ベネディクト・カンバーバッチで映画化されましたね。
彼は非常に不運な人生だったと思います。
世界を動かせてしまう、使い方によっては非常に危険なものですね。
私がパソコン使うのと訳が違う(笑)
そしてドローンの登場も。
いやぁ本当に怖いですね。
ドローンを扱った映画
2014年「ドローン・オブ・ウォー」主演イーサン・ホーク観ましたが、これも恐ろしい。
離れたところから遠隔操作で敵を攻撃できちゃうんですからね。
ゲーム感覚で精神おかしくなるんじゃないかと思いますが、やはり映画でもタッカーと同じ(PTSD)を抱えていました。
退役軍人さんはとても多いですよね。
世界を駆け巡る事件解決への道のりは今回も非常に困難でした。
そしてドローンによる攻撃で街を破壊したり村を破壊したり、こんな危険なものを使ったらなんでもできちゃう。
ますます罪の意識なんて感じなくなるんじゃないのかな。
これが実際すでに始まっていることですからね。
そしてたまたま今日見たネットニュース。
イギリスでは退役した軍用犬は殺傷処分にされるとか。
何ということ!!
そして兵隊さんたちが「今度は自分たちが犬を護ると」行動を起こし、殺傷処分は見直されることになったとか。
人間のために危険な仕事をしてきた犬を何だと思っているんだって非常に腹が立ちました。
ケインはいくつになるのかわからないけど、これからもタッカーと元気で活躍してほしいです。
日本は相当遅れをとっているんじゃないの?大丈夫かよって思っちゃいました。
Posted by ブクログ
Σシリーズの外伝で、タッカー&ケインシリーズの二作目。
第二次世界大戦時の暗号解読のスペシャリストである、アラン・チューリングの考え方を元に、現代の人工知能を悪用する相手との闘いが描かれている。
ドローンだけでなく戦車まで無人で動き、しかも学習しながら殺戮していくという、新しい戦争の形には恐怖を覚えた。
今作もケインが、健気でひたむきで、とても可愛く思える。さらに、人工知能を持つドローンのレックスも、最後に粋な計らいをしてくれて、愛着が湧いた。
Posted by ブクログ
最後は自殺で終わるかぁ。
まぁ、ホント酷すぎたもんな。
ケインも怪我しまくって可哀想だった。
タッカーとジェーンは付き合っていくのか?
私的にはルースの方がおすすめしたい。
Posted by ブクログ
読書録「チューリングの遺産(下)」4
著者 ジェームズ・ロリンズ
グラント・ブラックウッド
訳 桑田健
出版 竹書房
p57より引用
“ これは兵士の教訓でもある。アフガニス
タンでの従軍経験から、タッカーは運命がい
かに気紛れなものかを知っている。一歩の踏
み間違いで足元に埋まっていた即席爆発装置
が炸裂する。たまたま首をひねったところで
銃弾が頭蓋骨を貫通する。突然の強風にあお
られて乗っていたヘリコプターが山腹に墜落
する。そんな例は枚挙に暇がない。”
目次から抜粋引用
“ホワイトシティ(承前)
煙幕
敵陣突入”
元陸軍レンジャーとその相棒を主人公とし
た、アクションサスペンス長編小説。
人気作「シグマフォース」シリーズ外伝第二
弾下巻。
行方不明となっていたかつての同僚・サン
ディをはじめ、同じ計画に携わった人物が幾
人も死んだ。彼女達が死ぬ理由となった計画
の全容を確かめるため、タッカー達は敵地へ
より深く足を踏み入れる…。
上記の引用は、ミサイル実験場で見つけた、
都市探検家の死体を見てのタッカーの胸の内。
何がどうなるかというのは、誰にもどうしよ
うもないものなのかも知れませんね。
新しい時代の新しい戦争について書かれた
話でした。大声で出元不明の話をする人たち
には、だまされないように、よくよく気をつ
けていきたいものです。
ーーーーー
Posted by ブクログ
"今回は、歴史的なサプライズはあまりなく、近代的な設定で最後まで一気に読まされた。
著者が最後に語る、現実とフィクションの境目を示す読書案内では、軍用犬とハンドラーとの世界を語る本(戦場に行く犬 アメリカの軍用犬とハンドラーの絆)とドローン技術についての本(ロボット兵士の戦争)の二冊が気になった。
ケインとタッカーの冒険はまだ続くらしい。
続編に期待。"
Posted by ブクログ
シグマフォースシリーズ外伝・
タッカー&ケインシリーズ、2作目。
今回の敵はドローン。無人飛行による攻撃が可能、というイメージは漠然と持っていたものの、その進化は想像を遥かに超えたものに。災害時など平和目的に利用される分にはいいけれど、軍事目的にとなると、相当の脅威となってしまうのが哀しい。ここまでして一体人間はどこへ向かいたいのか、、、。いずれ人工知能にしてやられる時代がくるのだろうかと思っていたが、想像以上に差し迫っているのかもと思わせられた。
Posted by ブクログ
第三部 ホワイトシティ(承前)/第四部 煙幕/第五部 敵陣突入
アラン・チューリング、コンピューターの父とも呼ばれる彼がもたらしたしたものは平和か、新たな争いか
素手の争いが武器を使うようになり、石や木の枝が刀へ、鉄砲へ、爆弾へ、いよいよ目に見えない部分がある電子の争いになるのか。なんかいやだなぁ
Posted by ブクログ
最近、外国の作家さんで難しいのですが、ジェームズ・ロリンズはドツボにはまって読んでいるのですが、この作品はジェームズでなくてもタイトルを見ただけで喰いついていると思います!馬鹿にするわけではないが、この人の名前くらいは憶えていても損はないかと思います。
「チューリングの遺産(上)(下)」
タイトルで思いつくのはナチス・ドイツを倒したアラン・チューリングしか浮かんでこない。織田信長が桶狭間の戦いで簗田政綱が諜報において優れた結果を残し、一番の評価を得たのと同じでチューリングが解読不能と言われたドイツ軍のエニグマを解読し、人工知能の父と呼ばれ現代のコンピューター界の祖と言ってもおかしくない方です。
ジェームズがチューリングの名を使い同作品を仕上げるか楽しみでしたが、キラードローンへの人工知能搭載で世界を手にしようとしたメディア王との戦いを今回はいつものシグマフォースのメンバーではなく、タッカーとケインの活躍の話です。
キラードローンと聞き、最近のドローン戦争のことを考えると日本という国の恐ろしさを感じる。ガンダムF91の中で人を殺すための殺戮の機械でバグというのが出てきます。あれがドローンと被るんですよね。人いらずの戦争道具と言うのが軍を持つ日本であれば最先端にいけたのかもしれない。1991年の作品ですからね。
この作品は物語りよりも現代の実情をいろいろと考えさせられます。