【感想・ネタバレ】裏面:ある幻想的な物語のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2019年02月10日

寝てる時に「今絶賛悪夢見てるんですけどね」っていう時ないですか?箱の中に電気点いてて、影絵見てるような?
不快で恐ろしくしんどいけど、中距離競争みたいな感じで、いつか終わるのは、あらかじめわかっている。その悪夢のテンションと言うのでしょうか、座標と言うのでしょうか、周波数と言うのでしょうか、雰囲気そ...続きを読むのものなんですよね。悪夢だから友達が変幻自在に、夢の国を創造し、君主になることもなんら特別に不思議なことではない。

最近よく、幻想、幻想って安易に聞くけど、本来の幻想的ってこういう作品のことだと思うわ。

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Posted by ブクログ 2017年10月08日

19世紀後半のボヘミアに生まれた画家が
20世紀初頭に執筆した小説に自ら挿絵を添えた作品。
作者の分身とも想像される
ミュンヘン在住の「画家」が
旧友クラウス・パテラの招きを受け、
莫大な財産を相続した彼が中央アジアに築いたという
独立国へ妻と共に赴いたが、
待っていたのは理想郷の面白おかしい生活と...続きを読む
到底呼び得ない暮らしだった――。

画家は「国王」パテラに、
かつての学友の誼で招待されたはずが、
行ってみると特別待遇を受けるわけでもなく、
街の治安もよいとは言えず、
妻はストレスで精神を病んでいく……という、
まるで楽しくないストーリー(笑)。

作者が描きたかったのは
外界と隔絶したパラダイスの美ではなく、
その世界が腐臭を放ちながら崩壊する
カタストロフだったらしい。
伝染病によって市民が眠り込んだ隙に
様々な動物が好き勝手に暴れ出し、
それをきっかけに「王国」が膿み爛れていく様子が
これでもかと詳述される様は圧巻。

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