【感想・ネタバレ】大避難 何が生死を分けるのか スーパー台風から南海トラフ地震までのレビュー

あらすじ

近い将来、日本の都市を襲うおそれのある、巨大な台風・地震・津波――。数十万~百万単位の人間が一挙に「大避難」せざるをえない状況下で、一体どのような行動を取るべきか? これまで数多くの大型災害番組を手掛けてきたNHKのチームが、徹底取材と、緻密なシミュレーションに基づき、巨大災害から「命をつなぐシナリオ」を提示する。

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Posted by ブクログ

まさに預言書と言える内容になっています。台風19号のシュミレーションが、これほど正確に記載されている書籍は、見たことがありません。購入時期は、台風が直撃している真っ只中です。

自宅が東京の東側、ゼロメートル地帯なので、ハザードマップから河川が氾濫したら最大で1.5メートルの浸水というリスクがある場所です。

この書籍を参考に、どう避難するかを考ええて実行しました。予想では、停電、浸水と踏んでいましたが、停電だけで済みました。ただ、他の地域では、壊滅的な被害を受けた所もあります。

避難するには、正しい知識と行動が必要になります。この書籍は、まさにそれを教えてくれました。超大型台風は、これから日本に定期的に襲ってくる。数十年に一度が
数年、もしくは毎年になるかもしれない。

今回の台風で自分の地域がどういう対策をとっているのかも、改めて知る機会になりました。この書籍では、仮に二時間前に避難勧告をしても多くが避難できないとシュミレーションしています。また避難すると積極的に行動する人は、全体の3%です。

また一人住まいの高齢者の方がべらぼうにいる東京です。その地域が浸水したら一週間以上は、救助も難しく、また、救助する数が数万です。どう考えても人数が足りないので、救助が長期化します。その間、被災者は、自力で生きないと、いけません。考えただけで恐ろしいですが、これから、かなり高い確率で起こります。

政府が悪い、堤防うんぬんと言っても、
何も変わりません。もう日本には、防災を予防するだけの金も人的余裕もありません。国民の意識を変えるというか、結局は、自分ごととしてリスクを引き受けて、行動するしかありません。

その基礎知識として、この本は、オススメです。

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2019年12月02日

Posted by ブクログ

■台風が強いまま接近・上陸する背景は大きく分けて二つの要因がある。
①深い場所の海水温
・台風は強い風の渦であり真下では海水が激しくかき混ぜられている。その深さは100m前後に及ぶためこの場所の海水温が鍵を握ってくる。ここの海水温が高ければ,かき混ぜられても表面の温度はそれほど下がらないため供給されるエネルギーは減らない。スーパー台風に特有の現象「急速強化」が起きやすくなる。
②風向き
・高度の低いところと高いところの風向きや風速の違いのこと。
・専門用語では「鉛直シアー」という。
・風向きが上空と地上付近で違うと,渦を倒す方向に力が働き,台風の中心付近が非対称になるので回転が弱まる。さらに暖気核(ウォームコア)という暖かく軽い空気が中心からずれるため台風中心の情報の空気が重くなり中心気圧が高まって勢力が弱まる。
■住民の避難を妨げる最大の要因として考えられるのは渋滞である。
■気象庁が建て増しのように増やしてきた情報の統合・整理をしていくべき。レベルのようなものを設け災害の種類が異なっても直感的に理解できる情報体系の在り方も検討すべき。
・情報の出し手や伝え手は想像力を働かさなければならない。そして情報の受け手には自分で判断することが求められる。「前も大丈夫だったから」とは決して思わないで欲しい。
■防災心理学に「わがこと意識」という言葉がある。自分に直接関係のない災害についても自分に引き付けて受け止めることで命を奪われるような大きな災害への備えや対策につなげようという考え。

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2017年10月05日

Posted by ブクログ

真剣に考えるべきテーマではあるが、この一冊読んでも、マンション住まいだし、家の前が避難できそうな小学校だし、と楽観的な自分。一度、痛い目に遭わないと…私だけじゃないと思いますが。

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2023年09月27日

Posted by ブクログ

 私の住むところに災害は来ない、という油断に響いたのは「わがこと意識」

「わがこと意識」とは自分に直接関係ない災害についても、自分に引きつけて受け止めることで、命を奪われるような大きな災害への備えや対策に繋げる考え方。

 今まで災害に遭わず生きてこられたお陰か、他人事になっていました。でも、この国に安全な場所はありません。あらゆる想定外が起こる可能性をこの本は教えてくれています。

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2021年08月16日

Posted by ブクログ

地道な取材に基づく問題定期。
目からウロコの分かりやすい解決策は
ないけど、みんなが考えなければいけない
問題。議論の前提として、是非読むべき本。

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2018年03月17日

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