あらすじ
孔子に学んでホントに大丈夫!?
たいていの人は『論語』をありがたい教え、孔子を偉大なエラい人物と思っているようだが、本当にそうなのか!?じつは『論語』をフツーに読むと、スーパーマンとは程遠い、けっこうヘタレなエピソードが満載。ビッグマウスでヘリクツをこね、弟子に嫉妬するなど、人間くさい“マナー講師”だ。
自称イタリア生まれの日本文化史研究家の著者が、孔子と『論語』をありがたがる“論語病”に物申す!笑いとつっこみを入れながら読み解く《ありのままの孔子》!
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Posted by ブクログ
「論語」や孔子についての世間一般のグッドイメージを、著者お得意の文献、資料調査、解読等をもとにひっくり返す本。とは言っても一方的にけなすだけでなく、著者なりの孔子愛や、論語への一定評価が入っている。
以下、本書を読んで初めて孔子や論語について私がわかったこと。
-「論語」は孔子が書いたものではなく、孔子の死後弟子たちによって書かれたもの。
-「論語」の中で書かれている内容に矛盾があるにもかかわらず、一部だけの言葉がとりあげられて有名になっている
(例:「私は40歳になってからは惑わなくなった」とあるのに、後ろの方では「わたしはまだそのレベルになっていない」旨の記載等)
-現代でも有名な言葉の意味が後世になってまちがって解釈されている
(「義をみてせざるは勇なきなり」は「まちがった祭礼を見て正さないのはよくない」ということらしい)
-孔子は思想家などではなく、当時のマナーや儀礼を教える講師のような人だった
-孔子や「論語」が日本で尊敬されるようになったのは、明治以降からで、それまではどっちかというと小ばかにされているような位置づけだった。
相変わらずのパオロ節が炸裂した本書。
「え~、そうだったの?」という内容が豊富なので、格言好きの人にはぜひ一読していただきたい。