【感想・ネタバレ】オーガニック革命のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

世界からみたオーガニックのことがリアルにわかって面白かったです。オーガニックは「セレブが食べる贅沢品」ではなく、ライフスタイルであり思想なんだと感じました。そして、マクロビオティックを確立したのは、日本人だときいてびっくり!

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いち早くインターネットに飛びつき、デジタルな映像や音楽で生計
を立てていた高城氏が、ここ数年はまっているのが「オーガニック」。
余計なものはもたず、モノは買わず、コンビニやスーパーでの買物
をやめ、自給できるものは自給して、身体に良いものを食べる。そ
して、都会の喧噪よりも自然のささやきに耳を澄ます。そんなライ
フスタイルです。

東京での派手な暮らしよりも、そのほうがクリエイティブだし、楽
しいし、何よりヘルシーだと気づいた高城氏は、東京での生活を捨
てて、ロンドンに移り住みます。そこで見たのは、オーガニックが
最先端のトレンドになっているロンドンのライフスタイルでした。
本書は、そのロンドンでのオーガニックな潮流のレポートを中心に
しながら、21世紀的生き方とは何かを考察したものです。

有機農業とかマクロビオティック(玄米菜食)とか、書かれている
内容の大半は、ちょっと意識の高い若い女性には当然のことばかり。
なので、正直、何を今更、というような感じがしないでもないです
が、それでも、世界中を飛び回り、時代の最先端を追い続けてきた
著者が、自ら見聞きし、実践した視点で書いていますので、一定の
説得力がありますし、新鮮な発見もあります。

特に、「オーガニック」をパンクやロックに近い、アナーキーで反
社会的なカルチャー・ムーブメントと捉える視点は、自由を求めて
越境し続けてきたクリエイターならではのもの。「オーガニック」
は、本来、「生命」を意味する言葉ですが、「生命」を優先する思
想や生活が、今、最もアナーキーでクリエイティブに見えるという
ことは、それだけ現在の生活が生命の原理と遠くなってしまったと
いうことなのだと思います。

高城氏には、色々と誹謗中傷も多いようですが、何でも自分の目と
足で確かめ、それを自分の言葉で発信し続ける姿勢は尊敬に価しま
す。飛行機に乗りまくる生活していて、何がオーガニックだという
突っ込みもあるでしょうが、自らの目と足を使って、自らの頭で考
えることの大切さに気づかせてくれる一冊ですので、是非、読んで
みてください。

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▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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これまで人間の移動を阻んできた国籍や人種、言語あるいは仕事と
いった”壁”を軽々と飛び越える自由な人々。21世紀は間違いなく、
そういう「ハイパーノマド(遊牧民)」とも言うべき人々が活躍す
る時代になっていくはずだ。彼らは真実を知っている。この先、世
界がどうなるのかを、自分たちの目で見て、肌で感じているのであ
る。

時代の先を読み、常に変化と革新を求めた人々の目は、すでにグリ
ーンな革命へと向けられているのだ。この潮流は、間違いなくポス
ト・デジタル時代のあたらしいスタイルになるだろう。

英語の辞書で「Organic」という語を調べてみてほしい。そこには
「有機」の他に「生まれつきの、生命の、本来の、本質的な」とい
うような意味が書かれているはずだ。(中略)つまり、僕にとって
のオーガニックとは、もっと人間の本質や考え方、生き方全般に深
く関わる、ライフスタイルそのものなのだ。それは”これからの人生
をより良くするための哲学”であり”自分自身の精神と肉体をバージ
ョンアップさせる処世術”なのである。

そもそも僕がオーガニックにどっぷりハマったきっかけは、「人間
はカーボン(炭素)と水で出来ている」という考え方に出会ったこ
とだ。(中略)ならば、本来あるべき姿で育てられた、生の活力が
漲る食べ物を摂取し続けたら、僕も生物としてさらにバージョンア
ップできるんじゃないか…?

自分の健康のその先に、自然環境の健康、そして地球の健康を見据
えること。それこそがオーガニックの本質なのではないだろうか?

「命あるもの・自然のものを尊び、敬う謙虚な姿勢」は、オーガニ
ック・ムーブメントを支える重要なキーワードであると僕は思う。

僕には未来を予見する力があるわけではない。ただ、強いて言うな
ら、僕はこの数年間、世界中を飛び回って、現実を見る努力を続け
てきた。その中で、わかったことがある。いまは、世界のあちこち
で日々生まれるさまざまな構造を、正しく理解できる者がおいしい
トコどりできる時代だ、ということ。「よくわからない」と人任せ
にした瞬間、あっという間にババをつかまされる、わかりやすい時
代。(中略)
我々はメディアを鵜呑みにするでもなく、モニターの画面を眺める
でもなく、もっと世界の事実と向き合わねばならない。できれば、
自分自身の目と足で。

永久に市場を拡大し続けなければならい宿命を背負った20世紀的
な資本主義に別れを告げ、21世紀を生き延びるためにはどうすべ
きか?そしてイギリスの人々が辿り着いた回答のひとつは、「オー
ガニック」というキーワードだった。

都会をよく知っていて、六本木ヒルズあたりのラウンジで踊ること
も知っているけれど、一方で、プリミティブな土に触ることで人間
の本質を見直している。そんな子たちを「ニューモダンプリミティ
ブ」と呼ぶ。”都会の原始人”という意味だ。アースカラーをまとい、
その土地の魅力を感じ、人によっては刺青やピアスを施し、自然と
ともに生きることを何よりも大事にしている。太古の民族の多くが
していた風習が、いま再び起きているように僕は感じるのだ。

やさしい女性の心をつかみたいなら、きょうからオーガニック通に
なるべし、と誤解を恐れずに僕は言いたい。入り口は、そんな風に
少々”邪”でもいい。どんな偉大なミュージシャンだって、はじめは
邪な気持ちから音楽を始めることが多い。何かを始めること、少し
考えを変えてみること。まずはそこからで、やがてだんだんと本物
になっていくのであって、はじめから本物の人なんていないのだか
ら。

数年後を目処に、僕は沖縄で食べ物とエネルギーを100%自給自
足する、あたらしいシステムの構築を目指している。水を循環させ、
電気は自家発電、さらにはミニ水田を作って食べ物もすべて自分で
賄えるようにしたい。

おそらく僕がいま多感な子供だったら、「きっとこれからはエネル
ギーも農業も個人化するだろうな」と直感で感じていたことだろう。

オーガニックとは、食べ物を個人に取り戻すことだ。個人レベルに
取り戻すことだ。効率化を突き詰めれば、質より量になる。工業化
された作物を食べている現状について、もう一度それぞれが考え直
し、食をめぐる環境を作り直すこと。これがオーガニックだと僕は
思う。

都市システムを解体することが、21世紀的な行為ではないか。そ
れがいまのオーガニック運動の本質なのではないか、とも思う。

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●[2]編集後記

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ジェームズ・キャメロンの最新作「アバター」が話題になっていま
すね。前作「タイタニック」を抜いて、歴代一位の興行収入だそう
ですから、キャメロン監督というのは本当に凄いものです。

「アバター」は3Dの映像の斬新さが話題になっています。知り合
いのゲームクリエイターが、「映像の概念が変わる!」と興奮して
話すので、先月、観に行ったのですが、映像より何より、驚いたの
は、映画で描かれている世界観のほうでした。

アバターは、パンドラという星を舞台に、鉱石採掘をしたい地球人
と、星の神聖な自然を守りたいナビィという未開部族との間の戦い
を描いたものです。ナビィの世界観は、ネイティブアメリカンのそ
れに酷似しており、自然を尊重し、自然の叡智と共に生きています。

驚いたのは、ハリウッドで最高のヒットメーカーが、最先端の技術
を駆使して描いているのが、極めてネイティブ(土着)でプリミテ
ィブ(原始的)な世界観だということでした。これまでも似たよう
なテーマのものはありましたが、ここまでメジャーな映画で、ここ
まで正面きって描いているものは寡聞にして知りません。「ああ、
時代は変わったな」と思いました。

自然の叡智にいかに学ぶか、そこから何を汲み出せるか、というこ
とが、これからの人類の大きなテーマになるはずです。科学も哲学
も芸術も、あらゆる知的活動はそこに向かっていく。「アバター」
の大ヒットは、そのこと予感させます。とまあ、堅苦しいことはさ
ておき、単純に面白い映画ですので、未見の人は是非。

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2012年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エコ、グリーン、オーガニックの違いが分からない典型的な日本人の自分には、この本を読んでもイマイチピンとこない。書いてあるとおり、土に触れなければ分からないことなんだろう。ただ、筆者が抱いている日本人の食ならびに、世界の動きに対する無関心への不安を感じた。

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2018年03月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高城剛の新刊 出たばかりのを買って早速読破 エッセイみたいなものだが、世界中飛び回っている人の世界の見方は勉強になる
タイトルが「オーガニック」なのだが、内容としては英国のバブル崩壊、そしてそれ以後の英国の状況と流行を分析し、それについての自分の考えを紹介している

小泉&竹中氏の構造改革が批判に晒されるように、ブレア政権は良い所があったのかも知れないが、やはり米国のギャンブル市場経済のシステムに掻き回された結果となった
そもそもNHKが何年も前から特集していたように、先物取引などの市場システムでは異常なほどのマネーが取引され、権威ある経済学者も参加し、そして結果的に大破綻した
米国の、「今が良ければ全てOK」というライフスタイルと、家に投資し続けカードを使いまくる
サブプライムローンのような問題が起こった要因である超消費社会はどう考えても異常であった

高城氏も指摘するように、日本のマスコミは現在進行形の海外のニュースを取り上げない
にもかかわらず大手企業の新しいサービスや商品には飛びついて取り上げる悲観論は嫌だが、意味もなく楽観論を言うのもおかしい 
必要なのは自然体のリアリティだろうか

単に「これからは農業だ!」と言ったところで急に全てが変わるわけではないけど、確かに筆者がいう「コンビニとスーパー」というライフスタイルを切り替える必要性は常々感じていた
個人的には「運動」と「食生活」の見直しが必要だと思ったし、同時にやはり世界の情報を得るためには(ネット上においても同様だから)「英語」を少しずつ勉強しようと思っている

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2011年09月28日

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