【感想・ネタバレ】経済を見る眼―ビジネス現場で役立つのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

経営学の大家である伊丹氏が経済の捉え方をわかりやすく解説している。
経営も経済も、主体となるのは「人」であり、人の心を理解することが大切だ、という氏のメッセージは心に迫るものがある。

経済を読み解く貴重な視点をこれでもかと提供してくれているが、個人的にもっとも心に残ったのは日本と米国の企業利益率の...続きを読む違い(米国:高/日本:低)を日本の協調型競争環境から説明している部分。氏は日本の競争環境を「相互作用型競争」と呼び、それがグローバル環境のルールと異なる(それゆえ日本企業は相対的にグローバルに競争力がないことがある)点を鮮やかに浮き彫りにしている。

経営に携わるにせよ、個人的に投資活動に勤しむにせよ、経済を適切にみることは必須のスキルであろう。その意味でこの書籍を読むことで大局観を獲得することが有益になる方は多そうである。

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Posted by ブクログ 2017年02月10日

2017年はなかなかいい本と巡り合えているような感じが
します。久しぶりの伊丹氏の本。今回は経済ではありますが
経済学というよりも、教養としての経済。経営としての
経済。哲学としての経済。人間学としての経済というところ
がよくわかる内容だと思います。
自己啓発系よりも仕事に対して非常に有意なTIPS...続きを読む
もらえる内容です。
『神の隠す手』
よく言われていた話ではありますが、『経済をなすもの
としてカネ、情報、感情』

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Posted by ブクログ 2020年03月07日

著者の伊丹敬之先生は、高名な経営学者である。本書は、「経営学者が書いた、マクロ経済の本」だ。

色々なトピックスを扱った本であるが、自分にとっては、バブル崩壊後の、いわゆる「失われた20年間」をマクロ経済データで振り返っている部分が面白かった。
1996年の日本のGDPが516兆円。約20年後の20...続きを読む15年のGDPは500兆円と16兆円のマイナス。
16兆円のマイナスの内訳。民間消費と政府支出の合計はプラス7兆円の微増。民間投資が18兆円のマイナス、輸出入差がマイナス5兆円。
全体像を見れば、企業の設備投資や民間の住宅投資が大きく減っている。
一方で、この間の資産の動きを見ると、家計の金融資産は1272兆円から1706兆円に増加、企業の純金融「負債」は652兆円から431兆円に減少。
要するに、これだけの家計金融資産の積み増しがあるのに、消費は、さほど、増えていない。預貯金にお金がまわっている。また、企業もお金を設備投資ではなく、借金の返済に充てている。金を使わない、金を貯め込み、リスクを取らない日本の姿が浮かび上がる。
「どうしてそうなっているの?」というところの分析までは、本書は扱っていないが、それでも、バブル崩壊以降、日本経済が陥っている苦境がどういう姿であるのかが、理解しやすくなる。
示唆に富んだ面白い本。

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Posted by ブクログ 2017年04月25日

◎日本経済は、この20年間、ほとんど成長していない。
この「成長しなささ」は、国際比較をすると衝撃的。
アメリカは、この20年間でGDP2.2倍。日本は、”3%マイナス”

◎成長しなくなった今の日本の最大の問題は、国民の心理的エネルギー水準の低迷であろう。

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Posted by ブクログ 2018年10月21日

経営の専門家による経済の話。マクロ経済について簡単に説明しており、理解しやすく、よくまとまっていると思う。学術的な難しい理論の説明はなく、その点がやや物足りない。日本の経済構造や、高齢化の話など参考になる点があった。
「日本語の壁という国際展開可能性の障害は、モノを売る産業にはあまり存在しない(サ...続きを読むービス業では大きい)」p51
「ケチ精神が強いのは、家計と企業、つまり民間であろう。消費や投資という形でカネを使おうとしない。逆に、経済規律が最も低いのは政府で、負債が積み上がっている」p92
「日本の不平等拡大の主要要因は人口高齢化であり、同一年齢世帯内の所得格差はほとんど拡大していない。所得の多い高齢世帯の比重が大きくなっているとともに、もともと高齢世帯の所得格差は若年世帯の格差よりも大きいため、国全体では、不平等度は拡大しているという計算になる」p170
「(日本のサービス産業発展の道)道は大別して2つあると思われる。1つは、苦手の生産性の向上を、おもてなしを維持しつつ実現する道。その際には、ITの活用が大きな鍵になるだろう。2つ目は、サービス産業の国際展開を図ること」p264
「おもてなしの国日本は、その生産性の低さをなげくのではなく、おもてなしをますます磨き、かつ、おもてなしをモノとの協働で生かしていく。それが、国内外でサービス産業が発展する基本の道のようである」p267
「シニア需要の特徴は「多品種、少量、便利、割高」」p277

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