【感想・ネタバレ】聖エセルドレダ女学院の殺人のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

好きにならないわけがない!

最初にまず何故この七人の女の子たちがこのエセルドレダ女学院に入れられて、そして帰りたくないかが明かされる。ワクワクドキドキしたまま、晩餐の席でいきなり院長とその弟がぱったり死んでしまう…
彼女たちは意外に冷静で、冷酷だった。死んだ二人にはちっとも愛を持っていなかった。
気転のキティがささやく。この二人ひそかに埋めてしまって、私たち七人だけで生きていかない?だって私たち、初めてできた姉妹なんだもの…。
「私たちは自分らしくいたいだけ」
他の六人は、新しい希望に胸を高鳴らせ、出来もしないはずのおかしなおかしな計画に、乗っかってしまう。
するとどういうわけか、来客の少ないはずの女学院に、わらわらと人が集まり出す。
彼女たちは意外な特技を発揮しながらそれぞれの窮地を切り抜けていく。

好きにならないわけがない。
二人を殺したのも謎を解くのも、彼女たちに救いを差し出すのも、警官や医者に張り合うほどの知識を見せるのも、「誰でもない彼女たち」だから。

彼女たちは皮肉にも、あまり好いていなかった周りの大人たちのもう一つの面に気づかされる。大嫌いだった院長姉弟を愛する人がいた。その人たちの素顔に触れる。不運か幸運か、院長先生の甥と義理の妹?(このへんよくわかんなかった)もこの女学院を訪ねてきてしまう。
そして、気転のキティは彼女が心から愛して想ってはいたが、「いないもの」として扱っていた下働きのメイドに、自分たちのふるまいによって何か違った道はなかったのか、とひとり述解する。ここが好き。ふとした傲慢さに気づくこと、勝手に自分たちの都合で解雇する彼女を哀れに思うことを知る。
そして男なんてまっぴらのルイーズ以外は想う男性も見つけてしまったり。たくさんの思惑が交錯する。
彼女たちは決して一枚岩でなく、お互い疑ったり邪険にしたりもする。この中に院長先生を殺した子がいるの?と。何もかも三人目の犠牲者が出てから急展開に。

がんばる女の子大好きなので本当に楽しかったです。ルイーズが好きで感情移入して読んだのでだいぶメリー・ジェーンにいらついたり。次にお気に入りはエリナ。
わんわんの方のアルドスの描写に力が入っていたので、作者さん犬好きですね?とニヤニヤしていたらいきなり毒盛られてて泣くかと思った。生きてて良かった!

結局まんまと大団円!最高の結末でした。警官をゆするミセスゴッディングの強さときたら。
ミステリーとしても納得というか、気になる伏線全部回収されてて驚きました。
しつけ学校というものの存在にクラクラしたり、当時の知識技術空気風俗化粧品流行歌…すべて完璧すぎて、ひれ伏すしかない。
楽しかったです。次作があるなら楽しみ!

ちょいと読み返してバーンズの翌朝のセリフ見たらまあ怪しいというかなるほどなみたいな。キティは気づいてないけど。
「オールドミス」という侮蔑語に引っかかったことも付け加えておきます。あの頃の事情としても。

0
2018年04月29日

Posted by ブクログ

フィニッシングスクールに暮らし、それぞれに個性を持った7人の女生徒たちが、校長とその弟の死に直面し、次々に降りかかる難問に立ち向かって行くのを、はらはらしながらも楽しく読んだ。

0
2017年03月18日

Posted by ブクログ

時は1890年のイングランド。舞台はケンブリッジシャー州の小さな町イーリーにある小さなフィニッシング・スクール(中上流階層の家庭の女の子が一人前のレディとしてのあらゆる教養やマナー、振る舞いを学ぶ全寮制の学校)の聖エセルドレダ女学院。

ある日曜日、校長のミセス・プラケットは、夕食を食べている途中に、突然息絶えてしまいます。同席していた彼女の弟ミスター・ゴッディングも続けざまに…

その様子を目の当たりにした7人の女生徒(気転のキティ、奔放すぎるメリー・ジェーン、愛すべきロバータ、ぼんやりマーサ、たくましいアリス、陰気なエリナ、あばたのルイーズ)たちは、それぞれ家庭の事情から家には戻されたくないこと、姉妹のように仲の良い友達と離れ離れになりたくないことから、死んだ2人を学校の庭に埋め、周囲に気づかれないよう自分たちだけで生活していくとともに、2人が毒殺されたと判明したことから、その犯人を見つけ出そうと計画します。

かなり無茶で無理な決断に思えますが、7人が力を合わせて危うくも乗り切っていく様子に、ハラハラし、クスッと笑い、ええーっと仰け反り、おおっと驚かされます。

緊迫したシチュエーションにドキドキさせられながらも、彼女たちのどこか子供らしい可愛らしさや無邪気さが時々垣間見えるさじ加減はとても絶妙で、子供の読者にとっては親近感が湧き、大人が読めばわが子の頑張りを見ているようで、思わず彼女たちを応援したくなるのではないでしょうか。

1890年といえば、女性の振る舞いや生き方に関して、世間は何かと型にはめようとし実際にそうであった時代だそうです。聖エセルドレダ女学院の存在理由も、そんな時代背景があればこそ。
それでも、姉妹のように仲が良く、それぞれに魅力的な彼女たちが、この物語の後、彼女たちの持ち味を生かしつつ、楽しい人生を送ってくれたらいいな…
そんなことを祈りながらページを閉じました。

0
2017年02月20日

Posted by ブクログ

201702/寄宿舎モノ好きなので迷わず購入。少女達が死体埋めたことにあっさりし過ぎてるのが…。ジュブナイル系のようなので伏線はわかりやすいけど、面白かった。

0
2017年02月05日

「小説」ランキング