あらすじ
好きな人が好きな人を、強がりではなく好きになれたら良い――。家族の不和、消失する未来、そして叶わない恋。青春時代に翻弄される四人の少年少女は、かけがえのない存在を守るために、日常からの『家出』を決意するのだが……。舞台化もされた傑作恋愛小説『蒼空時雨』より遡ること10年。高校生だった紀橋朱利は、友人との逃避行の果てに何を見出し、何を失ってしまうのか。トイズファクトリーからデビューしたアーティスト・秋赤音とメディアワークス文庫作家・綾崎隼が紡ぎ出す。ロックで彩られたセンチメンタル・ラヴ・ストーリー。
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Posted by ブクログ
やられた。
横並びする恋愛模様なんて別段珍しいものでもないんだけど、心が揺さぶられる。
妹が花瓶で殴っただとか、奇跡が起きただとか、家出だとか、もう馬鹿馬鹿しくてイライラしたくらいだった。だけど、最後の展開に自分の感情の全てを持って行かれた。あんなの、失恋の経験がある人間なら誰だって持っていかれるよ。
ズルイとすら思えるくらい。
途中で読むのがダルくなったりもしたけど、全て作者の計算の上だった。前置きが長すぎる。でも、必要だから仕方ない。
なんだかんだで一番哀れなのは凪紗だと思った。
いや、何も知らないあの2人かな。でも、知った所でどーしようもないし
はぁ~
Posted by ブクログ
「蒼空時雨」の登場人物、朱里と夏音が主人公のスピンオフ(?)。他にも魅力的なキャラがたくさん出てくるので、蒼空~を既読だと読んでいてとても楽しい。綾崎さんの作品は全て世界観が統一されているので、伊坂さんや辻村さんの作品を読んでいるときのように、「あの時のことはここに繋がっていたんだ!」感が至るところで味わえてとても好き。
Posted by ブクログ
やっぱり、綾崎さんの小説が好きだ。プロローグの時点でそう痛感してしまった。
朱利の、不器用な恋愛パターンに思い当たる節が多すぎて途中ちょっとつらかった。ひねくれ者って純粋な子を好きになってしまうものなのかも。
けれど、嫌われてるってわかってても好きな人の幸せのために冷静に判断し行動できるって、男性として凄く魅力的だと思う。
蒼空からずっと朱利押しだったけど、さらに好きになった。