【感想・ネタバレ】黒い翼 ―復讐屋・華―のレビュー

みなせあきら

地味で目立たない女子高生、三宮華(さんのみや・はな)のウラの顔はなんと「復讐屋」。幼い頃、家族を惨殺されて、たった一人生き残った華は、犯人への憎しみから逃れられずに誰よりも苦しんでいる人間……。そんな華が、いじめや、親友の裏切りなどで傷つけられた人々を永遠の憎しみの連鎖から救うため、依頼人の代わりに鋭く、そして華麗に罰を与えていく――！ そして……果たして華自身は、その憎しみの連鎖を断ち切ることができるのだろうか……!?

[ブクログ · ★★★☆☆]

幼い頃、何者かに両親を惨殺された少女が高校生になって、
犯人への復讐心を、他人を救うことで昇華しようとする話。
あなたが手を汚しては憎しみの連鎖は断ち切れない、
だから私に任せなさい――と言って、イジメ被害者らの代わりに、
ギリギリ法に触れない範囲（？）で加害者に制裁を加えるという短編連作。
読み応えのあるストーリーではあるのだが、
同じ学校の生徒同士だったら、すぐ正体バレそうな気もするし（笑）
あとがきによると、作者は主人公の人物像を深く掘り下げていたらしく、
彼女の両親を殺した犯人についても、
素性や動機はしっかり練られているに違いないと思えるのだけど、
それらが描かれないまま、シリーズは一旦完結してしまった模様
……なので、読者には消化不良なモヤモヤ感が残る。