【感想・ネタバレ】月と茉莉花 ~月に歩す~のレビュー

あらすじ

滅びた湘国の王族で、唯一生き残った月心は、エン国太子、煬大牙の計らいでめでたく元服し、伶人として朝に仕えることになった。典楽庁の他の伶人に湘の楽曲を伝授する役目を賜った月心だったが、楽生のうちの一人から度々いやがらせを受けるようになる。日々、傷心していく月心に、大牙は憂慮を抱いていたが…。表題作に、大牙が妃を探す最終話も加えた、切なくも甘い感動の歴史ロマン第三弾、シリーズ完結編!! 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ完結編です。
前回中だるみ感のあったシリーズですが、完結編ということで、
中華風王朝物としては避けられない嫁取り問題勃発。
3つの短編から成ってますが、最初は受が初出仕して
ケチないじめと向き合い成長する姿、2つめがあまあま
ちゅっちゅないつものバカップル、そして最後が嫁取り
問題なのですが……。

普通王朝ファンタジーBLの定石といえば、受を王妃に
してしまう、という展開、もしくは王位を譲って駆け落ち、
そして兄弟に跡継ぎ産ませる、の3通りなんですが、
いやいやいや、予想外きました。
まさか本当に嫁取りしちゃうなんて誰が思ったでしょう?
この時点で、王道BL一直線な方からは非難囂々だと思うの
ですが、常日頃からBLにリアルリアルとリアル感求めてる
方までも非難の嵐だったそうで……。

この世界観、この時代背景からすると、ある意味一番
リアルで普通な判断だと思います。
あの攻のキャラで嫁を迎えない方が、逆に不自然だと
思うし、あの受のキャラもまた自分のせいで血が絶える
だなんて、それこそ世を儚んでみたいな展開になりそう
です(笑)
受があまりに自然と正妃の存在を受け入れるというのは、
自身も元王族としてもっとも自然な思考回路だと思います。
その点について私は逆に好感が持てましたので、最終巻
になってぐぐぐっと作品の評価が上がったのですが、
惜しむらくはイラスト。
雪舟さんの事情により出版がのびのびになったのは、この
時期いろんな作家さんにも波及していたと思うのですが、
それにしてもこれは……。
あまりにガッカリしたのと切なかったので★ひとつ
減らしました。

最後の史書において、受はやっぱり長生きできなかった
のか、などと色々と想像してしまい、それでも二人は
幸せだったんだろうなー、とか甘くて切ないお話を堪能。
ごちそうさまでした。

0
2014年06月26日

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