【感想・ネタバレ】世界史的考察のレビュー

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Posted by ブクログ

スイスの美術史家・文化史家であるブルクハルトが1868‐1872年の間に行ったバーゼル大学での講義を纏めた一書。普仏戦争などが起きナショナリズムが台頭する時代背景の中にてヨーロッパの国家、宗教、伝統文化についての考察を展開する。
「世界精神の理性的で必然的な歩み」に代表される歴史が一つの理念によって動かされるというヘーゲル的な歴史観、歴史哲学を批判し「知覚されたもの」「歴史を横切る横断面」を中心とした多元性を教示する。
さらに歴史を変転させるのは潜在力となる国家と宗教と文化による相互作用であり、発展における新しい節としての「危機」だと説く。

産業革命による資本経済の形成と台頭するナショナリズムの芽生えの中で歴史考察を成したものではこれ以上ないものだと思う。

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2010年07月09日

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