【感想・ネタバレ】陽だまりの偽りのレビュー

あらすじ

痴呆症の兆しがある老人が、嫁から預かった金を紛失した。だがそれがきっかけで、ある想いに気づく表題作。ひとつの転落死亡事故が、組織の人事に意外な展開をもたらす「プレーヤー」。事件によって浮かび上がる心の温もりや、組織にいる人間の欲望を描きだしたミステリー短編集。味わいの違う5編を収録!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

表題作のほか「淡い青の中に」「プレイヤー」「写心」「思い扉が」の5編からなる、「偽り---嘘」をテーマにした短編集。

傍聞きの時と同様、ミステリータッチに進めながら、ちょっとした見栄や、人生のかかった大事な時に、簡単な嘘を重ねてしまい、誰もが隠したくなるようなことを描き、その偽りから生み出される人の温かさを表現する。

嘘からはじまるストーリーは、悲劇が描かれることが多いが、この作品は最後に人の温かさや前を向いて歩いて行けるようなポジティブさを描いてくれていて、なんとなく清々しい気持ちにさせてくれた。

ただ、結末の弱さや、登場人物への共感、魅力といったものが足りないと感じられた。

とはいえ、これはデビュー作とのこと。

次の「傍聞き」へ十分生かされていると言うことだろう。

なにせ「傍聞き」はテーマといいホントに面白かったので。

0
2012年11月18日

「小説」ランキング