【感想・ネタバレ】夫が怖くてたまらないのレビュー

あらすじ

繰り返される暴力・モラハラ… 女性の4人に1人がDV被害者!? 被害者も加害者も、あなたの近くにいる!
加害者の心理や脱DVプログラム、子どもへの影響、アメリカの予防教育まで、これ一冊でわかる

「一日中、家に居るくせに、こんな手抜きをするとは、何をしてるんや!」
夫が機嫌を損ねた原因は、夕食のカレーライスだった。妻の身体は軽々と持ち上げられ、まるでカエルでもぶつけるように、板の間に叩き付けられた。無抵抗に転がる妻を殴り、腕が疲れてくると足で蹴り、包丁の背で頭をゴンゴン叩いた。
暴力を収めるための妻の努力は裏目に出て、夫の怒りはエスカレートしていく。逆らわずに、ひたすらあやまるしか手だてはなかった。
「結婚してから、心から幸せだと思った瞬間なんてなかった。ポトンと真っ暗な井戸に落とされたみたいで……。出口がまるで見えなくて、いつもビクビクして。毎日、家に帰るのが怖かった」

―巧みなマインドコントロールにはまり、妻は夫から逃げられない。「わたしが悪いのだ。夫はかわいそうな人だから、わたしがそばにいてあげなきゃいけない」。学歴や収入、年齢も関係なく、あらゆる家庭に潜むDV。やさしかった夫はなぜ豹変し、悲劇が繰り返されるのか。子どものために耐えるのは正しいのか。

これは小説でも映画でもなく、この日本で起こった現実の話なのだ。
そして、あなたのまわりでも、きっと似たような悲劇が繰り返されているに違いない。そばにいるあなたも気づかないうちに。

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Posted by ブクログ

DV被害にあう女性が夫から「逃げられない」心理や、「殴るのをやめられない」加害者の心理、ありがちな社会の偏見、またDV防止法についても解説された本。数年前からずっとDVについては学びたいと思っていたが、実話をかなり交えて解説されており素人に読みやすい。


◎逃げられない

・学習された無力感
何も悪いことをしてないのに、理不尽に怒られてばかりいると、やがて「自分にはどうすることも出来ない」という無力感に陥る
→DV被害者は明確な理由もないままに殴られ続ける末、全てを諦める。深い絶望感のなかで無表情になる。自尊心も喪失し、自分が悪い・自分が最低・だから殴られて当然、となる。

・「愛情」「希望」「恐怖」
あえて危害を加える夫のもとに磁石に吸い寄せられるかのように戻っていく。かつては愛し合っていたという「愛情」、自分が努力すればきっと彼は変わってくれるという「希望」、自分が逃げることで親や子供が危ない目にあうのではという「恐怖」。

・自分自身を否定されたくない
相談が出来ない→自分がこれまで頑張ってきた事実や自分が選んだ相手を否定されたくない


◎殴るのをやめられない

・暴力の否定
「大したことはしてない」という思い込み

・責任の転嫁
「妻がそうさせた」「妻のためにやった」

・マインドコントロールの駆使
相手を否定し自尊心を喪失させる

・嫉妬と所有欲
自分の所有物としての独占欲

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2021年09月04日

Posted by ブクログ

何気なく手に取ってみた。

前ほどDVが話題になることはないけれど、対応策が充実したのか、知られるようになって社会の関心が薄れたのか。

女を苦しめる男、ジェンダーとしての男の暴力性といった印象が強いけれど、ジェンダーフリーが広まった今、違和感を感じる人もいる?それでもやっぱり妻を身体的、精神的、性的等様々に苦しめるの夫という構図の方が圧倒的に多そう。

ドメスティックバイオレンスのある家庭で育った子どもたちにもかなり焦点が当てられていた。

興味深かった。何かに関する見識を深めるとき、やはり本を読むのは良いと思った。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

 主に身体的なDVがメインに書かれており、アメリカの対策と日本の対策も書かれてあります。残念ながらモラルハラスメントについては少しだけでした。ですが、DV問題を大きく捉えているところは、良かったと思いました。
アメリカでは矯正プログラムがあるようですが、本当に治るのかな?と。私は残念ながら治らないと思っているので、もっとシェルターや被害者支援をやってほしいですね。

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2020年11月05日

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