あらすじ
メタ思考とは、「物事を一つ上の視点から考える」こと。その重要性はしばしば語られますが、実践するのは容易ではありません。例えば自分自身を「幽体離脱して上から見る」こと(=メタ認知)は、自己成長のためには必須の姿勢であるとよく言われますが、実際にそれができている人はそう多くはないでしょう。そこで本書では、メタ思考を実践するための二つの具体的な思考法(「Why型思考」と「アナロジー思考」)を紹介するとともに、それをトレーニングするための演習問題を多数用意しました。◎問題:「信号機」と「特急の停車駅」の共通点は? ◎問題:「経理業務」と「スポーツ審判」の共通点は? ◎問題:「タクシー」と「土産物屋」の共通点は? ◎問題:お寿司以外の「回転○○」を考えよ。 ◎問題:「顧客の気持ちに絶対になれない職業」とは? ◎問題:「年賀状がたくさん来る人」とはどんな人? ……問題を解いていくうちに思考回路が変わり、考える力が飛躍的にアップする1冊!
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メタ思考のトレーニングに最適の本。19年前に書かれたとは思えないほど、2025年現在で読んでも気づきや視点が広がることが多かった。身近な例題で頭を使うことができた。
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メタ思考やアナロジー思考は成長するための「気づき」と思い込みや思考の癖から抜け出すためのヒントをくれる。身近なものからより大きくパッとみ共通項が見えなさそうな業界構造や常識に囚われているものを考える良いきっかけの一冊。
『「相手側の立場にたって」「次のアクションを想定した上で」依頼された内容に取り組めば、一歩先を読んだ形で相手のニーズに応えられる確率が上がります」
『なるべく目を「遠く」に向け、目に見えないものの類似性を探すことで、いくらでもアイデアは出てきます」
『アナロジー思考に必要な観点の一つである「構造」を読み解く上での重要な着眼点はなんらかの「構成費」です。構成比というのは、構成要素の間の「関係性」を示すもの』
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メタ思考がどのようなものであるかは分かりやすかった。演習はある程度知見がないと全く思い付かず上手く活かせなかったため、期間をおいてまた読み直したいと思う。
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即ち、トレーニングでアナロジー思考をいかに鍛えるか。謎かけの思考と同じなのは確かに。Wコロンの本を読んで鍛えたい所存。「おわりに」のアルファ碁のエピソードは全然知らなかったのでゾッとした。2016年。9年前の出来事か。
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『具体と抽象』を読んで、コミュニケーション不全の原因について重要な示唆を与えてくれた細谷先生の『メタ認知』に関する本。
「メタ認知」とは、自分の思考や感情の状態を一段上から客観的に捉える力のこと。メタ認知については、細谷先生が紹介されていた、能の世界でいう「離見の見」という説明が印象に残っており、それ以来、私は意識的に「主観的な自分」ではなく「自分も舞台の上の登場人物の一人として見る客観的な自分」を意識するようになりました。
本書では、Why型の思考やアナロジカルな発想法を通じて、目に見える現象をそのまま受け取るのではなく、「構造」や「目的」を捉えることの重要性を取り扱っています。そうした視点の転換が、コミュニケーションギャップを埋め、新たなビジネスアイデアを生み出す基盤となるということを学べます。
本書は、タイトル通り、トレーニング形式で、問いかけと事例回答が交互に展開される構成で、さながら思考の筋トレです。コスパやタイパを重視した近視眼的思考に慣れている自分には、なかなか骨が折れる内容でしたが、その分、得られる気づきも大きいです。
特に印象に残ったのは、「成功の反対は何か?」という問いでした。単純に考えれば「失敗」ですが、失敗もまた成功への通過点と捉えれば、両者は対立関係ではありません。むしろ「やるか、やらないか」という行動の有無こそが、成功への出発点なのだと気づかされました。
『考えることを要求する本』で、文庫サイズながら歯ごたえのある内容でした。思考の癖を一段上から見つめ直すきっかけを与えてくれる一冊です。
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【なぜ】著者読み
【ここだけ】
上位目的を思考せよ
【感想】
導入のメタ思考を可視化した図解は秀逸。
想定していた通り、メタ思考ということだが、「さいごに」に記載があったことは全てメタ認知に関わることであった。
トレーニングというタイトル通り、身につけるべき考え方がヒントのように書かれている。
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物事を俯瞰して見る、ということをトレーニングを通じて理解できました。
言葉ではわかっていても、やってみるとうまくいかないものですね。
これからもメタ思考という物の見方は続けたいと思えました。
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メタ思考の書籍として例題もあり読み易い。下記は読み返したい部分の抜粋メモ。
・メタの視点に上がるとは、自分の特殊性を排除して、自らを客観視するところ
・問題解決におけるメタ思考とは、いきなり問題を解き始めるのではなく、まず「問題そのものについて」考えることを意味する
・常にこのように「相手側の立場に立って」「次のアクションを想定した上で」依頼された内容に取り組めば、一歩先を読んだ形で相手のニーズに応えられる確率が上がる
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自分を、一つ上の視点からもう1人の自分の目線で見つめることの重要性を改めて強く認識した。
人は誰しも自分は特別だと思い込み、他者を批判するバイアスを持っていることは、常に意識したい。
抽象化して共通点を見つけ応用する、アナロジー思考は、ビジネスチャンスを掴むために必須の思考法である。
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2024/09/29読破
一言 教育のときに渡したい本
感想 自分だけが見えている=抽象化できていないはぐぅ刺さりました。謙虚に精進します。
下記は印象に残った点
メタ思考
①なぜ? ②アナロジー
p69
「数字に訴える」ことはアイデア貧者の最後の拠り所である。「誰にでも理解できる」ことは、「誰にでも納得性がある」からである。
思考が止まっている人でも理解できることを皮肉にも意味している。
こんな商品じゃ、売れませんよ。
→具体的なレベルでしかみれていないことを露呈している。
p148 アナロジー
アイデアマンと文句が多い人
折り曲げると→現状に満足していない
報告がない→報告するメリットがない
報告を受けたときに相手がメリットを享受する仕組みつくり
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商品企画や顧客戦略、提案を練る立場にある職業人には参考となるフレームワークが紹介されていると思う。経験豊富なビジネスパーソンは無意識にこの書籍にあるメタ思考を実践している人も多いだろうが、その手法を言語化して伝えたり、教育したい場合にも参考になると思う。「構造のメカニズムを把握することで先を読むことができる」「ランダムに遠くのものを挙げてみて、その後に抽象化された成功要因と照らし合わせて見る」「過度に一般化するとアイデアは凡庸になる」
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「why型思考」と「アナロジー型思考」と、言われてみれば当たり前。けど、余裕がないと忘れがち。近頃固まりがちな頭のいいトレーニングになりました。
ついでながら、アナロジー型発想をするためには、日頃から多くの情報に触れて、多面的に物事を見て、考えて、と訓練しておかないと相当に難しいな、とも感じました。
Posted by ブクログ
Whyとアナロジーの使い方や効果を、実践を通して学べておもしろかったです。
著者が書いた「具体と抽象」(もしくは前田裕二さんの「メモの魔力」)で仰っていた通り、抽象化は一度身につけたら元に戻れない、すなわち抽象化を行う視座は高くなる一方(低くなることはない)だと思います。
その点、本書では様々な問題を通して視座を高めるトレーニングができると感じました。
Posted by ブクログ
抽象化だけじゃなく、具体化も自分が苦手なんだということを理解。メタ思考とはそもそもどういう思考方法なのかを、実例をもとに学べる良本だったと思う。ただし、読めば読むほどできなくて絶望したが。
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およそ10年程前に書かれた本。アナロジー思考をトレーニングする応用問題が難しく、自分の頭の硬さに悲しくなった。
「おわりに」で筆者が「万一近い将来、人間が一切働く必要がない時代がやってきたとしても、「上位目的を考えてよりよい手段を考え出す能力」が必要なくなることは考えにくい」とおっしゃられていましたが、AIエージェント(自律的AI)が出てきた今、筆者が想像していなかった将来が想定以上の早さでやってきていると思います。
そうなると今後ビジネスパーソンに真に求められるスキルとは何なのか。。。完全AI、ロボディクス時代がやってくるまでの今の時代がビジネスパーソンとして真価が問われる気がする。
Posted by ブクログ
【メタ思考のための2つの方法】
「上位目的を考える」
「抽象化する」
5W1Hの中でWhyだけが「関係性」を表す疑問詞。
【Whyは土俵を変える】
「戦略」と「戦術」。
戦略とはメタ作戦。そもそもどの土俵で戦うのかいかに自分の得意な領域に勝負を持ち込むのかと言うもの。
それに対して「戦術」は決められた土俵の中で、いかに勝つかの作戦と言う違い。
【アナロジー】
パターン認識の能力。複数の個別事象に共通点を見出すこと(抽象化)とその共通点から過去の経験や知識とを結びつけて新しい分野における知見を得る(具体化)ことを意味する。
これによって人間は限られた過去の知識からこれから起こりうることを予測できるようになって、知の世界を広げてきた。
「料理に例えると…」など難解な概念を説明するのに役立つ。
ざっくり大雑把に理解したり大きな方向性を考えたり、仮説を考えたりするのに向いている思考法。厳密な証明に基づいて論理的に積み上げる思考法ではない。
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自分を常に俯瞰して、Why型思考で物事に対して、なぜ?と意識を常に持つことであると理解。
アナロジー思考も持って異なる物事の共通項を見出して、別の視点を持つようにする。
質問もやってみるがなかなか難しい、さらに勉強して再度挑戦してみる。
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why型思考の本を読んだときに非常に納得性は高く本作にトライしたが、なかなかトレーニングが難解。業界のような分かりやすい括りで捉えがちな部分をメタ思考で考えるには日頃からのトレーニングが相当必要。何度かチャレンジしたい。
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失われた30年を経て、これまでの企業の階層型組織構造の弊害は周知のものとなり、一つの会社でコツコツと頑張ることは(少なくとも経済的には)愚かな選択になった。サラリーマンは老いも若きもリスキリングを推奨され、資格取得や語学習得に精を出している。
世の中、多くの自己啓発書が出版されているが、専門知識やパターン化されたプロセスを身につけさせるものがほとんど。それらの知識やパターンを使うコンテキストを発見する能力は、経験を積んて習熟するよう説く本が多い(気がする)。確かに、知識やパターンは具体的で、記憶の対象となるので文章化しやすい。しかし、使う力は抽象的で、本にしづらいのだろう。
本書は、その本にしづらいテーマを「メタ思考」という言葉で表し、例題のトレーニングにより習熟イメージをつかませようと試みている。メタ思考とは、具体的な問題から視点を引き上げ、具体と抽象を行き来してパターンを発見・適用する考え方である。
抽象化能力については、多くのビジネス書で扱われているが、本書で際立つのは抽象化のレベルを重視する点だ。まず具体の細部をしっかり見て、そこから際立った特徴を抽象化する。これが不十分だと、過度な一般化、陳腐なアイデアしか生まれない。
どれくらいのレベルが丁度良いかは、その目的スコープで変わるが、本書の事例も結構参考になる。
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副題に「発想力が飛躍的にアップする34問」とあるが、その発想力というのはビジネスに関連するものだった。
メタ思考の概念について書かれている前半部分は面白かったが、ビジネス要素のない本だと思っていたので期待していた内容とは違って物足りなかった。
けれど、自分自身を俯瞰してより遠くから観察して考えるというのは心がけたいと思う。
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メタ認知能力を鍛えるための実践練習本。メタ認知の説明は分かるけど、考え方や練習の仕方が分からない人に向けた内容である。メモを取りながら読んでみたが、正解がないこととすぐに効果が得られるわけではないという点から、本書の問題すべてに取り組む難しさを感じた。
前提として、「WHy?」で目的を問うことで、対象の一部分を取り出し、次元の異なるものに変換することが大事だと思った。そこから、「What」→他の疑問詞の準で具体性を高めていくのが大まかな抽象化、具体化の手順である。
例えば、書店の競合はどこか。という問いに答えるとする。まず、なぜ書店が存在できるのかを考える。暇つぶしのため、娯楽のため、勉強のためなど様々な理由が挙げられる。次に、その理由を基に共通している店を考える。暇つぶしならアミューズメント施設、レジャー施設、ゲーム会社などがある。このように考えることで、一見関係がないことにも関係性を持たせることができる。
また、「Why型思考」は現在の出来事について分析すること、「アナロジー思考」はあらゆる軸を用いて、二つ目の事柄を類推することである。そのため、軸の種類を発見し、増やしていくことがメタ認知において、キーポイントではないかと考える。以下に、個人的に尺度となりえそうなものを並べる。
時間軸:時間軸、人数、面積、規模間、場所、用途、難易度、構造、システム、大きさ、高さ、広さ、素材、硬さ、伸びやすさ、頑丈さ、速さ、触感、感性、文化
メタ認知を身に着けるのに、本書は入り口やコツをつかむきっかけに過ぎないのであって、セルフモニタリングやコーチングによる自らの思考の分析や日常の共通点探しを習慣づけることが必要なのかと感じた。
Posted by ブクログ
“抽象度合いが高すぎる言葉にしてしまうと、一般的すぎて陳腐なアイデアになってしまう”というのはアレだ、僕が「自分は賢いなぁ」と思いながら手垢のついた一般論を吐くやつだと反省した。陳腐な一般化は怠惰さの表れ。
抽象度を自在に行き来して、そのものの特性を見つけて程よく抽象化すること。“自転車に乗れるようになること”をメタに捉える場合“練習すればできるようになるもの”みたいに陳腐な一般化するのではなくて、“ペダルがないもので練習すると乗れるようになる”“一度乗れるようになると練習はいらない”“動き続けていると転ばない”のような具体的なレベルからメタに捉えると応用が効く考え方になる。
訓練が必要だと思った。関係ないものの共通点を見つけることもトレーニングになる。