【感想・ネタバレ】犬の心臓・運命の卵のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

『犬の心臓』と『運命の卵』の二篇。
どちらも科学の力が暴走し、人間を混乱に陥らせる話。

『犬の心臓』はロシア版『フランケンシュタイン』かな?と
思っていたら、
犬が人間になったらまさに「犬畜生」な人間になっただけで、
残念なことに知性がまったく伴わなかった…そんな犬人間に振り回される
人たちの描写が面白かったです

日本の作家さんが人間になった犬を書いたら
きっと聡明な人間になっただろうなぁ
犬の捉え方がロシアと日本で違うのでしょうか…?

0
2016年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

犬の心臓の方は、これまで聞いたことない発想のお話でおもしろかった。人間の言葉を話し始めた、生意気な犬と手術をした医者のかけあいがおもしろい。

運命の卵も、発想がかなりユニークでおもしろくて怖い。どっちもいわゆるSFのジャンル。
ソ連政権に対する批判が隠れてるというが結構わかりやすいと思う。

どっちも当時のソ連の人たちの生活が垣間見られて面白い。

0
2024年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間の脳下垂体と精巣を移植する実験の結果、人間化した犬が手術を行った博士たちを混乱に陥れる「犬の心臓」、特殊な光線を浴びることで異常に繁殖した巨大アナコンダが人々を襲う「運命の卵」の二編。いずれの作品にも、人間の手で作り出された生物に翻弄される人々の姿が描かれ、この普遍的なモチーフのために読んでいてそこまで古さを感じなかった。「犬の心臓」では手術を行った博士がことを収めることができたが、「運命の卵」では人は問題を解決することができなかった。このまま破滅的な終幕を迎えるのかと思っていたが、最後はかなりあっさりと話が終わったので、作者が描きたかったのは実験や人為的ミスが混乱を生むところだったのではないだろうか。

設定だけとってみるとSFだが、これらの作品にはSF要素に加えて随所に当時のソビエト連邦への皮肉が散りばめられている。たとえば、「犬の心臓」で教授のもとに管理委員会(当時の住宅不足に対応するために、大きな住居の住宅に強制的に他人を済ませる政策が行われたことを踏まえている)の男女がやってくるシーンで、一様に同じような恰好をしている彼らに対して教授が性別を尋ねるくだりがあるが、これは革命後に宣伝された男女平等では単に外見が均一化されただけだったという皮肉が込められているという。これ以外にもかなり手厳しい批判ととれるところもあり、発禁となったのもうなずけるが、その皮肉を通じて革命後のロシアの人びとの暮らしを垣間見ることができる。当局に睨まれながらこれらの作品を書いたという作者の心情はどのようなものだったのだろうか。

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2020年11月03日

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