【感想・ネタバレ】日曜は憧れの国のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年04月21日

ここのところよくジュブナイルミステリをよく読むのだけれど、これは白眉と思います。というか好きですね。

キャラは立っているが、キャラ付けされすぎていない絶妙なバランス。
単に「事件を解いた」→「人間的に成長した」のような安易な成長譚にせず、謎そのものにしても、その解決方法にしても異なる意見・性格の友...続きを読む人と議論し(時にはしっくりとくる結論がでないこともある)、人生の答えを見つけ出そうともがく様を丁寧に描いている。
4人のメイン主人公たちの描きわけが巧みなのは、作中何度か2人×2チームで行動した(その組み合わせを変える)時に如実に現れます。また続編ではさらにそれが際立つ。

いずれにしても、子どもの「学ぼうとする」姿を応援する姿勢を貫いて物語を紡いだ作者のオトナとしての矜持を尊敬します。

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Posted by ブクログ 2018年04月30日

たまたま、カルチャースクールのお料理教室で出会った学校も違うjc4人によるご近所系ミステリ

カルチャーセンターのお試し的バイキングクーポンが5枚なので、本作も短編5編
どんなバイキングがたのしめるか。。。。
(正確には4人一緒に利用は4枚です)

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Posted by ブクログ 2016年08月17日

カルチャースクールが舞台というのも面白いけど、各講座を通じて主人公たちの悩みや葛藤に、自然と方向性を提示しているところもまた面白い。
将棋編はやや強引な感じがしましたが、他は謎もよくできています。

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Posted by ブクログ 2016年07月10日

作者の得意とする裁判や派手な設定を使わず日常の謎を描く五つの連作短編集。『レフトオーバーズ』はカルチャーセンターの料理教室で起きた盗難事件に関する謎のお話。連載時には謎の解決について座りの悪さを感じたが、加筆によってスッキリした読後感になっていた。『レフトオーバーズ』は千鶴、『一歩千金二歩厳禁』は桃...続きを読む、『維新伝心』は真紀、『幾度もリグレット』は公子、そして最終話は……と当番回ごとにメイン4人をそれぞれ掘り下げ、彼女たちの抱える悩みがカルチャーセンターの講師や他の少女の言葉をヒントにして解決していくのが爽快。探偵役をつとめる割合が多く超然としてるようにも見える公子の内側が描かれる『幾度もリグレット』が特に好き。平均的な中学生していたり子どもっぽかったり要領が良かったり大人びてたりとしていても、どこかにその印象をいい意味で裏切る面を見せて物語に奥行きが持たせる手腕がまた良い。クセの強い円居挽作品を読んできた読者には作者の新しい一面を感じさせてくるし、初めての方には可愛らしいイラストがフックになったり、自分がどうありたいか、どうなれるか、という中学生の少女たちの悩みとそれに対するアンサーが爽やかな読後感を残します。倒叙や多重解決もあるよ!

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Posted by ブクログ 2016年05月26日

本当に腹の立つ作者である(笑)
あとがきに、ある有名な研究会に入りたいから、その大学にしたと。全く持って不愉快だ(笑)
さて、
内容はと言うと、いわゆる日常系ミステリ。一遍を除いて推理結果が正しかったようだ。後の一遍は、確認出来てないから正否は不明。
4名のメインキャラに似た人、身近にいるなぁと思い...続きを読むながら読むとなお楽しい。

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Posted by ブクログ 2021年12月21日

個人的には好き。一話が長くなくてヘビーな話もないので、気軽に読みたい時に。本格とか腰据えてとかそーゆーの期待するとダメなんだろうけど。本の読み方も色々だからね。私にとってはお風呂で読む本。

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Posted by ブクログ 2021年04月24日

カルチャーセンターで出会った女子中学二年生の4人。各章毎に視点が変わり、お互いに自分にないものを持つ友人を羨ましく思っている。読むのを止めるほどつまらないわけじゃないけど、かと言って続編があっても読まないだろうな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月17日

 カルチャーセンターを舞台として,性格も学校も違う暮志田千鶴,先崎桃,神原真紀,三方公子つという4人の女子中学生がちょっとした謎に遭遇する日常の謎系ミステリ。謎ときだけでなく,4人の少女がうちに秘める悩みなども描かれる青春ミステリとなっている。
 まずは5つの短編の内容を見て,全体を総括したい。
...続きを読む レフトオーバーズ
 千鶴達4人が四谷にあるカルチャーセンターの料理教室で出会うところから,その料理教室で起こった3万円の現金の盗難事件が描かれる。料理教室での料理はカレー。料理教室の講師は旗手優という料理人。お店を潰してしまった彼は,新しい店を開く資金を稼ぐために料理教室の講師をしているという。講義は,食材をドラフト形式で選ぶという,ちょっと変わった形式で行われる。各グループに自由にカレーを作らせて,美味しければ褒めて,イマイチだったら手を加えて美味しくするという講義のやり方は好評。しかし,その最中,主婦世代グループと高校生グループでちょっとしたいさかいが起こる。そして,主婦グループの1人の財布から3万円がなくなり,その財布が千鶴達のグループの机の下から見つかる。
 色々な検討の末,千鶴達は,高校生グループが腹いせに主婦グループから現金を奪い,千鶴達のグループに罪をなすりつけようとしていたと推理する。場を沈めるために自腹を切って3万円を払った旗手に,高校生グループが謝罪して3万円を返していた場面を見たことから,千鶴達は自分たちの推理が合っていたのではないかとかんがえる。
 この話のヒロインは千鶴。千鶴は,引っ込み思案のことなかれ主義の自分が,自分だけが疑われないような言動をしていたことで自己嫌悪に陥る。最後は桃の提案で,また4人は,このカルチャーセンターで同じ講義を受けることにする。
◯ 一歩千金二歩厳禁
 4人が2つ目に選んだ講義は,将棋。講師は元プロ棋士の恩田敬一で,恩田は講師をしている将棋部の高校生と孫の駒子を連れてくる。将棋部員や講師を大局したり,将棋部員を参加させながら仲間内で対戦するという形での講義を行う。
 この作品は,主に先崎桃の視点で描かれる。レフトオーバーズでは千鶴が,事なかれ主義で引っ込み思案。自己中心的な性格であることに向き合うということが描かれる。これに対し,この2作めでは,先崎桃が,周囲のことを考え,気を使っているつもりで,近視眼的にしか物事を考えることができていないという事実に向き合うということが描かれる。
 ミステリとしては,1作目より趣向が凝らされている。桃達4人と多面刺しをする小学生の駒子との対戦でズルをしようとする桃の様子が倒叙的に描かれる。更に,ズルをしているのだから,当然勝とうとしているのだろうという思い込みを突いてくる。桃はズルをして負けようとしていたのだ。ここが叙述トリックになっている。
 桃のズルは氷を使って湯飲みが置いてあるトレイを落とし,音が鳴り,意識がその音に行っているスキに歩を置いて,二歩で負けようとするもの。このトリックに成功するが,駒子は泣き出してしまう。桃の気遣いは,かえって駒子を傷付けていた。
 千鶴が感じている悩みもそうだったが,桃が感じている悩みも,誰もが持っている悩みのように思える。身近に感じられる悩みと推理小説的な技巧。1作目に比べると短編としての完成度は高い。
◯ 維新伝心
 4人が受ける3つ目の講義は日本史の講義。この講義を選んだのは桃。ポスターを見て,面白そうな講義だと思って選ぶ。しかし,実際の講義は実直ではあるが面白みのない江戸幕府の成立から崩壊までの話。話の途中で講師の因幡は倒れてしまう。
 4人は途中で終わってしまった講義で,講師の因幡が何を話すつもりだったかを推理する。3作目真紀の視点で描かれる。真紀は要領よく,ゲーム感覚で人生を過ごしている。しかし,もっと地道に努力をして教養を高めていく必要があるのではないか。一緒に講義を受けている公子のように。そんな悩みに向かい合うことになる。
 この話では,ミステリ的な趣向は薄い。むしろカルチャーセンターの在り方について描かれる。生涯学習という観点から各地に開かれることになったカルチャーセンター。しかし,今はインターネットがあるから,その気になれば結論だけなら誰でも簡単に調べることができる。自分一人で何かを学ぶことができる。これからカルチャーセンターはどうあるべきか。日本史の講師の因幡は、このカルチャーセンターの元理事だった。今の理事である清澄は,短期的に利益を上げる施作をしているが,本当にカルチャーセンターの未来を考えているのか。カルチャーセンターと江戸幕府を重ね合わせ,あえて清澄が作ったポスターとは違う,実直な講義をするつもりだった。
 好きで選んでる道を進んでいるつもりが袋小路に進んでいる。そんな不幸にならないようにどうすればいいか。真紀の悩みも共感する人が多そう。とはいえ,ミステリとしては非常に弱い。単なる青春小説みたいになっている。
◯ 幾度もリグレット
 4にんが4つ目に選んだ講義は小説講座。公子が選んでいた。講師は奥石衣という純文学出身でファンタジー小説も書いていた女流作家。公子は奥石のファンだった。
 小説講座のテーマがそのままこの作品のミステリとテーマとなっている。それは,奥石が用意した小説の続きを書くこと。その小説は芸術家になりたかった木こりの話で,まるで奥石自身を木こりに置き換えたような話だった。
 講義で与えられた課題は小説の続きを書くこと。そして,それは奥石衣へのメッセージにもなる。公子はそう考える。
 桃,真紀,千鶴は課題を提出するが,公子は提出できなかった。そして,千鶴の作品が奥石から絶賛される。千鶴の作品は,次に何をするかをいうのではなく,ただ,次があると言っていただけ。それで救われたと。
 この作品のヒロインは公子。落ちこぼれたことがなく,悩みがない公子。今回は課題はていしゅつできなかったが,なかなかこの公子に感情移入できる人は少ないだろう。小説を書くということは送ってきた人生を問われるのと同じ。この先の人生にどんなに不本位なことが待ち受けていたとしても,小説のためなら堪えらえれる気がする。公子のそんな決意で終わる。
 これは完全無欠に見える公子に,千鶴が勝つことで,読者にカタルシスを与えようとしている作品にも思えるけど,あまり感情移入できなかった。やや説教臭い点もマイナス。読者が高校生くらいだったら得るものもあるのかな。永年社会人やってると,小説でそんな現実を突きつけなくてもよい気がする。ほとんどの人間はどこかで自分の限界を知って挫折して,まぁ,そこからだから。
 ミステリとしてはそこまででもない。トータルでは若いときに読むべき作品という評価で。
◯ いきなりは描けない
 最後の話は,助けてという文字が書かれた写生画が飛んできて,その写生画を描いた人を探すために,4人が協力するという話。千鶴は気象予報士の講座を受け,桃はペーパークラフトの講座を受ける。真紀はスケッチ講座を受け,スケッチを紙飛行機にして飛ばした人がいるたわーまんしょんを突き止める。
 小説講座の一件で,勉強ができるくらいではどうにもならないと感じていた公子だが,公子は部屋を突き止め,千鶴と部屋に向かう。その部屋で阿久津智恵という美術大学を受験している浪人生に出会い公子はチケットを智恵に渡す。
 短編集のラストとして,4人がそれなりに活躍をして,謎を解いて大団円。ただ,絵画を描いて紙飛行機にして飛ばした人はどこにいるのかという謎はそれなりに魅力的だし,解放に至る過程でカルチャーセンターを使うという展開も悪くない。ただ,ミステリとしては解決までの過程が弱く感じる。結果だけを示されているだけ,だからか。
 筆者は,公子寄りの人物だったのかもしれない。あとの3人は読者寄りだが,公子だけは読者にあまりいないイメージの存在。その人物に最後,スポットを当てる感じになっている。千鶴も活躍するが,千鶴と公子に比べ,桃と真紀の存在感が薄い。
◯ 総括
 ストーリーテラーとしての円居挽の魅力は発揮されている。しかし,本格ミステリ作家としての円居挽の魅力はあまり感じられない。せいぜい,一歩千金二歩厳禁くらいだ。4人の少女とその悩みもおおむね共感できるのだが公子だけが…。こんな出来る子に共感できる人は少ないと思うが,そこにスポットを当て過ぎているように感じる。
 トータルで見て,円居挽の話作りの旨さを充分に感じることができるデキに仕上がっている。しかし,その程度。ミステリとしては弱いし,ちょっと説教くさいところも割引き。円居挽の文体が好きなので雰囲気も好きなのだが,傑作まではもう一歩という感じ。

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Posted by ブクログ 2019年02月26日

中学生がひょんなことからカルチャースクールで知り合い、互いに刺激を受けながら成長するという内容ですが、自分が中学生の頃にはこんなに深く物事を考えていなかった気がする。
でも、大人になって改めて純粋に何かを学びに行くというカルチャースクールに魅力を感じます、
一度行ってみようかな。

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Posted by ブクログ 2018年11月08日

カルチャーセンターで出会った中学生女子4人組が、様々な謎を解くお話。自分たちの悩みにも向きあいつつ少しずつ成長していく姿がよかったです。読後さわやか。続編も読もうと思います。

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Posted by ブクログ 2018年10月13日

カルチャーセンターで出会った四人の中二女子と料理、将棋、幕末等の講座体験と謎。段々と慣れた口調からも各自個性的と思いきや、丁寧語の内気お嬢様と切り捨て口調の堅物優等生以外の二人が各目線もあるのに逆に落ち着かず、上手く掴めなかった。本はすきだけれど国語はやっぱり苦手らしいと小説執筆講座の課題で感じた。

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Posted by ブクログ 2018年07月11日

 日常の謎系の作品も書くのか。
 中学校1年生の女子たちを主役とした短編連作。
 たどたどしい人間関係と、すこしずつ欠けたところ、優れたところを楽しく魅せてくれる文章はすごい。カルチャーセンターに通いたくなる。

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Posted by ブクログ 2017年10月01日

引っ込み思案で事なかれ主義の日和見の千鶴。
計画性はないけど気遣い屋でムードメーカーの桃。
要領がよく、損得勘定で学校生活を円満に過ごす真紀。
進学校でも優秀で、冷静な知性派の公子。
カルチャーセンターの料理教室で一緒のグループになった四人は、それぞれの悩みを抱えつつ、講座を一緒に受けて行くことに。...続きを読む

料理教室のお話と思ったら、始めだけで、将棋、歴史と講座が変わってしまい、あれ?
ティーンエイジャーの持つ、劣等感、迷い、悩みがリアルにモヤモヤと描かれる。
お綺麗な感じもしてしまうけど、そうだった未来への選択肢が多いって不安だったな。
4人の自己評価も後半には見方が変わっていく。
後味スッキリ。

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Posted by ブクログ 2017年08月27日

てぃーぬオススメ本
かわいい女子中学生たちのお話。
ちょっと苦手かな?と思っていたものの、
意外に楽しく読めました。
中学生にしてはみんな大人びている気もするけど、
学校とは違う気安さなど感じたり。
自分はどのタイプだっただろうとか思いながら読んじゃうかもです。

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Posted by ブクログ 2017年03月29日

ほんわかしてて良かった。印象的には薄いかな。
あらすじ(背表紙より)
内気な中学二年生・千鶴は、母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターの講座を受けることに。彼女はその料理教室で、同い年だが性格も学校も違う桃・真紀・公子と出会う。ところが、教室内で盗難が発生。顛末に納得がいかなかった四人は、真相を推...続きを読む理することに。多感な少女たちが、カルチャーセンターで遭遇する様々な事件の謎に挑む!気鋭の著者が贈る校外活動青春ミステリ。

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Posted by ブクログ 2016年08月22日

【収録作品】レフトオーバーズ/一歩千金二歩厳禁/維新伝心/幾度もリグレット/いきなりは描けない 
*あとがきによると、テーマは「若い頃の悩み」とのこと。確かに毒もミステリ成分も薄め。中学二年生の少女たちを四つのパターンで捉え、カルチャー教室の講座のテーマと絡めて描いている。

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Posted by ブクログ 2016年07月30日

中学生がカルチャースクールに通うのがピンと来ない。現実を知らないので普通のことかもしれないが。違う学校に通う中学生が塾以外で知り合い、友人になるのはいいね。

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Posted by ブクログ 2016年07月09日

素敵な表紙に惹かれて購入。女子中学生のカルチャーセンター日常ミステリ。4人の女の子が交代で主役を務める。はじめのターンの女の子の、日常が退屈だという心に興味をもって読み始めたが、謎はすっきりせず、つまらないことに足をつっこむ割には表面的な付き合いしかしてないように思う。どの子も少しずつ自分の嫌なとこ...続きを読むろを反映しているようで、気持ちよくは読めなかった。

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Posted by ブクログ 2016年06月18日

女子中学生たちが主人公のミステリ短編集。
バラバラに個性的で、それゆえバラエティある悩みを持つ4人の少女は、周辺に起こる事件を解きほぐしながら成長する、という王道青春もの。
全体的に可もなく不可もない感触だったが、舞台をカルチャースクールに、それも各講座一度ずつの体験コースという設定にするというのは...続きを読む楽しかった。各講座・各話に一人ずつ主人公をあてがっていくのはこれまたよくある手法だが、毎回事件へのアプローチも異なっていたので、予想通りに進んでも不満はなかった。
せっかくキャラ立てをしたのだから、続きを書いてくれればよいのだが。
3-

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Posted by ブクログ 2016年06月12日

ミステリというよりも、中高生向けの青春小説に近い。
ミステリを切り口にそれぞれが抱える悩みを解決する、とまでは行かなくとも、徐々に変化して行く様子が良いですね。
読みやすいし、キャクターもたってるいるので、良いんじゃないでしょうか。

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