【感想・ネタバレ】ドビュッシーとの散歩のレビュー

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Posted by ブクログ

堅苦しくないクラシックを堅苦しくない言葉で語ってくれる。
フランス文学とギリシャ神話のくだりはちんぷんかんぷんだったけど、曲を聴きながら楽しく読めた。

宝物に仲間入りした一冊。

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2021年12月17日

Posted by ブクログ

ドビュッシーの残したピアノのための作品を、ドビュッシーの演奏・解釈の第一人者である作者の青柳いづみこさんが丁寧に紹介していく一冊。

ドビュッシーと言えば、流麗なピアノ曲が多いイメージ。
「月の光」は誰もが知るクラシックの名曲ですね。
とは言え、私は、まだ曲も、ドビュッシーの人物像も明るくないため、これはとても勉強になった。

ドビュッシーは、ジャポニズムを取り入れた最初の作曲家だったという。
東洋の美術が大好きで、蒐集していたという。
多くの日本人がドビュッシーの曲を「美しい」と感じるのは、そのためなのですね。

ラヴェルとの関係性も興味深かった。
印象主義といえば、ドビュッシーとラヴェル。
しかし、弟分だったラヴェルとは少しずつ確執が生まれていったらしい。
独自のスタイルを完成させたのはラヴェルが先。
ドビュッシーは以前に書いたものを無意識に作品に取り込んでしまう傾向があったようで、ラヴェルに似た曲を作ってしまったことで、ラヴェルに非難されたようだ。
いつの時代もつきまとう、盗作とオマージュの問題・・・。
でも無意識で似てしまったのは仕方ない気もするが・・・。

ドビュッシーは印象主義で括られるも、特に絵画の印象主義の画家たちを好んで影響を受けていたわけではないのですね。
ボッティチェリ、モロー、ロセッティ、バーンジョーンズなどのラファエロ前派、ターナーを好んでいたらしい。
ターナーは特に好きだったようだ。ターナーは印象派の先駆けとも言われるから、やはり少なからず影響はあったんだろうな。
音楽と美術の「印象派」のつながり。気になるな。もっと調べてみようと思った。

また、青柳さんが「アラベスク一番」について述べていた章が印象に残った。
「アラベスク=アラブ風の。唐草模様という意味。
カーブを描くメロディの象徴で、左手と右手の滑らかな動きから唐草模様のような美しいアルペジオが次々に紡ぎ出される。」
と綴る。
代表曲ではないようだけど、青柳さんはこの曲が好きなんだろうな。
私も、実は今弾いているショパンが終わったら、ドビュッシーに初挑戦してみようと思っている。
私も、「アラベスク一番」が最近同じく好きで、弾いてみたい憧れの曲になっている。すごく難しそうだけど。

ドビュッシー。まだまだ知らない曲も沢山あるので、聴いてみたい。

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2021年11月22日

Posted by ブクログ

著者の本はドビュッシーの評伝の他、数冊を持っている。あとピアノ曲のCDも。評伝はドビュッシーが好きなんだナと思える処と冷たく分析する処が、演奏家としても評論としても、プロの文章の印象だった。

「亜麻色の髪の乙女」から始まる、短めの文章。ドビュッシーは髪フェチだったとの指摘。実はオペラ「ペレアスとメリザンド」の作曲中に歌曲「三つのビリチスの歌」も作曲されたとレコードの解説にあったので、そうだろうと思っていた。著者は更に証拠のエピソードを挙げている。ちょっと、嬉しい。
「ビリチス」へ言及は何度も。特に2曲目「髪」の官能の暗示、そして3曲目「ナイヤードの墓」の寒々しさ。若い頃買ったLPのアメリンクのソプラノとボールドウィンのピアノの素晴らしさを思い出しながら読む。

若い頃のドビュッシーはピアノ曲の作曲に熱が無く、オーケストラ曲や「ペレアス‥」が評判になってから、ピアノ曲を世に出していったと。意外。評伝読んでるのに、まったく知らなかった。

「ミンストレル」はアメリカから来た音楽円劇団。吟遊詩人としている世にある通説を訂正している。僕は、ギリシャ関係の何かぐらいと思ってた。人知れず赤面。
金色の魚は金魚でなく、蒔絵の箱の緋鯉がイメージ源とか、絵本がテーマになっているものが多いとか、へ~と云う話が沢山。
「雪の上の足跡」「雪が踊っている」など冨田勲のシンセサイザーで知った曲も多いなあ。フランソワとミケランジェリのタッチの違いは、えっと、そうだたっけと再び赤面。
ドッビュシーはショパンの系譜なので、ハ長調から教えるチェルニーに批判的だっとのこと。最近、吉松さんの調性の本を読んだが、まさかピアニストがハ長調が不得手とは思わなかった。

一番沁みた文章は「自分の磁場をなるべくしなやかに、どんなものでも対応できるようにするする広げておくと、そこにドビュッシーの音楽がいつのまにか忍びこんででくる。そして、一緒になってのびひろがってくれる。」
僕は単身赴任中で、手元にCDがない。やっぱり、曲を聴きながら読みたい文章だね。

映像第1集「ラモーを讃えて」が好きなんだが、触れてなかったのがチョッと残念でした。

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2016年04月16日

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