【感想・ネタバレ】百年の恋のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 篠田節子さんの小説は、初です。 まずは読みやすそうな作品をと、『百年の恋』を選んで正解でした。
 とにかく、痛快。 
何度も何度も笑わせて、ときに考えさせられ、思わぬところで泣かされて・・・ファンにならざるおえない、さすがです。

 さえないライター家業の真一の3歳年上のスーパーエリートの妻・梨香子への" 声にはならない悪態 " が、コミカルに描かれていて、面白い。

 妻と母の長年の確執におろおろ、エリート元カレ⁈との仲を邪推して嫉妬、次々と叩き込むエピロードに、揺れ動く真一の心。 ついには諦めの境地か。

『お茶は裏千家、お花は嵯峨御流、煎茶道も一通りはできる。それでいてなぜ、自分の脱いだパンツをそっと畳んでから洗濯籠にいれることができないのだろうか。・・・』

 逆転夫婦。 真一に同情したくなるが、妻に振りまわされる可笑しくも可愛い姿がなんとも痛快。 
 そして、可笑しさと共に、愛おしさがある。
稚拙だけど、梨香子の真一への想いは、あれはあれで愛だと想う。 キャリアという鎧を脱いで、母の呪縛から逃れ、極度に甘えられるのは(わがままはすぎるけど)真一だけなのではないか。 それを踏まえると、真一と梨香子の出会いは必然のように想える。 " 我鍋にとじぶた " かな! 我が家もそんな夫婦ですから。(未熟同士でちょうどいい)

 また、編集者の秋山泉子がカッコいい。 甘ちゃんの真一を『うるさいんだよ。』と叱責するセリフに惚れました。
『あなたに妙なこだわりがあるからよ。偉そうな顔をするからよ。パンツがどうしたって? 私も、私の母も、祖母も、夫や父や祖父のパンツを洗ってきたのよ。 洗濯機もない時代から。 つまりあんたたちは、そうして平然として、自分の脱ぎ散らかしたものを洗わせてきたんじゃないの。そこに恥じらいがあった? 感謝があった? たかが汚れ物だろうが。生きている証拠じゃないの? あんた、今、誰のおかげで、勝手なことができたるの。奥さんの稼ぎで好きなことしてるんじゃないの』
いいセリフは、まだまだ続く。
そして、真一は、自分と向き合い・・・。

 天晴れです。 スッキリ爽快です。
真一くん、頑張って‼︎

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かった。電車で読みながらめちゃくちゃニヤニヤしてしまった。
明らかにやばい雰囲気の漂う梨香子に真一が舞い上がる様子、梨香子のあまりにも酷過ぎる生活能力、同業者仲間に軽んじられて当然と思わされる真一のコミュニケーション能力のまずさ加減。
篠田さんは書くことが極端過ぎるがそれでこちらが冷めることが無くむしろもっとやれと思わせる独特な魅力がある。
しかし梨香子はなんで真一と結婚したのだろう。子供が欲しかったから主夫をやってくれそうな男を探していたのだろうか。それにしてももうちょっとまともな男が他にいる気がする。
知性があり稼ぎと男らしさの無い男が理想だったとか?最後に「あなたのここが好きで結婚したのよ」的な素敵な種明かしがあるかと期待していたがそんなものを期待した私が馬鹿だった。
途中に挟まれる育児日記だが、これを書いた人は要領が悪過ぎると感じた。確かに子育ては大変だけれど食事のたびに掃除をする必要は無い。

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2018年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

真一が結婚したのは容姿端麗、東大出のエリートキャリアウーマン梨香子。実は家事が出来ないどころか頭に血がのぼるとヒステリックな暴力女だった…何故か私は真一の立場になり最後まで梨香子側にはなれなかった。年収800万だからと許されたことではない。彼女の性格が変わっていけばこの夫婦はやっていける希望はある。子供の成長とともに環境も変わりどうなっていくのか…真一さえ我慢すればいいのではあまりにも可哀想で。結婚は焦らず相手を見極めて欲しいと我が息子に思いを馳せた。

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2017年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

売れないライターのタクシンは、美人のキャリアウーマン梨香子と出会い結婚。
梨香子は、全く家事のできない女で、離婚を決意したとたん、妊娠が発覚し・・

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2016年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夫婦の役割や生活が逆転すると、それまでの「女がやって当たり前、男がやって当たり前」という役割分担の理不尽さに気付くかもしれないなー。

そして、あえて夫婦の役割を逆転して描くことによって、社会で戦う男の苦労、家を守る女の不満などなどを改めて感じることができたりして。

夫婦共働きで、家庭での役割分担にモヤモヤしている女性のみなさん!
一度読んでみてはいかがでしょうか。
私は梨香子の男らしい働きっぷりにスカッした気持ちになりましたよー。

結婚しても出産しても生活のスタイル、自分自身のスタイルを変えない梨香子はすごくかっこいいと思いました。
あ、でも梨香子は私生活は本当にダメダメだけど。

そして家事を押し付けられてグズグズ言っている真一に「喝」を入れる編集長の秋山女史もめっちゃ素敵。

でも実際にここまで逆転している夫婦ってなかなかいないと思うけど、でもすごいおもしろかったです。

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2022年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

女性の多くが社会に出るようになって、こういう家庭も増えているのだと思う。
夫より高所得で高学歴且つ美人で有能だが、家事ができない妻。
それに対して、低所得ではあるが仕事をしながら、家事も負担する羽目になった夫が妻に不満を抱くのもわかる。
でも、これを男女逆に置き換えてみたらどうだろう。
従来通り仕事だけして家庭に参加しない夫と、家事をすべて負担しながら社会に出て仕事をする妻。
仕事は正社員からパートなど様々ではあるけれど、上記のような家庭は今では珍しくない。
妻は家事の面でも、経済の面でも、人一倍働いている。
しかも、日本の社会はまだまだ男女雇用機会均等には程遠い。
寿退社も、出産後の退職者も多い。
私はまだ独身だけど、仕事に加えて家事をする負担が増えると思うと、結婚する気も失せる。

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2013年03月14日

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