あらすじ
経営していた会社も家族も失った家具職人の東口。川辺の空き地で仲間と暮らす彼の悩みは、アイツにつきまとわれていることだった。そこへ転がり込んできた謎の女・奈々恵。川底に沈む遺体と、奇妙な家具の修理依頼。迫りくる危険とアイツから、逃れることができるのか? 道尾秀介が贈る、たくらみとエールに満ちた傑作長篇。
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Posted by ブクログ
友人Kからお下がりでもらった一冊。
読み始めの印象としては、「これまで読んできた道尾秀介の小説とはちょっと色が違う」だった。
特に前半は大きな波があるわけでなく、緩やかに時間を読んでいるような感覚。
後半(後ろ1/3くらい?)に差し掛かり、物語はぐらっと動きを見せた。
そこからのテンポ感に「これこれ!」と思わされ、一気に最後のページまで読み切った。
謎の館の謎の人間たちが一体何者なのか、思ったほど詳しく描かれることはなかったけれど、そのファジーさが物語の広がりを作り、そんな世界がこの世界のどこかにあるように感じる。
生きているのか死んでいるのかわからない登場人物達の「生きていく」姿が明るくて心地よかった。
Posted by ブクログ
道尾秀介さんの作品を読み漁っている途中で出会った本。
無難に面白かった。
クライマックスがやや地味なのと、終盤で明かされるとある事実が道尾作品でよく見るようなやつであまり衝撃がなかったのが少し残念だった。
「カラスの親指」みたいな爽快感をずっと待っていたので肩透かしを食らった気分。
結末はハッピーエンドで読後感が良かった。個人的にはハッピーエンドの方が読んだ後前向きな気持ちになれるので好き。自分でも単純すぎるとは思う。
ただ、タイトルの意味がピンとこなかったな。また読み返してみたい。
Posted by ブクログ
人生の転落と再生の話し。
やるせない部分もあるが最後には希望向かって行けるところがいい。
仕事とお金と幸せについて少し考えさせられる内容も◯