あらすじ
組織人としての生きる道を、生涯にわたり探求しつづけた
『サーバントリーダーシップ』著者ロバート・グリーンリーフ小論集。
「引っ張るのではなく、支える。このシンプルなアイデアによってリーダーシップの意味合いは根本的に変わった。
経営者、ミドルマネジャー、さらにはもっと若い人たちにとっても、サーバントリーダー入門書である」
金井壽宏(神戸大学大学院経営学研究科 教授)
「この30年間で、ロバート・グリーンリーフほどリーダーシップの考え方に大きな影響を与えた人はいない」
ピーター・M・センゲ(『学習する組織』)
「この深く格調の高い新たな小論集には、ロバート・グリーンリーフの原点となる考え方が示されている」
ジョセフ・ジャウォースキー(『シンクロニシティ【増補改訂版】』)
■ロバート・グリーンリーフ:生涯にわたり仕事の仕方を観察しつづけた哲人
米最大手の通信会社AT&Tでマネジメント研究、リーダーシップ開発に従事したのち、
ハーバード大学、ダートマス大学、マサチューセッツ工科大学などで教鞭をとる。
66歳のとき、1970年に提唱した「サーバントリーダーシップ」は、経営者や政治家ら
各界のリーダーに絶大な影響を与え、現代リーダーシップの基本哲学と称される。
■サーバントリーダーとは?
「サーバントリーダーは、第一にサーバントである。はじめに、奉仕したいという気持ちが自然に湧き起こる。
次いで、意識的に行う選択によって、導きたいと強く望むようになる。奉仕できているかどうかを判断するには、
次のように問うのが最もよい。奉仕を受ける人たちが、人として成長しているか。奉仕を受けている間に、
より健康に、聡明に、自由に、自主的になり、みずからもサーバントになる可能性が高まっているか」(本文より)
■サーバントリーダーとしての生き方を情感込めて語る
はじめに――編集者ラリー・スピアーズ(サーバントリーダー10の特徴、グリーンリーフの人物像)
1 サーバント(サーバントリーダーシップ誕生の背景、社会への浸透、今後の展望)
2 教育と成熟(人としていかに成熟するかについて語った大学講演録)
3 リーダーシップの危機(次世代リーダーをいかに見出し、育てるか)
4 夢を先延ばししていないか(覚悟を持った青年時代の生き方)
5 老後について(常に未来に向けて思索し、備え、行動する)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
■所感
サーバントは、なかなか聞き慣れない単語なものの、なんとなくこの感覚で仕事をしている人は、特に若手からのリスペクトが強いのではないかと感じた。
一言で表すなら、利他の精神、とでもいうべきものでしょうか。
この本を通して、多くを学ぶというよりは、自分の考え方の整理など内省に向いているかと。
entheos(エンテオス)という単語が後半に頻出しますが、このあたりは哲学的な内容が多いので、読み飛ばしてもよいかもしれません。
■残ったフレーズ
…共同での取り組みにおいて人々を団結させるのは、考えであって、リーダーのカリスマ性ではない…しかし今日においては、適切な夢を持っていない組織があまりにも多い(p.144)
リーダーがうまく導いている場合、人々は「自分たちの力で成し遂げた」という(p.160)
■こんな人にオススメ
リーダーシップをもっと発揮したいと思っている人、リーダーシップがどんなものかわからない人、次世代のリーダー候補など前途有望な方から、リーダーになって久しいが、ナレッジアップデートできていないかも…と感じる方、なぜ上司の指示を素直に聞けないんだ…と若手や部下に対して感じる方など、多くの方に気付きがある本だと思います。
Posted by ブクログ
マネジメントは権力や仕事ができるといったことで相手を従わせることではない。そこにはどうしても強制が出てきてしまうので、やる気が削がれてしまう。信念のような考えが前面に出て、リーダーがその考え方のサーバントだとみなされるときのほうが、組織はうまく機能する。リーダーがうまく導いている場合、人々は自分の力で成し遂げたと言う。
上司が私はサーバント型のリーダーだと言っていたのが、気になり購入した。自分にはカリスマ性も権力も話術もないが、信念だけはある。何もない人間がリーダーになりたい場合、サーバント型のリーダーを目指すのはひとつの解決策になるのではないか。