【感想・ネタバレ】蝶のゆくえのレビュー

ユーザーレビュー

Posted by ブクログ 2019年06月11日

老若の女性を主人公にした6作の短編小説集。収録最初の短編「ふらんだーすの犬」があまりに衝撃的で言葉を失う。

巷で繰り返される母親による子への虐待事件。報道を見るたびに思うのは、自分が生み育てた子をどんなきっかけで、なぜ虐待できるのかということ。それが本作品で少し理解できた。虐待までのプロセスが論理...続きを読む的で筋が通っている。加害者を許すことはできないけれど。

このリード作品のインパクトが強すぎて、残りの5作品も、何かとんでもなく不穏なことが起きることを期待して読んでしまう。が、描かれるのは日常の中のちょっとした非日常に戸惑いながら、再び日常を続ける女性たちだ。この展開こそが純文学作家の橋本治作品らしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年11月14日

橋本治は、ああでもなくこうでもなくの、力の抜けて、かつ的確な時事評論で知ることになったのだが、これまで小説は読むことがあまりなかった。この2-3年、巡礼、リア家の人々、橋などの
オリジナルを書き下ろしているが、そのさきがけとなっているのが
この短編集である。

 どの話も、短編の中に細部までの...続きを読む描写が張り巡らされており、この人のもつ、人に対する確かな洞察力に感服させられる。
児童虐待を扱った「ふらんだーすの犬」は、身勝手な親に捨てられ、虐げられるまでがリアルに描かれる。報道で見る児童虐待や、日常診療で犯人捜しに終始する野次馬的第三者目線ではなく、このような加害者・被害者目線での鋭い視線がこの作家の生命線である。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

短編集ですが、そのなかの「ふらんだーすの犬」
すごいです。

もしかしたら自分にもこうなる可能性はあるのか?
って思わせる、人の気持ちの奥にあるものを描くのの
天才です。。

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Posted by ブクログ 2016年06月22日

6小品から成る短編集。一番最初の虐待の話がインパクト大きくて、これが全編にわたるようなら物凄い出来かも!?と思ったけど、最終的にはそれ以上の出会いはありませんでした。作者の小説は初体験だったけど、いわゆる”小さい声”に注目されているような、なかなか焦点の当たりにくいところがテーマとして取り上げられて...続きを読むいるように感じたし、好感の持てる内容でした。

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Posted by ブクログ 2020年09月30日

題名が小説ではありません。フランダースの犬が苦々しい強い印象の内容でしたのでそれ以外は淡々とした内容に思いましたが、ふとしたところがそういう思いもあったなと感じさせてくれるものでした。もしかして深いのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2014年01月25日

限りなくリアルな虚構の世界。泣きたいのに泣けない。分かるようで腑に落ちない。男の人が書く普通の女の話。だけどなんだろう、音なのかリズムなのか色彩なのか、何かがおかしくて気味が悪い後味が悪い。でも嫌いではない。

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Posted by ブクログ 2011年09月21日

女性心理を描いた6つの短編。いろんな年代の歪んだ、揺れるちょっと哀しい女性達が描かれている。最初の「ふらんだーすの犬」は子供の虐待を扱った内容でドキュメントのようなリアル感があってゾッとした。個人的には「ごはん」と「金魚」が好きかな。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

著者自身が自作解説で触れているように、「女にとって家とはどういうものなのか、女にとって母親とはどういうものなのか」がこの本のテーマであり、全ての主人公は女性である。(ただし、「ふらんだーすの犬」はちょっぴり例外ぽい)
「『蝶のゆくえ』と題される「女を主人公にした短篇集」を書くに際して、橋本は迷ってい...続きを読むた。自分は女ではないので、「女のあり方」をそのまま肯定することが出来ない。−そして、その立場を容認してしまうと、女を断罪してしまうことにもなりかねない。」と留保しながらも、描かれた世界はリアリティに溢れている。私は橋本さんがこういう小説を書いてくれたことが、なんだか嬉しい。

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