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Posted by ブクログ
可愛らしい絵柄に反して、内容はかなりシビアだ。
そしてそんな中でも愛情を交わせる相手がいることは幸せだと思う。
あとがきで著者が述べていることは、本当に考えさせられた。
とかく自己責任を主張する声が大きいけれど、失敗したり要領が悪かったりしても、なんだかんだで楽しく暮らせる世の中の方が絶対に良いと私は思う。
Posted by ブクログ
犬が好きな人にもそうで無い人にも読んでもらえたらと思う一冊。
人と犬との繋がりや愛情を考えさせられます。
本の推薦の帯封を重松清さんが描かれている。
読み終えた瞬間、
「おとうさん」という声が、
遠くからかすかに聞こえた。
涙が出た。
せつなくて、うれしかった。
という文章そのままに読み終わったあと私は号泣した。
涙が止まらなかったのは何年ぶりだろう!?
そして温かい気持ちになりありがとうといって、本を閉じた。
社会がどう受け取るか
前にも書いている人が居るが、二部構成の二部からの視点や作者あとがきを見て、社会へのメッセージが明らかですね。
真面目なのに、思いもよらぬ事や本人の責任ではない事(リストラや持病、離婚)、そして本人が周りに頼る性質でなく、またあまり他者と関わりが深くなければ、一気に「普通」からこぼれ落ちてしまう。誰でも。本人に重大な過失がなくても命に直結する。
もしかしたら過去に実際にあったのかもしれない。誰にも知られる事もなく。
もちろん、行政へ頼る事は本人がまず助けを求めて声をあげなければ分かりようもないですが、
声を上げてもなお失われる命もある。役所に追い返されてそのまま餓死をしてしまったケースなど、ニュース越しだとしても、実際に起きている事をわたし達は知っている。
そして、今の社会のあり方は自己責任論が強い論調で弱者の命の火を消そうとしている。
この、「お父さん」がもしなんらかのきっかけで、公的な助けを借りられていてこの悲劇を回避できる作品になっていたら、きっと叩く声も出ている事でしょう。お父さん本人に違いがなくても。
1人と1匹は幸福だったでしょう、という作者あとがきの通り、主観として幸せでいてほしい願いはあるけれど、
もっと助けや救済を簡単に得られる(手続きとしても、社会の風潮としても)社会であるように考えさせられる作品でした。
映画の「わたしはダニエル・ブレイク」と同じテーマだと思う。