【感想・ネタバレ】昭和の犬のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和33年生まれの柏木イクの半生と、彼女の人生に関わってきた犬たちの話。
シベリア帰りの父は突如切れる(作品上では割れる)ので、イクも母も気が抜けない。
母はたいていの時不機嫌で、イクの心を傷つける。
心の交流が全くない家庭。

幼い頃からいろいろな人たちに預けられ、5歳で両親と同居するようになってからもずっと、周囲の人の気持ちを推しはかり、気配を気取られぬよう生きてきたイク。
両親がイクに向ける心無い言葉は、読んでいる私の心をも傷つける。

イクの人生と交差するように、その時代それぞれに流行った犬種と犬の飼い方っていうのがあって、確かにそうだったなあと思う。
犬は犬なのに。

家を出ていきたくて東京の大学に進み、東京で就職するイク。
アパートではなく下宿ですらなく、貸間住まいで結婚もせず、両親どころか親戚一同の介護のため実家のある滋賀と東京をしょっちゅう往復しなければならなかったにしろ、イクの人生は幸せなのだった。
悪い記憶ばかりではない。
それを歴代の犬たちが教えてくれる。

それにしても昭和33年生まれで名前がイクって古すぎない?
母の名前は優子なのに。
と思ったけれど、最後にこの名前に意味があったのだとわかる。(名付け親が計算したわけではないにしても)

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2022年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

滋賀県に多少なりとも縁のある人だったらおもしろく読めるんではないかと思った。

なんか、前に読んだ「コンビニ人間」動物好き人間ver.って感じ。「コンビニ人間」に多少なりとも共感しそうになってやばいな~と思ってたらこっちはもっと共感しそうで、よりヤバイな~って感じました。
現代にこういうのがはやるのは、みんなこんな人間なの??そうなの???

追)あぁ、直木賞を受賞された作品なんですね。それならちょっとはやってる?のに納得。

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2018年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これは、直木賞を受賞するほどなのだから、面白い小説。

でも、その面白さは、エンターテイメント性は持っていない。タイトルのとおりに、昭和の犬(猫)と、主人公との関わりが、各年代、その時代を象徴するような、米産TV作品をともなって語られるストーリー。

何か事件が起るわけではなく、主人公は、淡々と年を重ねていく。そういったお話。そこには犬がいる(猫がいる)ということと、海外ドラマ。それぞれ、楽しいと思う。知っていても、知らなくても。

あえて、ネタばれ、推論するよう伏せた婉曲表現が多様されるのだが、カートゥーンの『トムとジェリー』についての、主人公(作者)の解釈は、面白かった。

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2016年07月25日

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