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Posted by ブクログ
真面目な数学教師・鮎川の親友は、官能小説家の不破。
鮎川は、酔って階段から落ちそうになったところを、不破に助けられ、その不破が利き腕を骨折したことから、不破の仕事を手伝うことになる。
それは、不破の小説――もちろん、官能小説の後述筆記であった。
やってみるまではなんともないと思っていた鮎川だったが、実際にやってみると、不破の唇が快楽の世界をつむぐたびに、不破を意識してしまい、叫びたくなってしまう。
おまけに、不破はこんな行為が好きなのだろうか? などと考えてしまい、頭も心も大混乱。
そんな鮎川の脳裏によぎるのは、数年前のきわどい記憶――不破から不意に施された口づけと、触れた熱い指先。
鮎川は、ずっと不破の傍にいたいがために、その出来事をなかったことにしたけれども……。
という話でした。
不破は、ずっと鮎川のことが好きで。
けれど、鮎川と「絶対にしない」という約束をしてしまったから、鮎川と離れたくないがために、その約束を守っている、かなり忍耐強い男。
鮎川は、次第に不破を意識しているけれど、そんなことは認められなくて、ぎこちなくなっちゃって、でも最後は鮎川がぶっつんしちゃって、ハッピーエンド。
自分の気持ちがわからなくて、ぐるぐるしてしまいがちな受けと、余裕がありまくりに見えるけど、実は全然、そんなことがない受けのカップリングがお好きな方にはオススメです。
告白した後は、鮎川の方があんまり何も考えていない……というか、素直にまっすぐで、時々どっきりするようなことを言い出すから、とても愛おしくなりました。
特に、最後の結婚のくだりなんか、とってもよかったです。
普段、割とそんなこと言い出して、実際にどれだけ大変だと思ってるの……ってリアリストなので思ってしまうんですが。
鮎川の性格ならきっと頑張って、本当にそうしちゃうんだろうなー……と思わせてくれる辺りがとってもよかったです。