【感想・ネタバレ】大長編ドラえもん4 のび太の海底鬼岩城のレビュー

あらすじ

●あらすじ●今回の舞台は海底。海底へ遊びにきたドラえもんたち仲よし五人組は、チョモランマと富士山を足した長さの海溝を下ったり、口の悪い水中バギーに乗って、海底ドライブを楽しんだりと、大満足のキャンプになるはずだったのに、とつぜん、現れた海底人によって、ドラえもんたちは一瞬にして囚われの身に!! なんと海底には高い文明を持つ海底人の国、ムー連邦があったのだ! 海底人のやさしい少年、エルからくわしい話を聞いたドラえもんたちは、ただただ驚くばかり。ムー連邦の首相は、この国の存在を陸上人からかくそうと、ドラえもんたちを一生国内に閉じこめようと考える。そして、国境を無断で越えれば死刑になると知りながらも、脱出を試みるドラえもんたち。はたして、無事国境を越え、再び陸上にもどることができるのか!? 海底人の追っ手が猛スピードでやってくる!! にげきれるのか、ドラえもん!? 大長編ドラえもん激動の第4作!!

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大好き♡

コロコロコミックに連載し始めた頃のタイトルは「のび太の海底城」だったのが改題されて「のび太の海底鬼岩城」となり、より迫力を増したこの作品。
夏休みにいつものメンバーで海底キャンプに出かけた5人がプランクトンを主原料とする食事を楽しんだり、世界一の深さを誇るマリアナ海溝を探検したり、と楽しさ一杯で、今読んでもわくわくします♡
水中バギーで2000mの高山から一気に駆け降りるシーンは圧巻です(44ページ)!!!
「ヤッホー!スリルだ!冒険だ!」という台詞も大好きです。
スリルと冒険があってこその大長編ドラえもんですものね♡

#アツい #切ない #ドキドキハラハラ

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2024年11月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

衝撃の問題作、『海底鬼岩城』(1983)。

何が衝撃かといえば、その設定である。
海底の二大文明が戦争をした挙句、
片方が核実験の失敗で滅び、自動報復装置だけが暗い海底で、
ただ破滅のときを待っている、という背筋も凍るお話。
舞台がバミューダトライアングルつまりはキューバ周辺ということは
これはもう露骨に米ソ冷戦を取り上げているのであり、
デタントの崩壊あるいは東西の軍事的不均衡が冷戦を緩慢に終結させるという楽観論に対し、それがむしろ全面核戦争の可能性をもう一度蘇らせるのではないか、という藤子某の強い危機意識を感じざるを得ないではないか。
自動報復装置で思い出されるのはS.キューブリックの映画『博士の異常な愛情』だが、ここで破滅のスイッチを押したのが将校の『狂気・狂信』つまりはヒューマンエラーであったのに対し、海底鬼岩城では驚くなかれ、機械(=バギーちゃん)が機械本来の性質に反して感情を持ったことでいわば誤算によって人類が救われるのである。
人間に不可能であるのならば機械にヒューマニズムを語らせる、
というこの痛烈な風刺はかのカート・ヴォネガットの『タイタンの幼女』にも一脈通じる驚きの一撃なのである。
もちろん、このバギーちゃんの「狂」気は、『2001年宇宙の旅』のHALと徹底的な対比をなしており、藤子某のキューブリックに対する強いライバル心というか負けん気というか、チャレンジスピリットにただひたすら息を飲むばかりなのである。
海底人エルが海底で気を失ったドラえもんたちに言い聞かせる言葉、
『僕たちは君たち人類の歴史を見てきた。血みどろの歴史をね』
てな台詞が、ひたすら、重い。

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2011年05月06日

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