【感想・ネタバレ】おとなの小論文教室。のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の才能はどこにある?の章にあった以外の文。

“「才能は自分の中になく、社会の中にある」
「才能は自分の中になく、他者の中にある」

自分の個性は、人に出会って、関わって、自分の価値を認めた相手の中にあると考えてみる。

私の本を読んで、何か活かしてくださる読者がいたとする。
この社会にそんな読者の方々がいたとする。

書くという具体的な作業を通して、才能は人や社会の中にあった。ということになる。”

そうであったら、嬉しい。
そういう仕事をしていきたい。
と、すごく思いました。

もしも自分の才能が、他者や、社会の中で育っていくのであれば、それは一番ドキドキワクワクすることだなと。

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2013年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者の山田ズーニーさんは、ベネッセコーポレーションの小論文編集長として高校生の考える力・書く力の育成にご尽力され、2000年独立し、全国各地にて表現教育のワークショップ・大学講義・企業研修・講演・執筆活動を通じ、表現力・考える力・コミュニケーション力の育成に幅広く活躍されている方です。

 もう、この本は「おとなの小論文教室。」なんてスケールの小さなものではありません。ハーバード白熱教室 サンデル教授の哲学の講義に匹敵します。

 過去の偉大な哲学者が確立した概念を研究した大学教授の講義とは異なり、山田ズーニーさんご自身が、自分自身や周囲の人たちを観察し、自分自身で必死で考え、交わった人たちに真摯に接することによって確立した哲学がここにあります。素晴らしすぎます。山田ズーニーさんの今後のご活躍を期待します。

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2013年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小論文の基礎的な文法や知識やルールというより、
テーマや問いなど
自分自身の目線や角度、姿勢などについて描いています。

文章や言葉にすることで、
自分の考えや価値観を客観的に見ることができます。

「目には見えないけど、あなたの中に、
 感情があり、想いがあり、意志がある。」

「想いは、どうしてこんなに言葉にならないんでしょう?
 どうしてこんなに、伝えたい人に伝わらないんでしょう?」

今までの自分を振り返ると
思い当たる場面が多々。
そしてそれは、
年齢を重ねる毎に増えている気がします。

学生時代は、
自分が不安だったり未熟だったり
それが何だかわからないまま、
ほんとう揺れていたけど、
すごく正直に素直だった気がします。

一年一年と年を重ねるごとに
ああ言ったらこう思われるかなとか
こう言ったら傷つけたり
微妙な空気になるかなとか考えすぎて、
自分の考えも
それこそ他者も
何もアクションを起こせなくなっていたりします。
最低限のアクションですら、
自分の都合というか保守のためだったり。
それぐらいしか出来なかった。

「自己像を歪めれば、世界観も歪む。」

「人の意見を、
 聞く・読む・理解する、というのは、
 外界との接触の第一歩のような気がします。」

気持ちや世界が閉じたままだと、
何もできない。
怖くても苦しくても、
ひらいて見ること触れること。
そこで自分の妄想と現実のズレを知ること。

問いかけとバックグラウンドと根拠と、自己表現としての答え。

読者のメールも載せられており、
参加型な一冊です。

「空っぽの頭と空っぽの心で、 観て、感じて、さわってほしい。」


「私は、あなたの声が聞きたい。」


ありふれたものに当てはめて、ムズムズして
なんか違うんだよなあとグルグルするより、
アンテナと取捨選択をもっとしていきたい。
そして私の中の語彙や表現を広げていきたいなあ。

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2012年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「Y先輩の話」が印象に残る。
 本当ににやりたいことなんて、やってみないことにはわからない。
 学生の頃はやりたい仕事を関心や適性を考えて選んだが、働いてわかったことは、やりたいであろう記号を選んでいたに過ぎないこと。そして、職業という記号は選べても、仕事は選べないこと。仕事にはやりたくない仕事や適性のない仕事もある。本当にやりたいことは、ほしい商品を選ぶものではなく、内面から浮かび上がるものなんだろう。『やりたいことっていうのは、自分の内側の、自分が求める世界観を形にしたいっていう思いでしかない』に共感する。
 どうすれば浮かび上がるのだろうと考えてみると、仕事でもなんでもひたむきに取り組むことなんだと思う。そうすると能力があがり、できることが増え、世界観が広がるとともに深くなる。「こうしてみたい」「こうすれば達成できるはず」それが本当にやりたいことなのだろう。

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2023年08月22日

Posted by ブクログ

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「勇気を出す。失敗を経験して恐れへの耐性をつくる。」、「便利で手軽には手に入らないものを、リスクをとって手に入れる習慣を養う。」、「心の火種をどうやって発見するか?消さないか?」、「要約おかん」、「外を見る、要約する、動機を創る」、「コンビニの商売敵は冷蔵庫」、「志」、「表現したいという気持ちは、生きたいという気持ちによく似ている」、「自分と違うものに、違う、ではなく優しさを、間違っているものに、批判、ではなく優しさを」、「限界突破」

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2022年06月01日

Posted by ブクログ

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著者は学生をはじめ、小論文や表現そのものに悩む人たちとたくさん触れ合ってきたようです。

その中で、表現力を身につけるためにどんな戦いをしてきたのか?
そして表現力を身につけるにはどうしたらよいのか?

コミュニケーションが苦手な若者は必見の一冊。


以下、気に入ったポイント。


「自分を表現する」というレッスンを、実は、私たちは受けていません。
想いと言葉が通じるには「考える力」がいる。

17歳のバスジャックやサカキバラ事件
殺人は表現なのか?
<爆笑問題太田氏>
意味が分かるつまらないものより、意味はわからないが面白いものを目指すようになった。伝えたいメッセージが一言で言えるような単純なことではなく、複雑感覚で、それを誰にでも解るような具体的な「見えるもの」に変える作業が芸だと思っている。
少年たちは意味もなく人を殺すことを刺激的な表現だと思っている。人間の複雑な感覚や思いは、単純な表現方法では、人に伝えることはできない。少年たちは「表現する」ということを甘く見ているために、何も伝えられずにいる。

好きな人のことは、好みから、生い立ちから、ものの考え方までよく調べるが、相手は自分の存在をしらなければ相手にされない。好きな人に「好き」と伝えるより、「自分はどんな存在か」を伝えることが先だ。表現されない自己は無いに等しい。

好きなものに忠実でいる勇気
やりたいことという心の火種を奪うもの。求心力があり自分の未来を託せるような上司、予期せぬビッグチャンス、思わぬ大金、そういったものに出くわしたとき「自分がやりたかったのは、もしかしてこれだったかも」「ちょっと違うような気がするけど、こっちの方が確かかも?」というすり替えが起きてしまう。

考えるためには「問いをみつけること」が必要。
例えば「進路を決める」
いきなり「進路をどうするか?」と大きな問いにしてしまうと考えるのがおっくうになる。具体的で小さな問いをとにかくたくさん出す。
・いまの進路は?どう考えて決めた?
・ぼーっとしてるときについ考えてしまうことは?
・なににワクワクする?それのどういうところが楽しいの?
・どんなときがイキイキしてる?なぜ?
・いまの世の中をどう思う?

小論文が伸びる人とは、
・書きたいことがある
・ものごとをありのままに観る
ありのままに観る障害になるもの
・権威(学歴、ブランド、有名)
・打算(感動しよう、いい自分になろう、エゴ)
・無知
・自分の中の引き受けられない欠点
・先入観(尊敬する人からのインプット、イヤなことがあった人を拒絶したり)
・恩、義理、利害
・自意識(人よりも秀でていたい、よく思われたい)
・恋するような、何かにかぶれること

「要約」は、長い文章を一言で表すこと。
表にあらわれる言葉は氷山の一角のようなもので、水面下にはその人の思想・価値観が横たわっている。いい要約かどうかのチェックポイントは「筆者という一人の人間に出逢っているか?」「もとの文章を読んでない人にも伝わるか?」

才能は自分の中になく、社会(他者)の中にある。
能力は一人で自分の中を探してもない。具体的な作業を通じて人や社会の中にあらわれる。では、やりたいことはどこにあるのか?

やりたいことは、自分の中の、自分の求める世界観を形にしたいという思い。
医者になろうが、編集者になろうが、それは与えられた記号でしかなく、その中で自分の世界観を形にできなければやりたいことができたと満足はしない。
やりたかった職業についても、自分の中の世界観と現実の仕事が違うとき、「なってみたけどなにか違う」となる。自分の中の理想は小さなもので、他者・社会の求めるものの方が圧倒的に大きい。他者と向き合い、自分が思い描く世界と外側に繋がっている世界をつないでいくことにしか生きている意味はない。

「動機はひとつだけ、それも不純でないもの」は間違い。清濁合わせていくつもの動機があった方が良い。
子どもが勉強に向かう6つの動機
・学習自体が楽しい
・他者につられて
・知力を鍛えるため(訓練志向)
・プライドや競争心から
・仕事や生活に活かす
・報酬を得る手段として

やりたいことをどう見つけるか?
自分はこうやりたい!自分は認められたい!自分の思う通りにやりたい!!自分が!自分が!!ではうまくいかない。
人との関わりを放棄し、思いやることもできずに、自分のしたいことなんて、たとえあったとしても、それがなんなんでしょう。人に対して、他者に対して、自分をひらくことが必要。

表現力を身に付けることは「自由を勝ち取るための戦い」
自分の思いを表現できない、相手の顔が見られない、声が小さく届かない、言葉に実感が伴わない。そんな状態の若者は就職活動に苦労するだけでなく、就職活動そのものをやめてしまう。内面には良いものを持っているし、ひたむきで努力家でもある学生が自己表現において不自由している。アウトプットの場数が少ないためだ。いつまでもスケートのビデオを見て滑りかたを勉強していてもダメだ。

いま、若者の表現力が危機的状況にある。
アナウンサーのように上手に話せと言うわけではない。初対面の大人と会話ができる、順番が来たときに逃げ出さず自分の思うことを話すことができる。そういった当たり前の表現力がない人が多い。
できる人もいる。部活のキャプテンとして仲間に自分の思いや考えを伝えようとしてきた人や、店番をさせられていた人や、大人の出入りが多く嫌でも会話の多かった人などは表現への抵抗を減らす機会があったため表現力がある。
作家やミュージシャンなど表現する仕事に就きたいという人も多いが、その表現と、いま隣にいるおばさんと話してみる「表現」や人前でちょっと自分の思ったことを話してみる「表現」とは違うのだろうか?

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2013年02月01日

Posted by ブクログ

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「自分を表現すること」への著者の想いと、表現するための考え方まとめ方を紹介しています。「自分の想いをきちんと言葉にして人に伝えられるようになることは自由になることだ」と信じて、コラム読者からのメールや著者の経験を深く熱く掘り下げていきます。温度を感じる本でした。こういう本も良いと思います。「考えるとは、いい疑問文を発見すること」というのに納得し、「表現力の差は、センスや文才や理系文系等の違いではなく、アウトプットの場数の違い」というのには希望が持てました。

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2012年05月19日

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