【感想・ネタバレ】ザ・セカンド・マシン・エイジのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

蒸気機関が馬の仕事を奪ったように、コンピュータが人間の仕事を奪うのか?
最近特に興味を持っているテーマなので読んでみました。
同じく興味を持っている人にはおすすめの本です。

本書では、肉体労働が機械に置き換わった産業革命を「ファーストマシンエイジ」、知的労働がコンピュータに置き換わる近い将来を「セカンドマシンエイジ」として、セカンドマシンエイジではどんな世界(経済など)になっているかについて言及しています。

・生活の豊かさは現在のGDPや生産性統計では計れなくなる
・定型的な仕事は肉体労働、知的労働によらず激減
・否定型的な知的労働(アナリストなど)、肉体労働(美容院など)は増加
・勝者総取り市場の増加
・標準分布(一億総中流)からべき分布へ

<個人への提言>
・人間の比較優位性を探せ(発想、認知、コミュニケーション能力)
・教育の見直し。読み書き数学から発想力、パターン認識能力、高度な

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2015年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「機械との競争」とほぼ同じ内容ではあるが大幅に加筆されており読みやすい。読むべき価値のある本だし、今選ぶならこちらだろう。

・産業革命は機械の力を生産に利用するためのファーストマシンエイジの幕開けであった。今、時代はセカントマシンエイジの入り口にある。
セカンドマシンエイジには指数関数的な高性能化、デジタル化、組み合わせ型イノベーションという特徴がある。
指数関数的な高性能化はムーアの法則に代表されるが、CPUのみならず記憶装置やネットワークなど全てがそう。これまでこのような増加を続けた分野はない(飛行機の速度や小麦の収穫量などが18ヶ月ごとに倍になることはなかった)。イノベーションは全く新しいことを発明するのでなく、既存のものの新しい組み合わせであるが、デジタル化はこれを容易にする。

・今後は物的資本を蓄積してきたもの(資本家)、人的資本を蓄積してきたもの(高スキルの労働者)、スーパースター(特別な才能に恵まれたもの)に勝ちがかたよる

・定型的な仕事は機械にとってかわられるだろう。非定型な仕事は肉体労働も非肉体労働も今後とも需要は堅調だろう。ただし、非定型な仕事であったも介護職や庭師など肉体労働の分野には機械に職を奪われた層が移動してくる。そのため、人間同士の争いが熾烈になる。

・これまでの市場では輸送コストや供給面の制約から、最高の商品といえども市場の一部しか満足させられなかったが、デジタル化により複製が容易になったため、セカンドベストはお呼びでなくなった。価格も大幅に下るため「ちょっと質は落ちるが安い」という手も使えなくなる。ベストの者が限りなくゼロに近い限界費用を活かし、勝者総取りになるの傾向が強まった。ネットワーク化もこれに拍車をかけている。フェイスブックを使っている人が多ければ、新しくSNSを始める人もフェイスブックを選ぶ。

・世の中の所得分布はこれまでのように正規分布から外れてきて、べき分布になっている。とりわけ高所得層の世界はべき分布によく当てはまる。正規分布の時代には少しでも能力差があれば、少しでも給与の違いとして反映されたが、べき分布の時代には教育だけで違いを生み出すことはできない。

機械が高度に発展した時代には、必ずしも人間が仕事をする必要はないのかもしれない。と、いうことでベーシック・インカムについても検討されているが、これはヴォルテールのことばにある「労働は、人間を人生の三悪、すなわち退屈、悪徳、困窮から救ってくれる」という中の困窮には効果があるが、他には効き目がない。おそれくこれは人間を怠惰にし、治安を悪くさせるだろう、ということで負の所得税が勧められている。

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2015年09月13日

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