【感想・ネタバレ】丸山蘭水楼の遊女たちのレビュー

あらすじ

一八六三年。数年後に控えた明治維新という一大転換を予感するかのように、時代はその歩みを早めていた。長崎は丸山の遊廓界隈を舞台に、時代の波に翻弄されながらも、ひたむきに生きようとする男女数名の愛憎、苦悩、希望が同時進行の形で描出されてゆく。綿密な考証に裏付けられ、土地の言葉を自在に操って、抒情性と力感溢れる文体で生き生きと語られる、著者初めての歴史小説。

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Posted by ブクログ

時代は幕末、処は長崎の遊郭。明日のことは誰もわからぬ転換期を描くこの「歴史小説(著者談)」には、歴史上の人物は登場しない。賤民出身の遊郭一番の遊女と、同じく賤民の若者の恋の行方を中心に、何組かの男女の愛憎が描かれている。ある物語とある物語は密接に関連しながら、一方で関係なく進む奉行所による禁教衆徒弾圧、佐幕派弾圧。これらモザイクはさながら長崎の街全体が生命か、と思わせる高熱を発する。ページの尽きることを惜しみながら、全編に登場する長崎ことばの余韻を味わいつつ読書終了。

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2014年02月09日

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