【感想・ネタバレ】星屑シトロンのレビュー

あらすじ

会長には美形を――清泉学院生徒会の独特な任命法。女子を行事に呼ぶための、男子校ならではの手段だが、弾正には関係のないことだった。だが、有名人でフェロモン番長と名高い男・堂本が、生徒会に入る条件として「弾正を会長に」と言ったことから事態は急変。憤り堂本に詰め寄る弾正だが、逆に彼から告白されてしまう。答えは保留のまま、会長になり共に仕事をするうちに、見た目に反して純粋で懐いてくる堂本が、なくてはならない存在になっていることに気づいて……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

今回も小椋ムクさんの挿絵です。

それぞれカバーが秀逸なのですが、3作並べるとそれぞれのカップルの距離感がうまく表現されていると思いました。

「空色スピカ」「流星シロップ」に続く、私立英明大学付属清泉学院シリーズ?3作目。

伝説の弾正忍・生徒会長と堂本櫂・副会長。
何故、伝説なのかといいますと・・・

「空色スピカ」のふたりにとっては、交わらない学年。
楠ノ瀬くん・中等部1年-弾正、堂本・高等部1年の関係。
高科くんは、高等部から入学した外部生なので弾正・堂本とは会ったことがありません。

「流星シロップ」のふたりにとっては、中等部でも高等部でも1年生の時の3年生。
面識はあるけれど・・・1年生からみた3年生って、とても大人に見える。

下級生たちにとっては、噂先行(笑)雲の上の存在のような先輩、弾正・堂本。

はたして、そんな彼らの生徒会活動とは、いったいどういうものだったのでしょうか?

BLだけど生徒会活動に注目してしまう私立英明大学付属清泉学院シリーズ(大笑)

特にこの3作目は、一度、横道に逸れた清泉学院の生徒会活動を再び軌道に乗せた彼らの奮闘ぶりを応援したくなるそんな1冊に仕上がっています。

さて本編ですが、例によって現生徒会長から次期生徒会長への「指名」から物語は始まります。始まるんですが・・・。

通称「織田軍団」←演劇部だそうです。
軍団を率いる清泉のトップスター、会長・織田雅也。副会長は久賀静香(男子です。演劇では女性の役を得意といているそうです)。
そして、その、取り巻き連中多数・・・この方達がどうも普通じゃない。
他者を寄せ付けない圧倒的なオーラを放ち、他者もこの方達には近づきたくない・・・ということで、この織田くんの代の生徒会は、独裁というか、自分たちさえよければ他はどうでもいい。
生徒会を私物化していたようなのです。
読み終えた今思うと、これって「清泉の黒歴史?」

他の生徒、学院のその後のことなど何も考えていないような織田くんも一応、後任を選ぶ仕事はしたようです。
織田くんが後任に指名したのは「堂本櫂」何故か「フェロモン番長」と呼ばれるほど無駄に牡っぽいフェロモンを垂れ流している長身で容姿にも恵まれている、清泉学院には珍しいタイプの生徒です。
そして、その堂本くんが副会長を引き受ける代わりに会長に指名したのが「弾正忍」です。

弾正くんにとっては、青天の霹靂というか降って沸いた災難
そして、弾正くんにとって災難はそれだけではありませんでした。
堂本くん、ゲイだったのですね~弾正くんに惚れていました。
「尻に一目惚れ(ちょっと違うんですが・・・)」と面と向かって告白されてしまうわけです。

姉ふたり、妹ひとり、に挟まれた弾正くんは、若干女子嫌い。
硬派で賢いという感じですが、意外と世間知らずの天然キャラ?
何事にもまじめで一所懸命、でも、なんだかんだと堂本くんにつけいる隙を与えすぎです(笑)

小椋さんの挿絵が可愛いのと、堂本くんが弾正くんを落とすために可愛い「わんこ」のふりをしていたせいか、かわいさんが一所懸命文章で堂本→肉食系・牡っぽい・野性的を全面に打ち出していましたが、それが若干伝わりづらかったのが残念。

ふたりの関係は、ちゃ~んとお初まで書かれていますが、私、これは、なくても良かったな~と思いました。
(BLだからなくちゃダメなのかな?)

あと、他の2作に比べて入浴シーンが少ないような気がしました。せっかくの温泉なのに・・・(笑)

そして、中学生の楠ノ瀬くん、峰くん、衛守くんもちょこっと出演。可愛かったのね。あの子たち

私的には、ふたりのラブラブより、行事のたびに一所懸命な彼らがとても良かった。
自分は、次とのつなぎだと言いながらまじめに頑張る弾正くん、それを支える堂本くん、生徒会役員が良かったです。
弾正くんからつながる、柏木→峰→楠ノ瀬の流れをもたらしたのは、やはり「伝説の弾正」だったのだな~と思いました

本編「星屑シトロン」の他に・・・

「雨降りヒアデス」 堂本視点。

「純情バニラ」 楠ノ瀬・高科・峰・衛守(峰くんたちの・・・付き)


さて、このシリーズ、先の2作は、1年ごとにさかのぼってきましたが、ここで1年飛ばしました。
間に入っている、爆裂ターボ男、柏木・葵。あのふたりは、どんなだったのかな~?


でも、次は、なんと・・・堂本櫂のお兄さんの話になるようです。
といいつつ、もう2年ほどあくことになるのかな~いつ出るんだろう?

堂本湊。
湊も清泉の生徒でした(さすがに中高一貫教育の学院なので兄弟多いですね。書きませんでしたが須賀崎兄(星屑シトロン)弟(流星シロップ)はふたりとも生徒会の役員で活躍していました)。
湊は、櫂よりもいい男だそうです。
気になりますが・・・湊の話は、学院の外の話になるみたいですね。

櫂が湊の部屋で見つけた天文部のファイル「雨降りヒアデス」がキーワード?

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2012年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『空色スピカ』シリーズ三作目。やっぱりこのシリーズすごく好きだな~と思う。
八ヶ岳山麓の半寮生名門男子校で繰り広げられる、楽しい高校生ライフ。
読んだ後に高原の風みたいな、さわやかな清涼感が残る。そしてちょっと甘酸っぱい。

ただし、今回は物語のおもしろみという点で、個人的に三作中一番低めかも。
なたかのレビューで、攻のキャラが定まっていないと読んだのですが、全く同感です。
攻の堂本(副会長)は、見た目はワイルドなフェロモン番長だけど、中身はちょっと頭の悪そうなヘタレワンコ・・・と見せかけて実は獰猛な肉食獣です。なんかややこしいぞ!!
しょっちゅう無駄にフェロモンを垂れ流している、いかにも牡くさーい男という設定なのですが、話し口調も結構おっとりとしてソフト、小椋ムク さんのイラストもやさしい感じで、ちっともフェロモン全開ワイルド男な感じがしなかった。
今回、攻の良さが文章から伝わりづらかった気がします。結構いい男だと思うんだけど、そこが残念。
攻はこういう人間だ!と印象付けるようなエピソードも思い当たらない。
一方、受の弾正(生徒会長)は今までで一番普通の男の子だった気がする。
生真面目で責任感が強く、性格は小役人風というか、何でも真面目にやって割を食うタイプ。
見た目も上の下ぐらい。整ってはいるけど、パッと人目を引くタイプでもない。
よもや男の子からの恋愛対象になるようなタイプでは決してないのです。
物語最初から堂本は弾正ラブなのですが、そのへんのきっかけもわかりづらかった。
この弾正、しっかり者そうなのに結構ぼーっとしていて、実は隙だらけ。
ヘタレワンコだと安心しきっているうちに、あっという間にほだされて、まんまと食われます。
ストーリー全体的にハラハラもしないが、あまりドキドキもしないという感じ。
ふたりが心の距離を縮めていくエピソードがもっともっと読みたかったな。

前2作の登場人物もしばしば登場するので、このシリーズ好きな方にはたまらないのではないでしょうか。
描き下ろしには峰と衛守のラブラブっぷりも。ホントこのカプ好きだわ~。
峰の予想外のかわいさに毎回やられてしまうww

次作は堂本兄のお話らしい。
柏木と葵の話を読むまでは、読みづつけます。

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2012年07月23日

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