【感想・ネタバレ】哲学入門のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年08月15日

ちくまセールでタイトル買いしたけど、よくみてみたら著者は同じ研究室棟にいる教授だった。

情報系の人が哲学やるんだ、と最初はびっくりしたけど読んでみたらすごいしっくり。元々哲学とかめっちゃ概念的で全くよくわからないというイメージだったけど、この本は噛み砕いて噛み砕いて超理論的に説明してくれるので(時...続きを読む々入るユーモアもあいまって) 読みやすかった。

ただ章と章のつながりが自分的にはそんなにスムーズにいかないので、スライドとかと一緒に授業で説明してほしい…授業受けてみればよかったな

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Posted by ブクログ 2018年10月10日

「入門」とあるので、古今東西の哲学を紹介する本かと思ったら、いきなり今を生きる自分たちが抱える問題に関わる議論が展開されていた。序章からテンションがあがる上がる。
そして文体は、なぜか懐かしの「昭和軽薄体」を彷彿とさせる。軽いノリでガッツリ哲学的議論を展開できてしまうのがすごい。
最後までちゃんとつ...続きを読むいていけた(気がする)し、ワクワクしたし、共鳴する部分があり、脳味噌の栄養になった手応えがある。

✕ 「哲学は私の役に立つか」?
○ 「私は哲学が役立つような種類の人間か?」

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Posted by ブクログ 2018年06月13日

最後まで読み終えて、感無量だ。

まず哲学観が変わった。西欧とか東洋とかそういう伝統を踏まえた議論ではなくて、神が死に、ニーチェも死んだ現代のための哲学だ。「にもかかわらず」「だからこそ」考える営みだ。

次に、力強い解放感を感じた。究極の目的なんてないんだと著者は説得力を持って結論する。破壊力満点...続きを読むだ。なにに今までとらわれてきたのだろう。専門的な問題意識だけではなく、ごくごく普通の人間が囚われている問題意識=悩みの虚構性を見破っている。

最後に、進化論を始めとする科学的妥当性が無視できない時代に、著者の言う概念工学としての哲学的思考スタイルは底知れぬ意義を持つだろう。

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Posted by ブクログ 2018年05月22日

本作は科学的な唯物論を前提としつつ「意味」や「道徳」などこれまで哲学専門とされてきた「存在しなさそうでしてるもの」の問題について哲学的観点から考察する骨太な哲学入門書だ。
当たり前だけど哲学は死ぬほど難しい。実証的ではない故に答えがひとつに定まらないからだ。完璧に理解とか正直ムリゲー。
ただ、「哲学...続きを読むは問い方が大事」という著者の基本姿勢は普段の問題解決においても非常に重要であるように思う。つまり事象を様々な観点から分解し、極限まで具体化して問う。そして出た答えもこれまた極限まで抽象化、一般化する。このような思想家の高度な思考プロセスが疑似体験できるため学びはたくさんある。論理的思考力を鍛えたい方には非常におすすめの本。

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Posted by ブクログ 2015年01月31日

哲学書というと堅くて、他の哲学者の理論を延々と説明する事が多いイメージがありますが、この本は通して口語で時に冗談めいた例えがあり、すっと理解できることが多かったです。無味乾燥で抽象的な言葉から、意味や自由、責任、道徳などが語られていてカッケーと思いました。

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Posted by ブクログ 2014年06月20日

「意味」「機能」「目的」「道徳」…凡そ物理的世界から切り離され、「いわゆる哲学」の領分とみなされがちなこれらの抽象概念を、人間という特定の観察者の視点を排し、物理的・科学的に記述しようとする試み。各章の構成は「問題提起→次の章で検討→新たな問題出現」、とシンプルな直線構造で読み進めやすいが、何せ各章...続きを読むの内容がそれだけで独立した新書が一冊書けるんじゃないかと思えるほどに濃密で、安易な読み飛ばしを阻んでいる。議論が展開されるフィールドも記号論・情報論・進化論・認知論とまさに多岐にわたり、思わず見当識を失いそうになるが、程よい間隔で総括が挟み込まれ、読み進めるうちに自分のロケーションをすぐに取り戻せるよう配慮されている。読み易いのは筆者の軽妙な語り口の所為だけでは決してない。

基本の道筋としては第2章に典型的にみられるように、それぞれの概念の成立条件を検討(概念分析)するのではなく、「より利用度の高い知識を入手するには既存の概念の枠組みをどう改訂すればよいか(理論的定義)」を主眼として議論が進んでゆく。このところは素人目にご都合主義と思えなくもないが、新たな枠組みの元でその概念が唯物的世界にキレイにはめ込まれた時の美しさと爽快感には抗し難いものを感じた。

そして長い推論の果てに終章で投げつけられる「すべての人生に価値があるわけではない」「人生に意味などなくともよい」などの刺激的な言葉の数々。表面上否定的な色彩をまとうこれらのシニカルな言説も、この本を読み終えた後ならすんなりと、しかも驚くほどポジティブかつ挑発的な響きを伴いながら胸に浸み込んでくるはずだ。

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Posted by ブクログ 2024年02月10日

いい意味でのタイトル詐欺。
普通の人が入門として想像するような哲学の本ではなかった。どちらかと言うと、一般的な哲学をアップデートして、より現代的な哲学をやっている。

現代は科学(特に脳科学/認知科学、あるいは生物科学や量子力学)が進歩したことで、精神的/観念的な従来の哲学の価値を侵食してきている。...続きを読むそれに対して、それら科学の知見に哲学が接近/融合して、新しい価値を生み出そうという試みが本書の内容なのだろう。

正直、この種の議論に触れるのは初めてだったので、全てを理解できたわけではないが、議論の内容は興味深いものが多かった。いつかもう一度読み返したいなあ、と思わせる内容だった。

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Posted by ブクログ 2021年09月05日

哲学入門と言っても有名な哲学者(プラトンやデカルトやハイデガーとか)は出てこない。中心的に扱われるのはミリカンなどの現代哲学者である。物理と精神を分ける二元論は現代においては成り立たず、科学が精神世界へ侵入してきている。二元論ではなく唯物論の立場に立って、そこで哲学に何ができるのかを解説しているのが...続きを読む本書だ。内容は簡単ではないが新たな物の見方を与えてくれることは間違いない。少し砕けた語り口も読みやすい。あとがきが素晴らしいので、ぜひとも頑張ってそこまで読み切ってほしい。

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Posted by ブクログ 2017年01月30日

最近流行りの「認知科学の哲学」入門といえる。新書のわりには分厚いが、内容が盛りだくさんすぎて記述が荒いところもある。同じ著者による『知識の哲学』と併せて読むと互いの足りないところが補完されていい気がする。

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Posted by ブクログ 2015年02月28日

すごい。労作。著者の意気込みがガシガシ伝わってくる内容。
「哲学入門」と聞いて普通にイメージする哲学史の振り返りではなく、著者自身の問題意識を一歩一歩、深く深く掘り下げたもの。
だいたい10頁に1か所くらいは「なるほど!そういう考えがあるか!」とゆかいな知的興奮に包まれる。

惜しむらくは、文章が多...続きを読むすぎたせいか、加えて、僕の頭の限界のせいか、全体像が完全に把握できたとは言えないこと。部分的にはかなり面白い議論があることは理解できたんだけど。

いつかまた、再読してみたいな。
そのときは全部理解して、星が一つ増えるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2023年12月01日

入門らしく、くだけた語りくちで進むが、論じている内容は割と難しく、ついて行けない部分がちらちら出てきて、結構読むのは大変です。

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Posted by ブクログ 2022年02月23日

とても難しかった。所々わかったような気がするようなしないような。。。何度か読み返していつか理解できるようになればいいな。ただ最後のメッセージにはとても納得した。

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Posted by ブクログ 2019年09月05日

前半難しくて読み飛ばしたけど、最後にかけてゆるゆるまとまってて心に残った!
人生に意味なんてなくて、宇宙の歴史と広大さに比べたら人間の人生なんてちっぽけだから
あんまり気負わず好きなことして生きたらいいんだよ〜という前向きなメッセージで終わりました◎

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Posted by ブクログ 2019年04月05日

難しかったので、ふわっとしか理解できなかったけれど、哲学するとはこういうことかとその一端を教わった気がする。引っかかった箇所はマーカーを引いたので、少し時間をあけて再読したい。文体としては、わかりやすさを意識してか口語で書かれているのが、私としては逆にわかりづらく感じてしまった。冗長率が高すぎるとい...続きを読むうか…。

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Posted by ブクログ 2018年11月04日

・そもそも人生の無意味さは解決を要する問題か ― 人生の無意味さこそがわれわれに関することがらのうちで最も人間的なものの一つ ― ときには一歩ひいて眺め「俺また実にくだらないことをやってるな」
・哲学とは概念を想像すること
・重要な問いは「哲学が私の役に立つか」ではない。「私は哲学が役に立つような種...続きを読む類の人間か」だ
・あなたには哲学を役立てるだけの知恵と力と勇気があるのか?

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Posted by ブクログ 2016年06月05日

須原屋書店の「浦和高校課題図書」コーナーにあったので購入。このコーナー、いいんだよね。何冊か買ってるけど、本格的でしかも読みやすい。その中では、こいつはなかなかハードだったかな笑。

さてさて、本の中身だけど、第六章の「自由」に焦点を当てたい。みんな自分は、多かれ少なかれ、自由意志にもとづいて行動し...続きを読むていると思っているはずだ。スーパーで「今日の晩ご飯はサンマにしようかサバにしようか」迷ったあげく、結局サバを選択した時、ボクには選ぶ「自由」があったというわけ。なるほど、「自由」の存在に、疑いはなさそうだ。

でも、ちょと待ってほしい。人間は所詮、原子の集合体でできているわけで、物理法則に従っているはず(量子力学の話はめんどうなので扱いません、本文を読んでね)。ということは、ボクがサバを選んだのは、ただ物理法則に従っただけ、とも捉えられるわけ。そうしたら、「自由意志」なんてないじゃない。物事は、決定論的に決まって行く。

「世の中に偶然はない あるのは必然だけ」これは、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』の侑子さんのセリフですが、読んでた当時、子どもながらに違和感がありました(でも、この漫画はすげー好き)。そのくせツバサでは「選択」とか「意志」を大事にするんです。起こることが必然なら選択は必要じゃないんじゃ?全てが必然なら選択するのも必然だし、それじゃあその選択に自由意志が介在する余地があるのか…なんてね。

本書では、決定論と自由は(自由の定義次第では)両立しうる、と論を展開する。①理由によって行為する、②行為に先立って行為を検討することができる、③経験に基づいて自分を再プログラムできる、という自由を「自由」とすれば、決定論的な物理システムにおいても持ちうる。この「自由」は、我々が望ましいと受け入れることのできる自由だろう。と。

ふむふむ。決定論と自由。なかなか難しいもんだいだけれども、昔から気になっていた侑子さんのセリフは、もう少し真面目に考えてみる価値がありそうです。(結局どっちのレビューかわからなくなってしまった。すみませんorz)

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Posted by ブクログ 2015年03月02日

戸田山流哲学入門。唯物論から哲学の役割を求めるとこういうことになるのかなぁ。。。正直,問いに共感できないのでよく分かりませんでした。

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Posted by ブクログ 2014年09月03日

哲学の基本を押さえたいと思い購入しました。

「哲学入門」というタイトルを目にすると、有名な哲学者の主要な考え方を説明してくれると期待してしまいますが、全然違います。

逆に少しマイナーな人の論が多く紹介されている。

まあ、それはそれでおもしろいのですが、正直説明がちょっとわかりづらいかな。

...続きを読む学の先生の講義を延々のんびり聞いてるような気分になる本です。
つまり、あんまり情報がまとまってないというか、気分でどんどん話を進めている印象を受けます。
で、さすがにわかりづらいので、指摘を受けた部分に補足説明を加えた、そんなつぎはぎを感じさせます。

扱っているテーマ自体は興味深いのですが、最初から抽象的に攻めすぎというか、もうちょっと興味を引き出す実例の出し方がありそうかなと思います。

入門というだけあって、説明自体はとても丁寧だと思うので、量を気にせずちゃんと読めば、それなりに理解はできます。

ただ正直、根気が必要ではある。

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