あらすじ
選挙の正統性が保たれないとき、統治の根幹が揺らぎはじめる。選挙制度の欠陥と綻びが露呈する現在の日本。多数決は本当に国民の意思を適切に反映しているのか? 本書では社会的選択理論の視点から、人びとの意思をよりよく集約できる選び方について考える。多数決に代わるルールは、果たしてあるのだろうか。
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Posted by ブクログ
多数決制度だけでは民意を拾い上げたことにならない、多数決には欠陥がある。というのが大体の主な主張です。それに代わる意見集約の仕組みとして、ボルダルールとか、コンドルセルールなど、様々なやり方が提案されていました。
そして、そもそも多数派の意見になぜ従わなくてはならないか、というところはルソーの一般意志の話が出てきました。簡単に言うと一般意志に基づいて社会は運営されるべき、多くの人が支持する意見が一般意志とみなされるという論理から、多数決が正当化されています。この本でも主張されていましたが、多くの人とは誰か?が重要な気がしました。選挙で当選したから、自分たちの意見が民意なんだというのは乱暴で、一般意志にそっていくよう不断に確認する振る舞いが求められます。この辺りのルソーの話はもう少し勉強しないとな、と思いました。