あらすじ
【宮城谷昌光作家生活25周年記念作品】天下人の器とは――一人の男の信念に、綺羅星のごとき才が集結す。中華全土を巻き込んだ、最強のライバル対決が始まる!中国史を代表する名君・劉邦の活躍を、歴史小説の大家が鮮やかな筆致で描き出 す傑作長編。秦末の混乱期における劉邦と仲間たちの挙兵から、天下を分ける項 羽との決戦まで、圧巻のスケールで展開!酒好きで女好き、一介の地方役人に過ぎなかった劉邦が、なぜ中華全土を統一する王となるに至ったのか。稀代の英雄譚の序章!宮城谷昌光「劉邦がこれほどおもしろい男とはおもわなかった」
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
中国漢の高祖の物語の上巻。
司馬遼太郎の名作「項羽と劉邦」のキャラが焼き付いているのと、著者の別作品での扱いが悪かったので、本作の劉邦ができすぎた人で驚きました。
確かに、主人公はいつも立派に描かれていたり、別作品で脇役になると悪い面をクローズアップされたりする多面性も著者の人物像の描き方ですね。
さらに、本作の呂夫人も賢く行動力のある人で、既成の人物像をいい意味で裏切ってくれています。
また、これまでの著者の作品と異なり、主人公の親や祖父や師匠のように導く人がいないというのも特徴です。
本巻では決起するところまでで、劉邦がだんだん大人物になっていく途上が描かれていました。
次巻以降で登場する項羽がどのように描かれるかも期待したいです。