【感想・ネタバレ】赤猫異聞のレビュー

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ネタバレ

浅田節炸裂の一冊。時代の終わりと始まりの狭間における不条理の中「生きる」と言うことを鮮やかに描いた作品。骨太且つ読みやすい、ストーリー以外にも毎度ながら緻密に描かれた下級武士や町人の暮らしぶりや苦悩には舌を巻く。

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2017年02月02日

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ネタバレ

久しぶりに読み直しました。
昔読んだ時より、お仙の「こんな命の瀬戸際に〜やさしく労ってくれる男達を見せてくれた」がなんか沁みた
今まで別嬪が度を過ぎたばかりに被ってきた仕打ちやそんな中どんな気持ちで生き抜いてきたのかを、少し世の中が見えた今だからこそ想像してしまったからかも(十人並みの自分では、美人がゆえに辛い目に遭わされることもあるなんて若い頃は気づけなかったので)
中尾、お仙、繁松、七之丞と来てページ数的にも最後の語り手だな、和尚さんでこの歳ならあの人か、無事で良かった と思いつつ読み進めての杉浦かー!!
そして杉浦の口から語られる丸山…正直、個人的に浅田次郎作品でよくある度の過ぎた献身的なのがちょっと苦手ではあるけど、まぁそうなったか…という感じでした
丸山の思いの分三人には幸せになってほしいという気持ちと、いや丸山も普通に生きてて欲しかったわという気持ち 杉浦にとんでもないものを背負わせていったな丸山

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2023年03月12日

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ネタバレ

「生きていてよかった」
江戸と明治の狭間で理不尽な罪を抱えた三人の罪人。
暮れも迫ったある日、解き放ちとなった。
この三人に生きる希望を、輝かしい未来を与えたのは神でも仏でも新政府でもなく、武士と言っても不浄な存在として先祖代々牢役人を務めた一人の武士だった。
罪人とはいえ、生身の人間を斬ってきた自分自身、先祖の罪を一身んに背負い、自分の命と引き換えに三人の罪人に生を与えたのだと思う。

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2015年08月09日

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浅田節全開。
長編が多い浅田さんですが、ほどほどの厚みの一冊できれいにまとまっていて完成度が高いなと思いました。

明治元年、火の手の迫る牢屋敷から解き放ちとなった罪人たち。
中でも重罪人とされている三人は、全員戻れば無罪放免、一人でも戻らなければ戻った者も死罪、一人も戻らなければ役人が代わりに腹を切る。

関係者への取材という形は浅田作品ではお馴染みの手法で、スッと物語に入れます。
ちょっと地味だけど、ラストはエンタメとしての驚きも用意されている。
二時間の映画にちょうど良さそう。

「法は民の父母なり」

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2015年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 おお、これはアタリでした……! ストーリー云々の前に、牢屋敷のシステムや解き放ちのことなど、大層詳しく解説されていて、まずそこに感心するやら感動するやら。
 登場人物各々の視点で語られる解き放ちの顛末が、ゆったりとしていながら深みがあって良かったです。
 序盤ではさほど重要視されていない丸山小兵衛が、語りが進むにつれて存在感を増していくので、最後の語り手が彼なのだろうと見当をつけていましたが……ううむ、こう来たか。
 誰もの生き様も、それぞれに見事です。

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2015年04月04日

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