あらすじ
「平家物語」が書かれた鎌倉時代、義経は賊徒だったためにその真実の姿が語られることはなかった。これまで歴史の表舞台から隠蔽されていた一の谷合戦での義経の戦略を、文献の裏づけのある資料に添って綴った一冊。
※本作品は、紙書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっております。あらかじめご了承ください。
【目次】
一、述懐
二、義経院参
三、斧柄の妾
四、義経の陰謀
五、義仲の首渡し
六、丹波の土豪長沢
七、源氏勢揃い
八、平家追討の院宣下る
九、三草山の合戦
十、丹波路を三木に向かう搦手の軍勢
十一、山の手の守備陣
十二、守覚法親王の慨嘆
十三、老馬の助け
十四、合戦前夜、印南野の篝火
十五、鵯越、一の谷の藻塩火
十六、作戦会議
十七、熊谷次郎直実の抜駆け
十八、騎兵軍団誕生
十九、熊谷・平山一二の駆け
二十、梶原二度の駆け
二十一、古道越(山方)の出来事
二十二、山の手の後ろ鉢伏蟻の戸
二十三、危険な逆落し
二十四、義経の陥穽と落足
二十五、首実検
二十六、守覚法親王の述懐、後日譚
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Posted by ブクログ
大河ドラマのタッキーの義経役とは違う義経の実像を知りたい方にお勧めします。義経は突然に平家の護る一ノ谷に襲いかかった訳ではありません。搦手の軍を率いて丹波路を進み、前哨戦の三草合戦で平家を夜襲で破ります。大手の源範頼が東の木戸から、搦手の義経は西の木戸から攻めますが、北の山の手から攻めることも、事前に京都の院の御所にて漏らすことで、平家方の貴族から義経の攻撃目標が平家に伝わることを期待します…。山の手にも平家の大軍を配置させることで、名高い鵯越の奇襲が成功します。加えて、義経は日本史上初の騎馬の集団戦法を行い、平家を敗走させます。軍略、戦術ともに優れた義経は無敵でした。