あらすじ
あがり症、対人恐怖、赤面症、極度の引っ込み思案……など、人付き合いの面で強い恐怖心や不安を抱き、それが当人の社会生活に支障を及ぼしている状態のことを「社交不安障害」と呼びます。本書では、まずこの障害の理解や治療法をやさしく解説し、そして対人関係療法の視点から、この障害とどう向き合い、人間的に成長していくかの指針を示します。
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Posted by ブクログ
目標は不安を感じなくなることではなく、コントロールを取り戻すこと。
センサーを調整する。
多少の不安を感じながらも対人関係を改善させれば、自信がついて、不安も軽くなるという方向に考える。
人からのネガティブな評価を恐れる。
いかにしてネガティブな評価を避けるかというテーマを中心に回っている
不合理だと頭ではわかっているのだけれども気持ちと身体がコントロールできない。
「社会不安障害を病気として認め、病気と人格を混同することをやめましょう。」
身体症状そのものは、危機に瀕したときの自律神経の反応という風に考える。
変化は、徐々に、そして地道な努力のなかでおこる
不適切な気持ちなどない。社会不安障害という病気にかかっているという条件を考慮すれば適切な感情なのです。
自分が逆の立場だったらどうだろうという視点を持つことは自分の気持ちを肯定していくためのよいトレーニングになる。
p99 役割不安という問題領域
Posted by ブクログ
■安心感の持てる治療者とは
対人関係療法を自分自身でも試してみたいと思われている方は
できるだけ安心感の持てる治療者(この人だったら何を話しても大丈夫だと思える治療者)を
見つけてください。
対人関係療法を専門とする人ではなくてもかまいません。
人間として信頼できる、安心できる、と思える治療者は見つかると思います。
ポイントは
①「何を考えているのかわからない」タイプではなく、
自分の味方になってくれていることがよく分かる人
②社交不安障害を病気として扱ってくれて
その病気の症状による自分の苦しみを分かってくれる人
③批判的ではなく温かい人
です。
■自分を守るために採用してきた方法を肯定する
役割不安とは
本来は能力がある領域なのに
リラックスできないと言うような特徴を意味します。
身近に批判的な人がいたりした影響で
長年の間に身に付いてしまった「根拠のない不安」と言ったほうが
わかりやすいかもしれません。
これは社会不安生涯の発症と経過に
関連の深い問題領域として考えられます。
まずは、自分の対人関係をよく検討してみるところからはじめます。
対人関係を検討する、と聞くと
すぐに「自分は他人から好かれない、人と話すのが苦手」などという
考えが浮かぶと思いますが
ここでいいたいことはそういうことではなくて
自分の「役割不安」から守るために身に付けている
パターンを検討してみる、ということです。
たとえば、いつも忙しそうにしている、
人と一緒の時はつねに携帯電話を操作している、
というパターンもあるでしょう。
あるいは、人と眼を合わせないようにする、
できるだけ目立たないようにする、
というようなものもあると思います。
その場の話に関心がなさそうなふりをする、「いい人」になって
相手のいう事を何でも受け入れてしまう、というパターンもあるでしょう。
これらのパターンをよく認識した上で
そのパターンが実際の対人関係や自己肯定感に
どうのような影響を与えているのかを考えてみることは
役立ちます。
忙しそうにしたり、形態ばかり操作したりしていると
他人は「社会に関心がない人なのだ」と思うでしょう。
その場の話に関心がなさそうなふりをすると
他人は「自分たちとかかわりを持つことに関心がないんだな」と
思うでしょう。
いずれも、他人が近づくことを阻む効果があります。
また、人と眼を合わせないようにする、
できるだけ目立たないようにする、というようなやり方を
していると
自己肯定感をますます失っていくでしょう。