【感想・ネタバレ】偽証裁判 下のレビュー

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Posted by ブクログ

 記憶喪失の元刑事モンクと、看護婦のヘスター、弁護士ラスボーンのシリーズ。
 
 エディンバラからロンドンへ老婦人の付き添いにやとわれたヘスターだったが、列車の中で婦人が急死する。
 ヘスターは、殺人犯として捕らえられ裁判にかけられる。

 19世紀末のイギリスの上流社会を丁寧に描いているのが魅力シリーズなのだが、ヘスターいなくて大丈夫なの??って思った。
 モンクもラスボーンも有能なのだけど、常にヘスターが得てくる情報によるところが大きかったのに、そのヘスターが身動きとれない状態になるなんて。
 しかも、エディンバラでの裁判になって、ラスボーンは弁護ができない。
 四面楚歌の状態でどうなるとはらはらしてたら…。
 
 人間、常日頃の行動がやっぱり大事だよねと思うよ。

 で、やっぱり三人揃って、というかヘスターがいてこそ物語が動き出す。
 事件そのものは、なんとも後味の悪いものだった。
 ストレスって、とことん人間を歪ませるんだね。
 
 で、三人の三角関係(?)みたいなのが、じれったく微妙になっているのが一種の清涼剤でした。
 いやあ、この慎み深さがくせになります。
 じれったいが、まだまだこのままでいてほしいです。

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2015年09月13日

Posted by ブクログ

ウィリアム・モンクのシリーズ4作目。
勇敢な看護師ヘスターが殺人容疑で裁判にかけられます。
絶望的な状況の中ヘスターの無罪を信じで奔走する敏腕弁護士ラスボーンと私立探偵モンク。
アン・ペリーの描写は本当に素晴らしい。事件の謎や人間関係から、そこへ時代の空気感や主要人物の性格まで、違和感なく、魅力的に描かれています。
結末も気になるのは当然だけど、とにかくその過程が面白い。かのナイチンゲールも登場します。本当に胸のすくようなシーンですよ。

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2015年08月28日

Posted by ブクログ

歴史ミステリの力作です☆

19世紀後半のイギリス。
看護婦のヘスターは、濡れ衣を着せられて逮捕されてしまう。
スコットランドでの裁判なので、有能な弁護士のラスボーンも、公式に担当することができない。
元警官で私立探偵のモンクは事情を探るが、なかなか真相は見えて来ない‥
ヘスターを愛する二人の男達は

上巻では、当時の雰囲気や事情をたっぷり書き込み、ヘスターが窮地に追い込まれていく展開でした。
後半はかなりアクティブに、どんどん事実が明かされていきます。
当時の上流の女性たちの、礼儀や偏見に押さえつけられているようでいて意外に行動的な面も明らかに。
かのナイチンゲール女史も、ヘスターの人柄の証人として出廷、まわりを圧倒します。

三人で捜査に当たるというシリーズなのですが、この三人の微妙なバランスも読みどころ。
男二人はかなり愛情を自覚し始めた様子。
率直で勇敢なヘスターは、飾り気がなくて美人というほどではないけど外見もまあ悪くはなさそう。
何よりも他にない個性で、忘れられない存在になっていくようです。
ヘスターは教養があって優しいラスボーンには好感を抱いていますが、すぐぶつかるモンクのことは喧嘩友達ぐらいにしか思っていない。
モンクのほうは、ヘスターは気が強すぎると思っているし、自分に記憶喪失というハンデがあるため、積極的にはなれないでしょう。
でも傍目には‥何となくお似合いに見えているかも?

読み応えのある展開の作品でした。
続きも楽しみにしています!

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2015年05月25日

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