あらすじ
オバマもゲバラもアイリッシュ!? 破綻から再生し、繁栄する小国アイルランドの大いなる生き方。外資導入、外国人問題、国際貢献、迷える日本に元大使が提言!
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Posted by ブクログ
某所読書会課題図書:イギリスの隣にアイルランドがあることは知っていたが、イギリスの植民地支配の諸端を担う立場にあったとは.カトリックとプロテスタントの争いがここまで熾烈なものとは想像できない.John, Paul and GeorgeがIrishだったのも初耳だ.清教徒革命のクロムウェルは知っていたが、イギリスから見た史実だけが流布していて、アイルランドからの視点がないとの指摘.その通りだ.リーマンショックに対して的確処置を素早く取った由.日本が見習うべき点が多い.
Posted by ブクログ
日本とアイルランド?関係なさそうじゃん。と思っていたけど、間違っていた。確かに似ているところ、見習うところ多いです。特にイギリスとの関係ね。というか、近隣の仲の悪い国とどう付き合うか、というところ。
アイルランドの移民が世界に与える影響も想像以上に大きい。McとかO'とかアイルランド系なわけか。ほぉ。
「和解とは被害者がカタルシスを得るプロセス」
カタルシス:精神的浄化や鬱屈した心の解消や癒やし
ウイスキーはwhiskyとwhiskeyの2種類があり、whiskyとつづるスコットランド産の安いウィスキーが横行したときに、アイルランド産の業者が自分たちの製品が良質であることを示すために、わざわざ「e」を追加して区別しようとしたからだ、らしい。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
アイルランドからアメリカ、イギリス、日本を考える。
資源小国としての大いなる生き方。
最貧国から世界有数の豊かな国に。
日本の “姿見”としてのアイルランドという国家。
[ 目次 ]
序章 “愛国”大使の私的アイルランド点描(“遠くて小さな国”アイルランド;破綻からの再生、そして繁栄 ほか)
第1章 アイルランドを知ればアメリカが見える(アメリカの歴史に欠かせないアイルランド;アメリカ史に印されたアイルランド移民の足跡 ほか)
第2章 アイルランドがわかればイギリスが見える(イギリス外交とアイルランド;歴史の古さでは、アイルランドはイギリスの上 ほか)
第3章 日本の“姿見”としてのアイルランド(資源小国としての生き方;移民・外国人に対する接し方 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
アイルランドという国の理解に大変役に立つ。
アイルランドを理解すると言うことは、英国やアメリカを理解する糸口になる。
アイルランドと英国の関係を理解することで、日韓、日中外交正常化の糸口も見えてくるのではと、筆者はいう。
少なくとも筆者の「和解とは、被害者がカタルシスを得るプロセス」という言葉には、日本の中国や韓国との向き合い方の参考になるし、それを真っ直ぐに受け止めなければいけないだろう。
ジョン、ポール、ジョージ、ビートルズのリンゴを除く3人もアイルランド系。リバプールはアイルランド移民の多い土地だという。
日本に国歌という考え方を教えた人も、小泉八雲もアイルランド系らしい。
明治維新の日本が英国人と認識していた人々の多くは、アイルランドやスコットランド人が多い。彼らが日本にのこしてくれたものは大きい。
Posted by ブクログ
●アイルランドについて書かれた本は初めて読んだ。本書では、「日本のように奇跡の経済発展を遂げたアイルランド」といったように、日本とアイルランドの共通点についても述べている。
Posted by ブクログ
日本とアイルランドの共通点。
資源のない島国
移民政策によるサバイバル
英米両国との近さと独自文化の誇り
古い文化への誇り
弱きを助ける正義感
ー見返りなしのODA、アパルトヘイトへの強固な対応
国際機関でも国のサイズに見合わない存在感
開かれた社会:移民受け入れ、流出
アイルランドの課題
ー都市化の進行とインフラ整備の遅れ
ー経済的な歪みの発生
ー家族や宗教の社会基盤の変質
アメリカにおけるアイリッシュ差別、カトリックであることも原因
イギリスとの不仲、選挙権を閉ざされていたからこそ投票率が格段に高い。
警察官や消防士はアイリッシュ系
イギリスとアイルランド問題は日韓問題に似てる。
イギリスの外交:ちからでなく知力による仲立ち
和解とは被害者がカタルシスを得るプロセス
アイルランドは外資優遇している。
1、特定の地域への投資に対して一定期間操業して雇用をもたらすことと引き換えに相当多額の補助金を提供する
2、長期間にわたる法人課税の減免を認める
3、その後も低い法人税率を維持する
もともと地場産業が乏しいので外資が地場産業を圧迫するという懸念はなく、外資こそが雇用を生み、輸出の形で富を生むという哲学。
外資への法人税率は12.5%(アメリカ国内の法人税率は30%台)→高付加価値で儲かる企業ほどアイルランドに進出する意欲がわく。
いまやマイクロソフト、インテル、オラクル、SAPなどの主要企業が拠点をおく世界一のソフトウェア輸出国。
日本企業は1958年にブラザー工業が進出しソニー、旭化成、NECなどメーカー進出が続いた。しかしアイルランドの経済発展で労働力コストが増大したため撤退企業もでた。
現在ではその穴埋めのために金融やリース、医療機器薬品などの分野で新たな企業進出。
アイルランドだけヨーロッパ中でこんなに法人税率が低いのはEC加盟当時に域内で最貧国だったから。しかし今は域内で最高水準の一人当たりGDPのため低い税率で外資を呼び込むのをやめたらどうかということになっているらしい。
現在は自国産業の育成と自立的改革が進められている。英語を母国語とする教育水準が高い人材をいかしてハイテク部門の研究開発、さらには高度な金融サービスなどへの展開を推し進め、より付加価値の高い産業構造への転換をはかろうとするものだ。教育は大学まで完全無償。
開かれた構造であるほど外部からの大波を受けやすい。
先日ダブリンにいったとき、アイルランドの人にはなにか素朴さがみられ、強い政治参加意識があり、利他精神があると感じた。その理由はここにあるのかもしれないと感じた。
でもやっぱり日本人が書く文章ってポリティカリーコレクトじゃないのでとても刺さる。レッテル的で差別を助長させそうな差別の描写などがかなり泣ける