【感想・ネタバレ】なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

一流の「逆境力」を鍛えよう!

あの人がいつも元気な理由は「レジリエンス」にあった!
長時間労働、嫌な上司、思いやりのない職場、キャリアの節目…
ストレスや困難、失敗などの逆境を乗り越える力「レジリエンス」の実践トレーニングを19の事例とともに紹介します。

レジリエンスとは?
ゴールドマンサックス・ロイヤルダッチシェルなどのグローバル企業でハードに働くエリートが鍛えている「立ち直る力」

「レジリエンス」のある人の3つの習慣
習慣1:ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切る
習慣2:ストレス体験のたびにレジリエンス・マッスルを鍛える
習慣3:ときおり立ち止まり、振り返りの時間をもつ

本書の内容は抵抗力復活のステージ3つにて、底打ちから立ち直りへ。
その具体的な手法7個はネガテイブからポジティブへといったこと。さらにその関連事例が具体的な人々のケース
(レジリエンスを鍛える方法を3つのステージ、7つの技術を紹介)

  ステージ1 精神的な落ち込みを「底打ち」する
   第1の技術 ネガティブ感情の悪循環から脱出する
   第2の技術 役に立たない「思い込み」を手なずける

  ステージ2 スムーズな「立ち直り」を図る
   第3の技術 「やればできる」と信じる自己効力感を身につける
   第4の技術 自分を特徴づける「強み」を活用する
   第5の技術 心の支えとなる「サポーター」をもつ
   第6の技術 感謝のポジティブ感情を豊かにする

  ステージ3 感情にラベリングする
   第7の技術 痛い体験から意味を学ぶ

ネガティブな感情が発生したら、それをラベリングする。
これは、怒りだな、とか嫉妬だな、とか。
(自分が陥りやすい思考を犬に例え(批判犬とか正義犬とか))、
それを飼いならすべし!と説く

全米心理学会は「レジリエンス」について以下のように定義しています。
「レジリエンスとは、逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセスである」

更に、著者は、レジリエンスの高い人の特徴として、以下の3つを挙げています。
1.回復力:逆境や困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができる力
2.緩衝力:ストレスや予想外のショックなどの外的な圧力に対しても耐性がある(いわゆる打たれ強さ)
3.適応力:予期せぬ変化や危機に動揺して抵抗するのではなく、新たな現実を受け入れて合理的に対応することができる力

これらの力は大なり小なり誰にでも元々備わっているもので、鍛えることで更に強化できると述べています。

■ストレス体験こそが「レジリエンス」を鍛える
負荷トレーニングが身体の筋肉を鍛えるように、
職場におけるストレス体験は心理的筋肉を鍛えるという意味で、
ストレス体験こそが「レジリエンス・マッスル」を鍛える絶好の機会だと著者は述べています。

どんなストレス体験にも心が折れることなく、
その経験をうまく活用して「レジリエンス・マッスル」を鍛えるためのポイントとして、
久世氏は以下の7つの技術と3つの習慣を紹介しています。

■目次

はじめに

ハードに仕事をしても心が疲弊しない「新しい働き方」とは?

ダボス会議でも話題になった「レジリエンス」とは?

レジリエンスの3つの特徴

ハードワークなのに元気な人の3つの習慣

序章 レジリエンス・トレーニングとは?  

「レジリエンス・トレーニング」とは?

ステージ1:精神的な落ち込みを「底打ち」する

ステージ2:スムーズな「立ち直り」を図る

ステージ3:感情にラベリングする

レジリエンスを鍛える7つの技術1:ネガティブ感情の悪循環から脱出する

レジリエンスを鍛える7つの技術2:役に立たない「思い込み」を手なずける

レジリエンスを鍛える7つの技術3:「やればできる」と信じる「自己効力感」を身につける

レジリエンスを鍛える7つの技術4:自分の「強み」を活かす

レジリエンスを鍛える7つの技術5:心の支えとなる「サポーター」をつくる

レジリエンスを鍛える7つの技術6:「感謝」のポジティブ感情を高める

レジリエンスを鍛える7つの技術7:痛い体験から意味を学ぶ

ストレス体験のたびにレジリエンスを強くする

第1章 ネガティブ連鎖を断ち切る習慣

ハードに働くまじめでがんばりやな社員

事例1:ストレスを飲酒で紛らわせる広告代理店勤務の男性

事例2:「アンガーマネジメント」する怒りっぽい社長

事例3:「ストレスの宵越し」をしない習慣

事例4:書くことでストレスを解消するコールセンターの女性

事例5:スボーツ少年団の監督で「燃え尽き症候群」を予防

第2章 「上司との人間関係ストレス」とのつきあい方

職場における3大ストレス

仕事の満足感は上司との関係が9割

「ホットボタン」を押す上司、「クールボタン」を押す上司

事例6:上司に苛立ちを感じる女性社員

事例7:一緒にいると、なぜか元気を奪われる上司

事例8:もし、あなたのパートナーが「感情バンパイア」だったら

第3章  「思いやりのない職場」での過ごし方

事例9:人が辞めていく「幽霊船」組織

事例10:転職後の苦労

事例11:私が出会った「レジリエンス・リーダー」

第4章 キャリアの節目での「逆境力」

レジリエンスが試される「キャリアの節目」

事例12:まじめな新入社員の入社後の試練

入社後100日以内に高めたい仕事への「効力感」

「小さな成功体験」と「代理体験」を組み合わせる

事例13:転職先でつまずきかけた問題

事例14:女性の育児休業後の仕事復帰における自信

事例15:不本意な転職にどう対処するか?

事例16:海外転勤で部下がいなくなる逆境

第5章 立ち止まって振り返る習慣

ハードに働き、立ち止まって内省する

変化が多い時代だからこそ、振り返るリーダーたち

海外エグゼクティブが好む「リトリート」の習慣

ビル・ゲイツの「ポジティブなひきこもり」

事例17:週末に一人で静かな時間をもつ習慣

事例18:社長の急死でショックを受ける

事例19:なかなか開花しない新規事業に携わる難しさ

おわりに

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2015年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

●レジリエンスとは、①回復力、②緩衝力、③適応力のこと
。逆境や困難、強いストレスに直面した時に、適応する精神力と心理的プロセス

●レジリエンスを鍛える習慣を持っている。①ネガティブ連鎖をその日のうちに断ち切る習慣、②ストレス体験のたびにレジリエンス・マッスル鍛える習慣、③ときおり立ち止まり、振り返りの時間を持つ習慣

●失敗やストレス体験を克服し、変化に適応するグローバルスタンダードのレジリエンスには3つの段階がある。一つ目が底打ち。二つ目が立ち直り、三つめが教訓化。

●第1の技術が「ネガティブ感情の悪循環から脱出する」こと。感情のラベリングと気晴らし。気晴らしは、エクササイズ、音楽、ヨガ、ライティング

●役に立たない思い込みをてなづける。思い込みへの対処方法は3つ。追放、受容、訓練

●レジリエンス・マッスルの訓練法が自己効力感を高める。心の支えとなるサポーターを作る。サポーターを最低5人持つことをお勧めする。逆境の種類によって助けを請うべき相手が違う事、お互いに助け合う互恵関係がよい。ところが名前をあげられない人が中年男性に多い。

●ハードワークを常としている人は、いつも走り続けていると思うが、ときおり立ち止まって逆境と感じられていた体験を振り返る自省の時間は、とても意味があると思う。

●長い休暇をとっても、その効果は短期的であることが判明。その答えは、「毎日の仕事の後、仕事から心理的に離れることが大切。」ということ。これを「メンタル・ディタッチ」という。具体的には、オフィスを一歩出たら、仕事から心理的に「ディタッチ」して執着しないことが効果的。

●感情バンパイアとは、対人関係において問題を生じる人のタイプです。とくにナルシシズムの傾向が強く、自分の自尊心が脅威にさらされたときに防御反応が出て、ときに他人に罪の意識や劣等意識を感じさせることがある。自分を守るために、自分を正当化し、「私が正しく、あなたが間違っている」と思い込ませることにたけている

●苦手な上司との関係は、レジリエンスを磨く機会となる

●その組織の内部で「助力」をする文化がない。上司を含め助け合おうとしない。それはまるで個人事業主の寄せ集まりのような集団で、自分の問題は自力で解決することが求められる。仲間意識がゼロの、温かみのない組織

●仕事への意欲を高めるためには、職場や現場での良好な人間関係が重要。特に若い世代でこの傾向が強い

●その職場に在籍するだけで、なぜか元気を失い、気持ちが後ろ向きに変わり、ポジティブな人が消極的な人になってしまう、活力を奪ってしまう組織がある

●職場で誰かが自分の問題やトラブルについて話をすると、ほかの人たちを不安にさせ、その人は避けられるようになる

●「自分は孤独である」と感じると、人は幸福度が下がってしまう

●「それは仕事で何か困ったことがあったら、問題を自分だけで抱え込まずに、躊躇することなく私の助けを求めることです。I NEED YOUR HELPです。」

●もし、幽霊船のような組織で働くことになった場合、自分のサポーターを見つけるか、異動するか

●海外のエグゼクティブには、低規定に一人で静かに過ごす時間を確保する人がいる。これは「孤独」ではなく「独居」をするための工夫。静かに一人だけの時間を過ごすことで、ハードに仕事をする日常から心理的にディタッチして、スローにじっくりと精神面での充電を行う

●自分の目の前にある仕事で「自己ベスト」を出すことにフォーカスすればいい

●ハードワーカーの心が折れる原因は、①「拘束時間が長い」、②「緊張感」、③「ネガティブな対人関係」。

●もし自分が勤務する「場」で、小さな成功体験を重ねる機会もなく、お手本となる人もおらず、励ましの言葉もやる気が高まるムードがない場合、いくらハードに働いても自己効力感は高まらない。場の選択を間違うと、いくらハードに仕事をしても報われない。もし間違っているなら、よりベターな「場」に軽やかに移る柔軟さを持つ

●働く場の選択を間違えたら、どれだけ「勝ち方」の技術や経験を身につけても、どれだけハードに仕事をしても、臨むべき成功や充実感を手に入れることはわからない

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2015年09月23日

Posted by ブクログ

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ケーススタディを通してストレスへの対処法を考える本。
自分を見直すキッカケとして、感情の「ラベリング」は面白いと思った。


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まとめ

「ハードワーク」は、長時間働くことではなく、決められた時間内にベストパフォーマンスを出せるよう集中して働くこと。

ストレスに長く囚われず、気持ちを切り替えるべし。
そのためには自分の感情への「ラベリング」が有効。

疲労感、悲しみ、憂鬱感、不安、罪悪感、羞恥心
怒り、恐れ、嫉妬、羨望

自分の中で湧き上がった順に並べ、特に最後までしつこく後を引く感情のへの対処を考える。

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2015年08月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昨今お疲れ気味なので、分かりやすい自己啓発系の本をば。
レジリエンス、余り聞き慣れない言葉ですが、ざっくり言うと「立ち直る力」だそうです

以下、印象に残ったところ
・ハードワーク≠ロングワーク。脳をフル回転に使って集中的に働くこと(p.2)
・挑戦や逆境時に、自分の強みがクッションになる。(p.33)
(「VIA-IS」やってみたところ、審美眼、親切さ、感謝がトップ3でした)
・挫折の罪悪感はレジリエンスを下げる。その対になるのは感謝(p.37)
・苦手な上司との仕事、期待すればするほど失望した苦い経験。変えられないものは変えられない。変えられるものにフォーカスする(p.92)
・Gratitude is a great attitude(p.107)
・思いやりのない組織(p.148)
・件名に「I need your help」(p.171)

すぐに立ち直れる人・そもそも凹まない人を個人的に「超人」と呼んでいるのですが、そんな人は本当に一握りで
タフな環境に身を置いている大半の人は、超人"見習い"程度なんだと思います。
私自身、豆腐メンタル・ガラスのハートを自負していますがw、
それでも折れずにやっていくには、立ち直る力・メンタルを維持する工夫が必要なんですね
こういう本読まずに済むホンモノの「超人」になりたいんやけどな~

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2015年05月06日

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