あらすじ
女は裂かれた腹から胃腸を抜き取られ、男は生じるはずのない高山病で死んでいた。鍵のかけられた工場内、しかも扉の開かない事故車で見つかった二つの遺体。その後も男女の親族は一人、また一人と「密室」で不可解な死を遂げていく――。読み手を圧倒する謎の連打と、想像を絶するトリックに瞠目必至の長編ミステリー。
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清人の高山病が死因というのが気になってて、低酸素トレーニングに使う部屋とか病院だし似たような機械とかあるんじゃないかとか思ってたけど、まさかそんな状況とは。
血色の良すぎる病人が抜け出してたで解決かと思ったら、もう一捻りあったのが良かった。
プロローグは読むのに時間かけたので全然覚えてなくて、危うく尻切れトンボだなと気付かないとこだった。
Posted by ブクログ
トリック大盛りミステリー
どうやって解決するのかを純粋に楽しめた
解決編の納得度は、現実性より個人趣味に合うかが重要だと再認識した作品
探偵役の名前に見覚えがあったが既読の「祟り火の一族」だった。どうやらシリーズもので、読む順番は逆行中。これより前の「十三回忌」はマジやらリスト作品で積読状態だから早く見つけ出して読まねば
読後に唯一難ありだと思ったのが、実質的に院長1人で看ている最重要人物の生死確認をスルーする警察
Posted by ブクログ
同著者の海老原シリーズ前作、『十三回忌』では
「このトリックは現実では不可能だろう」
「海老原浩一のキャラが薄く、脇役っぽい」
といった批判のコメントをよく見かけた。
しかしこの作品では、現実味のあるアリバイトリック、物理トリックを用いている。それでいて提示される謎の奇怪さは相変わらずトップレベルであり、どんどん引き込まれていく。
そして例えば斜視を用いたトリックだったらコスモス、包帯密室トリックだったらマネキン、などなど大きな謎に付随する小さな謎も相変わらず上手い。
"髪の毛を飲む"という行為や名前に込められた意味にもとても驚いた。
そして名探偵海老原浩一のキャラクターも良い。底に潜む優しさだったり、場にそぐわない明るさだったり、飲まず食わずで推理に熱中したりなどなど...(御手洗潔に似ているような??)
現実味は増したものの『十三回忌』よりトリックが少しこじんまりとしているようには感じるが、明らかに前作よりも進化している。
Posted by ブクログ
「やりすぎ」でしたか、そんなキャッチフレーズのついてしまった作家さんなので、ちょっと構えて読みましたが、物語自体は最後までシリアスに進行しました。
トリックは想定外だろうから、自ら推理するのはやめて、成り行きを見守る感じで読みました。
会実を疑わせる描写が多すぎて気になったところ以外は、概ね楽しめました。
とても堅実なミステリで、好感を持ちました。
いわば偶然の産物での高山病死とか、島田荘司っぽかったです。
臓物をとっぱらった動機も説得力あったし、なかなか読ませる作品でした。
ちょっと、会実の右手を切断、とかは意味不明でしたが。
全然かばえないところまで来ちゃってるよね、とっくに。
まぁ、叔父姪でヤるなよ、つてのが正直な感想ですが。
Posted by ブクログ
筆者の繰り出す奇想天外なトリックを見抜くことはハナから諦めてるのだけれど、今回も無茶。明らかに一般的でない知識に基づくトリックだ、とせいぜい怒った顔でもしておこう。今回の超不可解な二重密室状況を産み出してしまったのは、犯人側のある計算違い、要するに事故なのだが、悲惨で、かつ悽愴な場面であるにも関わらず、想像したら笑ってしまった。
ラストで明かされる犯行動機と犯人像は実に陰惨なのだが、そこで終わらせず、ちょっとした救いを残すところが筆者らしいかな。
Posted by ブクログ
後書きにもあるように島田荘司を彷彿とさせる予想のつかないとんでもトリックでおもしろかった。
ただ、人物描写が細かいわりに、キャラがあまりたってないように感じた。姉川家や小沢さんはキャラがあったのだが、笠原に関しては存在する必要があるのかというレベル。またラストのエピローグは絶対いらなかった。数行書かれてるが、書く必要があるのかというレベルのありきたりな結末で、もっと深く書かないととってつけた感が否めない。
謎についてはとても惹きつけられるものでワクワクした。