あらすじ
吊るし上げられて…町内会長♪
凶悪事件のニュースをきくと、まず「現場がご近所じゃないかが気になる」私達にとって、自分の住む地域のコミュニティーは大切……
でも自身の手間と面倒は極力避けたい…というのが実際ですよね。
そんな建前と本音がシビアな現実になる場が、町内会・自治会です。
団塊ジュニア世代の著者は、町内会長(自治会長)をついひきうけてしまい、その仕組みと実態に驚きつつ、てんてこまいに。
ちょっとした成果に充実感をえたりもしながら、最後は、“吊るし上げ”にあった末、一風変わった「ミニマムで楽しくラクな町内会」の創生へと到りました。
体験ルポを通して、歴史や、法的な位置づけ、統計データも踏まえ、町内会・自治会の今後のあり方を提言します。
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GGQと町内会にも触れていた
2016年には引っ越す予定と最後にあり、その引越し先での感覚は同じようなものなのでしょうか。
転出されたお二方が行事に参加、手伝ってくれる、の記事を読んで男性と女性の違いかな?とも。
町内会役員の経験者も未経験者も一読の価値あり。
Posted by ブクログ
面白かったです。少なくとも、こういう論点の本はほとんど初めて読みました。ゼミで社会関係資本(ソーシャルキャピタル)について学び、その力を万能だと思っていた僕にとっては、斬新な切り口でした。
この本の中で示唆されている事って、かなり重要なことが多いのですが、紙屋さんはとてもおだやかな書き方でそれを伝えていて、とても読みやすかったです。
内容は、著者の実体験をもとに町内会の光と影について、説明がなされています。
町内の力、ご近所の絆、そういったものは震災以降頻繁に語られるようになり、ある意味では行政を超えるほどの効果があるように持ち上げられることも少なくありません。
実際、僕も地域の課題はそういった関係が解決することも多々あると信じています。
と、同時に、そういった絆が人々に負担を強い、プライベートを侵害し、悪影響を与えるということを忘れてはいけません。
そういった問題を回避するためには、町内会などの組織はあくまでもボランティアであって、適度に都合に合わせて距離をとれるようにしておくこと。現在のように行政の末端組織であるかのように振る舞い、住民を拘束するようなことはやめるべきだということです。
筆者は、町内会はボランティアでも十分にその役割を果たせるし、逆にそれで手が回らない部分は、当然行政が行うべきであると述べています。
この考え方は、行政がもういっぱいいっぱいで(お金的に)、住民にできることは住民にやってもらおうってなってる今日の流れには逆行する気がします。
でも、そもそも、行政ができないから住民に投げるという考え自体、かなり無理があるものだというのが著者の問題意識です。
行政に頼ることが現実的に難しくなっていく中で、住民にも過度の負担をかけないで社会関係資本のプラスの面を増幅していく、そんな仕組みを考えていきたいです。