感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2015年03月22日
コンピュータサイエンスの本を読んだ後だったので、より人間の身体ということについて、人間とは何かについて考えさせられた。人間の直感、感覚というのは科学に置き換えられるのか、その中でも日本の持つ独特の感覚はどう数値化できるのか?等々非常に興味深い。能楽についての興味も深まった。
Posted by ブクログ 2014年11月07日
からだは元々死体を表した語であった
と言うのに心底納得しました。前から「から」という部分があることを不審に思っていたので…「たま」の抜けた「から」だったのですね…
そして、身体と精神?魂?は分離不能なものであるという考え方にも共鳴しました。体調次第で意見はすぐに変わるもの…健全な精神は健全な肉体に宿...続きを読むると西洋風にも言いますし。
心は腹に宿るという考え方が消えつつあるのが残念です。キレる人が増える原因の1つかもしれない。いろいろと考えさせられました。
Posted by ブクログ 2023年05月28日
能楽師である著者が、日本の伝統的な身体観についての考察をおこなっている本です。
われわれが、西洋の科学的で分析的な身体のとらえかたになじんだ結果、自分自身の身体についてのもっとも直接的な知をうしなってしまっているのではないかという問題提起から、議論がはじめられています。そのうえで、著者自身がその伝...続きを読む統の一翼を担っている能についての例などを引きながら、分析的な身体についての知識によっては見えてこない、生きられた身体知のありかたが論じられています。
「生きられた身体」というテーマについては、市川浩や中村雄二郎、竹内敏晴といった論者たちが考察をおこない、近年では鷲田清一や内田樹などの思想家たちも関心を示してきました。本書の議論も、そうしたすでに長い議論の蓄積のある身体論と響きあう内容をもっていますが、日本神話から中国や古代ギリシアなどにおけるさまざまな事例をかなり自由に参照しながら、現代に生きる人びとが身体知のほんらいの豊かさにふたたび目を向けるようにうながしています。
「あとがき」で著者自身、「話は留まるところを知らなくなり、ほとんどもう一冊の本ができるくらいのものを書いてしまい、いつまでたってもまとまらなくなってしまった」と述べているように、やや奔放な議論の展開がなされているようにも思えますが、伝統的な身体知について考えるうえで興味深い切り口がいくつも示されているように感じました。