【感想・ネタバレ】日本人はなぜ「さようなら」と別れるのかのレビュー

あらすじ

一般に世界の別れ言葉は、「神の身許によくあれかし」(Goodbye)か、「また会いましょう」(See you again)か、「お元気で」(Farewell)のどれかである。なぜ、日本人は「さようなら」と言って別れるのだろうか。別れ言葉にこめてきた日本人の別れの精神史を探究する。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「さようなら」は、もともとは「さようであるならば」という接続詞。

一人称の死は、死後自分はどこに行くのだろうという自己中心的な恐怖になるが、
二人称の死では、亡くなった大切なひとは自分の中にいることに気づく。この世の大切なひとがあの世になる。

死とは無になることではなく、自分が生きていた世界はそこにあり続けるけれど、自分はその世界とはお別れしていくということ。
死ぬことは何よりもかなしいことだけれど、そうならなければならないのなら、そのかなしみをしっかりとかなしむ先に安心がある。

「この世をば どりゃおいとまに せん香の 煙とともに 灰左様なら」

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

       -20090325

アメリカ人の女性飛行家A.リンドバーグを「これまでに耳にした別れの言葉のうちで、このように美しい言葉をわたしは知らない」と言わしめた別れの言葉-「さよなら」の持つ人間的な温かみと人知を超える厳しさ、そして生と死の「あわい」で揺れるその両義性‥。

 心の際-こころのきわ  -2009.04.13記

この「さよなら」が、「さようであるならば」か、はたまた「そうならなければならないならば」のいずれに偏るものか、その判別も下しかねるが、ただおのれ一身の「心の際」-器量のこととして受けとめずばなるまい。
いまはただ、本書の中で採られていた、浄土真宗の僧であった金子大栄-1881~1976-が「色即是空、空即是色」を意訳したもの、とされる詞を書き留めておく。
「花びらは散る 花は散らない」

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2013年03月29日

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