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Posted by ブクログ
日ごろのニュースを科学的な視点からみるエッセイ的な本。2003年。若者の科学離れから職の安全まで、日常的な出来事を多岐にわたり解説していく。ガンの主原因はタバコではなく車であること、危険な肉を食べるよりも昆虫を食べたほうが安全で栄養価が高いこと、などマイノリティな主張となっているが面白い話が多い。確かに喫煙者が減っているのに、肺がん患者が増えているのはタバコによるものではないことの裏づけだろう。しかし、日本は車メーカーが一部支えているところもあるから、国、マスコミも追及できないのか。普段のニュースの一般的な見方ではなく、やや斜めからみている点が面白く、オススメである。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
クローン人間作ってなぜ悪い?
地球温暖化なんてホントにあるのか?
科学とオカルトって、どう違う?
…オソロシイ勢いで進歩し専門化してゆく科学に、多くの人びとはついてゆけない。
そのくせ、いかがわしい科学(まがい)は無根拠に信じてしまう。
かように厄介な科学的現実から虚飾を剥ぎ取り、本質を見極めるにはどうしたらいいのか。
そこで、生物学の風雲児(?)池田センセが最新の科学トピックに縦横に斬り込み、徹頭徹尾「論理」で腑分けする。
[ 目次 ]
若者の理科離れ
自然保護と原理主義
狂牛病
市民バイオテクノロジー情報室の発足
好コントロール装置と健康
セカンド・オピニオン
科学的知識の確実性
食い物とエスノセントリズム
地球温暖化論のいかがわしさ
科学はリアリティーを喪失した?〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
BSEや地球温暖化、クローン技術など、さまざまな問題をあつかった科学エッセイです。
著者の議論を支えている柱のひとつは、著者が「好コントロール装置」と呼んでいる近代国家のパターナリズムに対する批判だといえるように思います。ただし本書は「リバタリアンのすすめ」といったような内容ではなく、科学的な装いを施したパターナリズムに対して科学者の立場から問題点を指摘するというものとなっており、興味深く読みました。
本書の議論を支えるもうひとつの柱となっているのが、著者のいう「構造主義的科学論」の視点です。これは、あらゆる科学の理論は「同一性」というものに依拠して組み立てられているという科学認識論上の立場だと理解することができます。著者は、この同一性を構築するのは脳の働きだという、唯脳論の養老孟司を思わせる議論を展開しています。
読者によっては、著者のシニカルな語り口が好きになれないと感じるひともいるかもしれません。