【感想・ネタバレ】仮想通貨革命のレビュー

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Posted by ブクログ

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仮想通貨革命---ビットコインは始まりにすぎない 単行本(ソフトカバー) – 2014/6/6

インターネット登場に匹敵する社会変化を起こす可能性がある
2014年9月16日記述

野口悠紀雄さんの最新作。
ビットコインを取り巻く現在の状況と新技術の意義について述べている。

2014年2月に起こったビットコイン両替所であるマウントゴックスの破綻ではビットコイン=危険のような間違った認識が広がったという指摘はなるほどと思った。
一両替所が破綻した事と通貨の破綻は違うのであると。

むしろ中国政府はビットコインの規制に乗り出したし
何よりビットコインは恐るべき潜在性があることを認めたのだ。

まえがきにも書いていたのだが、ウクライナでのロシアに抵抗する人々がネット上でビットコインでの支援を求めるためにQRコードを写真で提示している。

ギリシャなど財政破綻国家では自国通貨からビットコインに逃避する事態になった。
このことは国が無責任な金融政策を続けようとする政府行動を制約する。
本書P196で日本の放漫財政と国債貨幣化、日銀の独立性侵害を続ける金融政策を批判し、本当に規制と監視が必要なのはビットコインではなく国の通貨であるという指摘にはハッとさせられた。

本書ではニュースなどでのビットコインの解説からもうワンランク上の解説が続く。
特に国際送金の手数料を劇的に減らす事が可能であること。
ブロックチェーンという技術によって二重払いの問題を解決した事。

ビットコインなどの登場はかつてのインターネットが登場したのと匹敵する大きな変化をもたらす可能性があるという。
確かに最初の頃のネットは不十分であるだけではなく
否定的な面もよく見えたものだ。
2000年頃の我が家でもPCはあった。
しかし十分に活用していなかった。
今ではネットの無い生活は考えられないほどだ。

新しい技術はいつの時代も過小評価されがちなのだ。
IT革命しかり、電話の登場しかり・・当初電話の重要性が分からずおもちゃとみなされた時代もあった。

今後ビットコインをはじめとするこれらの技術が進歩し社会を大きく変化させる事だろう。
重要なこの変化を耐えず注視していきたい。

*ビットコインは価格変動が激しく投資には向かない。
また仮想通貨としても唯一のものではない。
投資やマイニングより重要なのは仮想通貨がもたらす社会の変化を正しく予測し、それに適応すること。
最も積極的な対応は、関連事業をベンチャー企業ではじめること。
自分で投資できないが、投資資金があるのならば関連企業に投資したら良い。
日本に対象が無いならアメリカで探してもいい。

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仮想通貨の可能性について書かれている書。
仮想通貨の最大のメリットは送金に手数料がほとんどかからないことである。
日本では銀行が発達していて送金手数料もまだ安いのだが海外では一般的に送金
手数料は高いので仮想通貨が代替手段として脚光を浴びている。クレジットカードの
場合は店舗側に手数料がかかってしまう。
現在全世界でビットコインを受け付ける店舗は約4000ある。内アメリカが1600ある。日本ではわずか26。
手数料は0.01BTC(5ドル程度)以上なら無料。それ以下では場合にもよるがおおよそ5円程度で済む。
ビットコインはきわめて理解しがたい仕組みで運用されている。
①電子署名を用いてビットコインを送ること。
②取引をP2Pネットワークで維持するブロックチェーンに記録すること。
③改ざん防止のためプルーフオブワーク(POW)の計算を課すこと。
革命的なアイデアは③である。
電子マネーとは全く違う。
管理者がいない取引である。
ビットコイン以外にも多くの類似コインが存在する。
200を超えるものがある。
仕組みを少しずつ変えている。
なのでそれぞれに利点があり将来ビットコインが残るのかどうかはわからない。
現在ビットコインはPOWの計算に10分程度要するので手続き後確認がとれるまで
10分程度待たなければならないがそれを短時間ですましたものもある。
リップルというものは円で残高を持ちドルで送金するといったことを瞬時に
出来ることで注目されている。
ケニアなどの銀行が発達していない国では(銀行口座は10%以下の人しか持っていない)エムペザという携帯電話を介した送金システムが主流を占めている。
(携帯電話普及率は70%)
仮想通貨が発達すると最も影響を受けるのは金融機関。
なぜなら手数料収入で儲けていたから。
仮想通貨が発達すると小規模の店舗や個人が有利になる。

以上非常に将来性のある通貨である。
最後にしくみの基本的な原理を記載しておきます。

例えば花子と太郎が共通のパスワードを決めたいとする。
まずNとnという2つの整数を決めお互いに連絡する。
各自が秘密の数aを決めnをa乗しnで割った余りbを求め結果bを相手に伝える。
相手の答えbと自分の秘密の数aを用いてbをa乗しNで割った余りを求める。
すると結果は両者同じになるのである。
その数をパスワードにすればよい。
共通の数N,nと答えのbが誰かに知られても秘密の数aが知られないかぎり
この方法は安全である。
簡単な数ならば逆計算(総当り攻撃で)可能だが桁が大きくなると逆計算は実質不可能となる。
これが基本原理です。
興味ある方は計算されてみてください。

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2016年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

仕事絡みの情報収集で読みました。
一定程度ビジネス書を読みなれていれば、そこまで詰まらずに読み進められるかと思います。技術面なら2章と補論、ビジネス面なら5章を読めばいいのではないかと。
情報収集手段としては良い本なのかなと思います。

ビットコインは、仮想通貨。
特徴的なところは発行者も管理者も存在しないこと。ブロックチェーンという、信頼できないメンバーとの共同作業を実現する技術を用いてそれを実現していること。

ビットコインの技術が何に役立つかと言うと…
・(国際)送金手段
 →送金コストが安価になる=小規模事業に有利
・過去ハイエクが主張していた「中央銀行の無い通貨制度/ひいては世界」の実現
・ビットコインの技術が「ホワイトカラー業務の自動化」に繋がる(たとえば、雑誌制作にも)

ちなみに、「日銀は預金も通貨の一種としている(=日銀の言う通貨量には入る)が、預金は『法定通貨』には入らない」というのはこの本を読んで初めて意識したことでした。。
現金通貨は80兆円流通、預金はその6倍。要は、ビットコイン等の仮想通貨の敵も現金通貨じゃないということ。

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2016年01月11日

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