【感想・ネタバレ】きみの好きな彼女 1のレビュー

藤枝とおる

東北沿岸部のとある町。2年前、大きな地震と津波に襲われ、未だその傷跡が残るこの小さな港町の高校に通う真潮には気になるクラスメイトがいて……!? 哀しみを乗り越えて私はこの町で恋をする。私たちの再生ダイアリー。

[ブクログ · ★★★★☆]

仙台在住の作者が、東北沿岸部の町を舞台に描く恋物語。

震災で恋人が行方不明になってしまった少年・鹿島威と、その彼に徐々に惹かれていく少女・天咲真潮。その恋人に良く似た、東京からの転校生。体育祭に夏祭り、そして文化祭とイベントづくしで賑やかに話は進みます。
甘いロマンスはありませんが、一生懸命な青春がありました。

物語の序盤でひそかに鹿島につけられたあだ名「細モアイ」のセンスに脱帽です。モデルの写真がカバー折り返しにあるところがまた…！

[ブクログ · ★★★☆☆]

ストーリーは普通の高校生の恋愛もの。でも舞台が震災後の宮城沿岸部の街ということで、今だからこそ生まれた話。何も知らないひかりを窘める真潮の言葉がすごく重くて、だけど強いなって思った。「これから私たちが作っていく街」という考え方が素敵。