【感想・ネタバレ】権力移行 何が政治を安定させるのかのレビュー

あらすじ

自民党が更新しつづけた「政権運営の知恵」とは?
日本はこの3年で2度の政権交代を経験した。20年前の自民党下野とは違い、政権交代が常態化する時代に入ったのである。しかし民主党の失敗は深い傷を残した。好調に見える第二次安倍政権も盤石ではない。戦後自民党が繰り出してきた数々の「改革」の本質を「政権の延命手段」と見抜き、その成功と失敗の分析をもとに、「政権交代の時代」への前向きなビジョンと、政治を混迷から救う処方箋を提供する。

[目次]
第1章 自由民主党「長期政権」の確立
第2章 政治改革と「改革の時代」
第3章 小泉内閣はいかに「官邸主導」を作り上げたか
第4章 官僚制の変容
第5章 公務員制度改革はなぜ停滞するのか
第6章 進化する政権交代

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Posted by ブクログ

55年以後の自民党長期政権において、自民党が積み重ねてきた政権継続の知恵を明らかにし、他国の政権交代の制度を提示した上で、政権交代を円滑に進めるための方策を提言する本。

政権交代を円滑に進めるために、他国で導入されている制度が挙げられており、そこは一読に値する。なぜ民主党政権が失敗したのか、今後政権交代を円滑に進めるためにはどうすればよいかについて、有益なヒントが与えられている。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は、国民が政権を選択する「政権交代」の時代において、円滑かつ安定的な日本政治の条件等を戦後の55年体制の歴史から検証するもの。起承転結のストーリーが明確でないため要点を掴みにくく、セオリー化のためか若干大括りに過ぎるのと、中立的視点からは構造改革(特に竹中)に傾いているきらいが感じられました。

【自民党長期政権時代】

<佐藤栄作>
・複数官房長官制(官房長官・副長官に加え、宮澤経企庁長官:経済政策・外交)
・内閣官僚の組織化(厚生省から官房副長官&首席内閣参事官:環境庁設置の環境行政)

<小泉純一郎>
・官邸主導(官房型官僚>原局型官僚、竹中経済財政大臣)
・官僚制内ネットワークの駆使
 ①内務行政型・・・旧内務省系を中心とした府省(含む環境省)と自治体のネットワーク
 ②財務省主導型・・・予算編成と支出を通じて各省をコントロール
 ③経済産業政策型・・・内閣の附属・特務機関(戦前:岸・商工省➔企画院、戦後:行政改革会議事務局、経済財政諮問会議)を中心とした、革新官僚と民間のネットワーク
➔戦後の自民党政権時は、①(官房副長官)&②(首相秘書官)
➔改革期(30年代の戦時体制、90年代の行政改革期)には③が力を発揮する

【政権システム】

(1)一党優先下での政権の進化・・・①当選回数に応じて党・政府の役職を割り当て、②派閥に所属、③総裁選出により首相交代
➔個々の議員の成長、派閥・首相の新陳代謝により、時代に適応

(2)政権交代下での政権の進化・・・①転落した前与党の政策練り直し、党組織刷新、②政権移行期間、移行チームなどの諸制度、③野党時代の「影の内閣」OJTを通じた閣僚としての即戦力化
➔政権交代を見据えて絶えず各党が自らを刷新

◯ 政権交代を進化させるための4つの提言
①野党時代に実行可能な政策を構想
②野党と官僚の接触ルールを整備
③マニフェストの中から、実行できる政策を取捨選択
④省庁再編は慎重に

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2013年10月17日

Posted by ブクログ

放送大学などでも活躍されている牧原氏の政権交代についてのまとめと読んでみたが、少々期待外れだった。

基本的には政治史の流れの中で、なぜ政権交代が必要になったのか、表向きと実際の統治がどのような形だったのか、自民党一党独裁の時代、政治改革としての省庁再編の時代、小泉時代や官僚との関係、公務員制度改革が進まない理由、などの視点から考察している。

文章表現が読みにくいことと、章ごとに内容が独立しており、関連性を見いだしにくいために読みにくい面があった。これは、自分の基礎的な知識の少なさ、自分の期待度が高すぎたかのかもしれないと感じた

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2014年05月04日

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