【感想・ネタバレ】目に見えない資本主義―貨幣を超えた新たな経済の誕生のレビュー

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Posted by ブクログ 2016年03月28日

【阿南】田坂さんの未来予見、人間観が随所に盛り込まれた、大切な人に読んでほしい1冊です。
「橋のデザイン」を考えるな。「河の渡り方」を考えよ。に最も感銘を受けました。
主客一体、操作主義からの脱却、まさに私たちの目指す姿が描かれている。と感じました。

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Posted by ブクログ 2012年01月09日

読書会の課題図書なので読みました。リズムの良い文章、情熱のこもった語り口、そして何よりも考え込まれた知性・哲学を感じさせる論述に心を奪われそうになりました。この著者の本を読むのは初めてですが、他にも読んでみたいと思いました。5点!

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Posted by ブクログ 2010年08月05日

数ヶ月前に一度読んだが、修士論文のヒントになると思い再読していみた。社会性と経済性、マネタリー経済とボランタリー経済、享受型経済から参加型経済、対立する二つの概念がぶつかり螺旋的に発展するという弁証法による予見は参考になる。

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Posted by ブクログ 2010年06月05日

今後の世界、日本を考える上で、この上なく勉強になる!素晴らしい!

何回でも読み直したい良書。

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Posted by ブクログ 2010年05月20日

+++ ヒットしたフレーズ +++++++++++++++
・「貨幣経済」のパラダイムで見ている限り、決して見えないものがある。
・未来は「予測」できないが、「予見」はできる。
・「複雑系経済」とは、「生命的システム」としての性質を強めたシステムであるため、人為的に操作、管理、制御、誘導することはで...続きを読むきない。
・「複雑系経済」においては、行動ルール、倫理基準、行動規範を変えることにより、経済や市場の創発や自己組織化の結果が大きく変わる。
・「倫理」とは、本来「競争」や「利益」を超えたもの。
・「懲罰」や「利益」という「外的基準」ではなく、自ら定めた「内的基準」によって行動する経営者は流されない強さを持つ。
●ある人間観に基づいて生み出される制度は、その制度が想定する人間を増やしていく。
・サブプライム問題の本質は、「目に見える価値」を追求するあまり、「目に見えない価値」を徹底的に破壊したこと。
●「客観的な尺度」という発想が「多様な価値」を見つめる力を失わせた。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

これからの資本主義に何が起こるかというテーマで書いた本。とても刺激的。たしかに兆候はすでに見えており、見えない資本主義へ向かっていることは実感できたし、大局・大きな流れをとらえることの重要性も感じた。印象的だったのは成熟した社会では、見えないものを見ようとするというくだり。たしかに全てが可視化されよ...続きを読むうという傾向もある中で無理やり可視化するのではなく、感じとらえる心の成長が大切なのかもしれない。[2009/08/16]

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Posted by ブクログ 2017年01月10日

田坂さんの本が好きなことがきっかけで手に取った本著では、世を取り巻く様々な情勢のパラダイムシフトについて述べている。目に見えない知識や想いといった資本を重視する経済は、正に理想の姿である。特に、震災後はこうした目に見えない資本の大事さを、日本人は痛感したのではないか。
惜しむらくは、世界経済がトラン...続きを読むプ氏の台頭や英国のEU離脱などで、逆行の兆しが強いこと。これも、螺旋的発展による揺り戻しか。これらのプロセスを眺めつつ、更に目に見えない資本主義が成熟することを願う。

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Posted by ブクログ 2012年03月03日

 本の整理の時に「これから何がおこるのか(田坂広志著)」と同時に発見したのが本書、「これから何が~」の3年後の2009年に出版されています。前著がこれからのビジネスがどうなるかに重きを置いているのに対してこちらは社会がどうなるかに重点が置かれています。言い換えればより俯瞰的になっています。

 本書...続きを読むで提示されている五つのパラダイム転換について抜き書きすると。

「操作主義経済」から「複雑系経済」へ:個人や企業の倫理観や行動規範が大切にされる社会。

「知識経済」から「共感経済」へ:人々の共感によって、社会全体で知識や知恵が共有される社会。

「貨幣経済」から「自発経済」へ:善意や好意による活動にが溢れ、精神の満足が得られる社会。

「享受型経済」から「参加型経済」へ:誰もが社会のイノベーションや変革に参加できる社会。

「無限成長経済」から「地球環境経済」へ:自然と共生し、持続的に存在していける社会。

また、本書の後ろ1/3位は日本型経営礼讃の論述、理解できる部分も多々ありますが、日本企業も戦前、戦後、高度成長、バブル崩壊と様々な歴史を背負っています。そのあたりの説明が無いとおっさんの昔話的に思えてしまうのは私だけでしょうか^^;

 前著に感激しただけに、風呂敷を目一杯広げての雑なたたみ方のような印象が。。。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年11月26日

田坂さんの著書。
”複雑系”というキーワードを漁っていたところ、出くわしたので、手に取った。そういえば出版時に言っていた気がする。

この本は未来の予測はできないが、予見ならできるという制約をあらかじめつけているところ、たしかに2009年の本ではあるが、2011年現在、その予見の通りに近い形で展開を...続きを読むしているだろう。
すばらしさは紹介文から引用してみよう。

原子力参与として招聘されたのも納得の一冊であろう。

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目に見えない資本主義 ‐ Invisible Capitalism
貨幣経済を超えた新たな経済の誕生
経済学者が語らない資本主義の未来
なぜ、日本型経営が復活するのか
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いま、世界全体を覆う経済危機の中で、
多くの人々が抱いている疑問がある。

「これから資本主義に何が起こるのか」

その疑問に答える、著者渾身の一冊。

これから、インターネット革命、複雑系社会の出現、
地球環境問題の深刻化を背景として、
従来の「貨幣経済」を超えた、新たな経済原理が生まれてくる。

それは、次の「五つのパラダイム転換」によって生まれてくる
新たな経済原理。

(1)「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
(2)「知識経済」から「共感経済」へ
(3)「貨幣経済」から「自発経済」へ
(4)「享受型経済」から「参加型経済」へ
(5)「無限成長経済」から「地球環境経済」へ

そして、これらのパラダイム転換の結果、これから、
「目に見えない価値」「目に見えない資本」を重視する
成熟した資本主義が生まれてくる。

言葉を換えれば、「目に見えない資本主義」。

その新たな資本主義への進化が起こる。

しかし、
この新たな資本主義において重視される価値観は、
不思議なことに、
かつて「日本型資本主義」と「日本型経営」が大切にしてきた
懐かしい価値観に他ならない。

なぜなら、これから資本主義に起こるのは、
ヘーゲルの弁証法が語る「螺旋的発展」。

古く懐かしいものが、新たな価値を伴って復活してくる。

それゆえ、これから、資本主義の進化に伴って、
「日本型経営」と「日本型資本主義」が
新たな価値を伴って復活してくる。

本書は、その「資本主義の進化」のビジョンを
従来の経済学の視野を超え、
哲学、歴史学、文化人類学、宗教学、政治学、社会学、
経営学、心理学、情報学などの広い視野から
深い洞察力で語った、知的刺激に満ちた一冊。

■目次
第1話 これから資本主義に何が起こるのか
「グローバル資本主義」が引き起こした世界経済危機
世界経済危機を超えて誕生する「新たな資本主義」
なぜ、従来の経済学は「資本主義の進化」を論じないのか
資本主義の「経済原理」に起こる五つのパラダイム転換

第2話 資本主義の未来を予見する哲学
いかにして、未来を予見するか
「弁証法」が予見する資本主義の未来
世界は、「螺旋階段」を登るように発展する
対立し、競い合うもの同士は、互いに似てくる
振り子は、極点で、必ず逆方向に振り戻す

第3話 「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
「蝶々の経済」に、どう処するか
なぜ、経済が「複雑系」になっていくのか
「複雑系経済」の最大の問題は、何か
「複雑系経済」に、どう処するか
グローバル資本主義による「CSR」の歪曲
「倫理」とは、市場原理を超えたもの
なぜ、CSR企業が「目に見えない資本」を蓄積するのか

第4話 「知識経済」から「共感経済」へ
「目に見えない経済」を、どう評価するか
なぜ、従来の経済学は「知識資本」を扱えないのか
「メタレベル」へと形態を変える知識資本
サブプライム・ローン問題が壊した「目に見えない資本」
資本主義の「成熟」とは、何か

第5話 「貨幣経済」から「自発経済」へ
「陰の経済」を、どう活用していくか
ボランタリー経済が「陰の経済」にされていた二つの理由
「経済原理」に起こっている螺旋的発展
「融合経済」という新たな経済原理の誕生

第6話 「享受型経済」から「参加型経済」へ
「主客一体の経済」が始まる
経済の「直接民主主義」が実現する
「イノベーションの手法」が、イノベーションを遂げる
「民主主義」も螺旋的に発展していく

第7話 「無限成長経済」から「地球環境経済」へ
「有限の経済」を覚悟すべき時代
新たな「豊かさの指標」とは、何か
多様な価値を多様な尺度で評価する方法

第8話 「企業倫理」を身体化していた日本型経営
なぜ、「懐かしい価値観」が復活するのか
昔から「CSR」を身体化していた日本型経営
「放任」でも「管理」でもない、「第三の道」
日本型経営が立脚する「人間観」

第9話 「見えない資本」を見つめていた日本型経営
「見えない資本」が見えなくなった現代の経営者
成熟とは、「見えない価値」が見えること
日本型経営の「報酬観」と「組織観」

第10話 「社会貢献」と「利益追求」を統合していた日本型経営

第11話 「主客一体」を追求していた日本型経営

第12話 「有限・無常・自然(じねん)」を前提としていた日本型経営

第13話 なぜ、日本型経営が復活するのか

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Posted by ブクログ 2010年11月27日

資本主義に関して5つの段階が書かれていた

サブプライムローン問題で世界経済が冷え切っているが
まるで問題が過ぎ去るのを待っているだけの様に見える世界経済
問題が発生した中で、「どの様に変えるのか?」を意識しなければ変わらない
何も変わらなければ、「味わった苦しみ全てが無駄」と断言している


表面...続きを読む的な対応に慣れすぎてしまった効率主義に対する警鐘にも読み取れた

整備されたマニュアル・システムによって、自律型人間を産みにくくする土壌にしているのも、また、事実だろう



経済書物ではあるが、【逆説】に関して、とても納得する表記があった

『ある人間観に基づいて生み出される制度は、
 その制度が社会に低直するにつれ、
 逆に、その制度が想定する人間を増やしていく』(p.76)

性悪説を前提にした制度を構築していくと、
性悪説に基づいた人間が増えていく
とてもパラドックスだなって思う

『規制と懲罰での秩序維持は
 必ず隠れたる堕落を生む』(P.76)

理論上に進まない経済・人間の複雑さを表現している
非常に納得できた一言でした

【教訓】
○「成熟」とは「見えないモノ」が「見えてくる」

 人の成熟は、正にそうだと思う。まだ、見えていない自分は成熟できていないな…

○古いメガネをかけて、新しい世界は見れない

 古い価値観を持ったままでは、新しいものが見えない
 少しずつ、新しい価値観の構築に動いています


○長い歴史を振り返るならば、現在の社会において「常識」と思っている事が、決して「常識」ではなかった

 自分の歴史を振り返る中でも、確かにそうだ
 数年前までは「常識」だったモノが、今は「過去の遺物」になっている
 
 今の「常識」にこだわり過ぎているのではないだろうか?

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Posted by ブクログ 2009年12月29日

貨幣経済のグローバル化により世界経済の危機が招来し、資本主義自体の限界性が種々論じられている。

そのような状況下、著者は、日本型経営にこそ進化した資本主義のヒントがあるのではないかと提言している。

新たな「豊かさの指標」とは、あるいは、「見えない資本」の価値をどう創り上げて行くのか、「弁証法」を...続きを読む用い、経済学者ではなく、工学部出身の工学博士が論じる視点が面白い著作である。

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Posted by ブクログ 2009年12月19日

講演を聞く前に一気読み。やっぱり弁証法で何もかも説明がつくらしい。例示は陳腐で構成も分かりにくいが内容は秀逸。そして思想は日々の行動に落とすしかないのだ

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Posted by ブクログ 2009年10月25日

今後の資本主義について、田坂さんがどのように考えているか興味深く思いながら本書を読んだ。

貨幣経済から、田坂さんのいう「目に見えない資本主義」に移行する日は本当にくるのかもしれない。来るならば、それはいつのことになるのだろうか。時間がかかるような気もするけど、この経済危機が深刻で、かつ、長引くほど...続きを読む、移行の機運は高まるのだろう。

資本主義の本質が変わるとき、ロスチャイルド家はどうするんだろう・・・?とか思ってしまったりする私は、ロスチャイルド本にそれなりに影響をうけてしまっているのかもしれない・・・

ロスチャイルドはともかく、本書で印象に残った点。

【読書メモ=印象に残った点】
※本書から引用させていただいております。
・ ある人間観にもとづいて生み出される制度は、その制度が社会に定着されるについれ、逆に、その制度が装丁する人間を増やしていく。
規制と懲罰だけによって秩序を維持しようとする社会は、必ず隠れたる堕落を生む。

・ 知識経済は「特許」や「知的財産」を価値とする経済であり、知識資本主義が「研究開発能力」や「創造的人材」をめぐる競争であるとの理解は不十分な理解。
・ いまや、「知識資本」とは、「関係資本」「信頼資本」「評判資本」「文化資本」といった次元の資本をも意味するものへと広がっている。

・ ネット・ウェブ革命は、知識、関係、信頼、評判、文化というものの価値を圧倒的に高め、「目に見えない資本」の影響力を加速度的に強めていく。

・ 知識、関係、信頼、評判、文化といった「メタレベルの知識資本」を総称して「共感資本」と呼ぶべき。

・ 人間の精神における成熟とは、見えないものが見えるようになること。例えば、人間の心。若い時代には、自分しか見えず、相手の心が見えない。

・ 享受型経済から、参加型経済へ。間接民主主義から直接民主主義へ。

・ 「消費者がイノベーションに参加すると、ニーズに応えた商品・サービス開発ができるから」、「多くの人々の知識や智恵を様々な分野のイノベーションに活用できるから」、といったこと参加型イノベーションの重要なポイントではない。
重要なポイントは、人々の幸福感である。人々は、社会の変革に参加しているときに幸福感を感じる。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

詳しくは拙著**を参照というのが多い。他で使ったネタをそのまま焼き直して使っているという点では「手抜き」と言えなくもない。それで、☆を一つ減点した。

とはいえ、思考が網状に展開している様は、筆者の思想と符合している。主張や関心にはほぼ共感でき、自分としても思索を深める上で、大いに参考になる。

...続きを読む坂氏の本を一冊も読んだことのない人は、確実に損をしている。

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Posted by ブクログ 2010年05月09日

これまでの田坂さんの考えが再度まとめられている感じ。
複雑系の経済において、弁証法的な発想をどう身に付けていくか。

弁証法って確かに閉塞された状況を突破するときとかイノベーティブな発想とかには大原則となる方法論だけれども、実践が難しい。どうしても二項対立とかそういう議論に引っ張られちゃいますよね。

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